株価* | 時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
3,132円 | 1.3兆円 | 82.5% | N/A | N/A |
PER(実績) | PER(予想) | PBR | 配当利回り | EV/EBITDA |
30.2倍 | 28.5倍 | 6.7倍 | 1.15% | 15.0倍 |
*株価は2024/7/29終値。カプコンは2024/4/1付けで一対二の株式分割を行った。
カプコン:2025年3月期1Q決算結果
売上高 | 296億円 | 前年同期比▲32.5% |
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営業利益 | 129億円 | 同▲46.4% |
四半期純利益 | 99.8億円 | 同▲45.1% |
カプコンの2025年3月期1Q決算は前年同期に『ストリートファイター6』を発売したために減収減益となったが、全ての事業が計画を超過の順調な進捗の決算であった。売上高は前年同期比▲32.5%の296億円、営業利益は同▲46.4%の129億円、営業利益率は同11.3pt低下の43.5%、四半期純利益は同▲45.1%の99.8億円となった。為替差益を6億2,000万円計上した。
セグメント別概況は
【デジタルコンテンツ事業】
セグメント売上高 | 214億円 | 前年同期比▲43.5% |
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セグメント利益 | 128億円 | 同▲48% |
セグメント利益率 | 59.9% | 同▲5.3pt |
販売本数(コンシューマー) | 953万本 | 同▲29.4% |
6月に過去作品『モンスターハンター ストーリーズ』および『モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~』を現行機向けに移植して販売し、好評を博し『モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~』は累計200万本を発売した。リピートタイトルでは『モンスターハンターワールド:アイスボーン』および『モンスターハンターライズ』も続伸し、「モンスターハンター」シリーズの全世界での累計販売本数は1億本を達成した。前期発売の『ストリートファイター6』について引き続きeスポーツ展開との連携強化によるブランド認知とユーザー数の拡大を進め3月発売の『ドラゴンズドグマ 2』も計画通り推移した。
【アミューズメント施設事業】
セグメント売上高 | 48億円 | 前年同期比18%増 |
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セグメント利益 | 5億円 | 同37%増 |
セグメント利益率 | 10.6% | 同1.5pt上昇 |
観光需要やインバウンドの回復のなか既存店の効率的な店舗運営や新業態での出店効果により収益拡大を図った。既存店売上増減率は前年同期比111%であった。4月に「プラザカプコン小谷部店」(富山県)、5月に「プラザカプコン池袋店」に新区画をオープンし、施設数は51店舗となった。
【アミューズメント機器事業】
セグメント売上高 | 22億円 | 前年同期比147.2%増 |
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セグメント利益 | 10.8億円 | 同59.7%増 |
セグメント利益率 | 48.8% | 同▲26.7pt |
スマートパチスロのけん引によりパチスロ市場は堅調に推移しているなか6月稼働の新機種『ストリートファイターV 挑戦者の道』を5,500台販売し収益に貢献した。
【その他事業】
セグメント売上高 | 10.97億円 | 前年同期比13.3%増 |
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セグメント利益 | 6.64億円 | 同34.3%増 |
セグメント利益率 | 60.5% | 同9.5pt増 |
その他事業については社内組織の統合によりeスポーツとライセンスビジネスの連携を加速し、カプコンのブランド価値向上に向け体制強化を図った。eスポーツに関してはグローバル規模のユーザー層の裾野拡大に向けた施策に加えて国内でも普及を拡大するべく2024年シーズンは両国国技館での決勝大会を決定した。サウジアラビアで7月に開催される「Esports World Cup」に『ストリートファイター6』が採用された。「モンスターハンター」シリーズ20周年にあわせた各種イベントやコラボレーションを展開した。
カプコン:2025年3月期予想
売上高 | 1,650億円 | 前期比8.3%増 |
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営業利益 | 640億円 | 同12.1%増 |
当期純利益 | 460億円 | 同6.1%増 |
EPS | 109.98円 | |
一株当たり配当金 | 36円 |
従前の通期予想を維持した。2025年3月期は営業利益12期連続増益、最高益更新を計画している。
アナリストによる投資判断
1Q決算は前年同期に『ストリートファイター6』を発売したために減収減益となったが、全事業計画を超過しており順調な推移であった。今期は各新規タイトルの発売予定により下期偏重となる予定である。各メディアでのプロモーションによるブランド価値向上と価格施策によるリピートタイトルの販売が大変上手く行っており、新作タイトルに売上が左右されるリスクを低減している。バリュエーションは予想PERが28.5倍と若干割高な印象を受けるが、ROIC(投下資本利益率)は20%と競合他社より高く、安心感のあるゲーム銘柄であるので株価バリュエーションにプレミアムがつくのは妥当であると考えている。