株価 (2022/2/9) |
時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
---|---|---|---|---|
5,612円 | 9.5兆円 | 23% | 44.9% | N/A |
PER (実績) |
PER (予想) |
PBR | 配当利回り | EV / EBITDA |
2.3倍 | N/A | 0.86倍 | 0.78% | N/A |
2022年3月期第3四半期決算
ソフトバンクグループ(SBG)の2022年3月期第3四半期決算(累計)結果は
売上高 | 4兆5,808億円 | (前年同期比10.7%増) |
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税引前利益 | 1兆2,347億円 | (同63.3%減) |
四半期純利益 | 3,926億円 | (同87.0%減) |
第3四半期単独の決算結果は
売上高 | 1兆5,973億円 | (前年同期比6.0%増) |
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税引前利益 | 1,878億円 | (同90.2%減) |
四半期純利益 | 290億円 | (同97.5%減) |
ソフトバンク事業とアーム事業が増収になり売上増に貢献した。第三四半期単独の投資損益は▲5,518億円だった。内訳は以下の通りだった。
持株会社投資事業からの投資損益 | 159億円 |
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SVF1及びSVF2からの投資損益 | ▲7,678億円 |
ラテンアメリカ・ファンドの投資損益 | 1,367億円 |
その他の投資損益 | 633億円 |
第3四半期末の時価純資産(NAV)は中国投資先企業等の株価下落で前四半期末(9月末)より1.6兆円下落し19.3兆円となった。
SVF1では、上場投資先の一部エグジットなどにより実現益(純額)1兆167億円を計上(うち、1兆521億円は過年度に未実現評価益(純額)として計上済み)。未上場投資先で合計1兆1,543億円の未実現評価益(純額)を計上した一方、上場投資先で合計1兆9,676億円の未実現評価損(純額)を計上した。(主なものはCoupangに係る損失1兆1,234億円およびDiDiに係る損失6,302億円)
SVF2では、実現益1,110億円(うち、1,469億円は過年度に未実現評価益(純額)として計上済み)および未実現評価益(純額)1,065億円を計上した。
持株会社投資事業からの投資利益159億円:Tモバイルおよびドイツテレコム株式に係る未実現評価損合計1,212億円、上場株式等への投資による投資損失471億円をそれぞれ計上した一方で、アリババ株式先渡売買契約決済益681億円、その他多数の投資銘柄に係る実現および未実現評価益合計1,034億円(純額)を計上した。
ラテンアメリカ・ファンド事業からの投資利益1,367億円:投資の公正価値増加により未実現評価益(純額)を計上した。
SVF1の投資活動の状況は投資先の上場や資金化が進んだ。第3四半期累計期間に29億米ドルの投資を実施した。第3四半期末時点で83銘柄に投資した。このうち第3四半期累計期間に11社が上場したことにより、上場投資先は22社となった。主に投資の一部売却や資金化による手取金を基に分配を実施(当社は61億米ドルを受領)した。
SVF2の投資活動の状況は新規投資が順調に進展した。当第3四半期累計期間に合計363億米ドルの新規および既存投資先への追加投資を実施し、累計投資額は426億米ドルになった。第3四半期末時点で208銘柄に投資した。このうち第3四半期累計期間に10社が上場したことにより、上場投資先は13社となった。主に投資の一部売却や資金化による手取金を基に分配を実施(当社は70億米ドルを受領)した。
ラテンアメリカ・ファンド事業の投資活動の状況は、第3四半期累計期間に48銘柄への新規投資を含む34億米ドルの投資を実施した。第3四半期末時点で84銘柄に投資した。
資金調達の状況は、国内ハイブリッド社債4,050億円、国内劣後社債5,000億円、外貨建て普通社債38.5億米ドルおよび29.5億ユーロを発行し、当期の社債リファイナンスに目途をつけた。2021年9月に国内ハイブリッド社債4,556億円、12月に国内劣後社債3,616億円を償還済である。アリババ株式を活用した先渡売買契約による資金調達については、新規契約の締結、既存契約のロールオーバーおよび早期解約の結果、90.4億米ドル(純額)を調達した。アリババ株式を活用したマージン・ローンについては、2021年12月に100億米ドルを返済した一方、60億米ドルを新規借り入れを実施した。
2022年3月期予想
2022年3月期通期の業績予想を会社側は発表していない。通信子会社のSBKKの2022年3月期業績予想は売上5兆5,000億円(前期比5.7%増)、営業利益9,750億円(同0.4%増)、当期利益5,000億円(同1.8%増)である。Zホールディングスの2022年3月期予想は売上1兆5,700億円(同30.2%増)、調整後EBITDA3,300億円以上(同11.9%増以上)と発表した。Zホールディングスは従前の予想より上方修正した。
2020年9月にエヌビディアへの売却を表明したSBG傘下の英半導体設計会社アームについては各国規制当局の反対により売却を断念したと発表した。エヌビディアとはアームの売却契約を解消することで合意した。売却の対価として受け取っていた前払い金12億5000万ドル(1,438億円)には返金の義務はなく、第4四半期に利益として認識する予定である。またアームについてはナスダックを中心に米国で上場を考えていると表明した。孫氏は半導体市場最大のIPOになり、SBGにとっては第二の成長期に入るとコメントした。
アナリストによる投資スタンス
決算内容にサプライズはなかったが、アームのナスダック上場を好感してSBGの株価は5.85%上昇した。通期の業績予想がないために予想PER、EV/EBITDAは計算できないが、PBRは0.86倍と割安である。
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プロフィール
新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。
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