【決算ポイント】インフレ鈍化で市場環境によりArmのIPOの可能性。

 

 

ソフトバンクグループの株価情報

株価

(2023/2/7)

時価総額

自己資本比率

ROE

ROIC

6,268円

9.2兆円

21.3%

N/A

N/A

PER(実績)

PER(予想)

PBR

配当利回り

EV/EBITDA

N/A

N/A

0.82倍

0.70%

N/A

SBG:2023年3月期3Q決算

売上高 (累計)4兆8,758億円前年同期比6.4%増
税引前利益▲2,900億円赤字転落
四半期純利益▲9,125億円赤字転落

 

3Q単体の決算結果は

売上高1兆6,933億円前年同期比6.0%増
税引前利益▲5,827億円赤字転落(前年同期は1,878億円)
四半期純利益▲7,834億円赤字転落(前年同期は290億円)

アリババの株式売却で四半期純利益を3兆336億円計上した中間決算から一転し、再び赤字決算に陥った3Q決算であった。最終損益は9125億円の赤字となり、3Qとしては過去最大の赤字幅を記録した。SVF事業からの投資損失は5兆68億円であった。3Qまでに合計1.4兆円の自社株買いを完了した。

KPI

      KPI 3Q 2Q
NAV(時価純資産)13.9兆円16.7兆円
LTV(純負債/保有株式価値)18.2%15.0%
手元流動性3.8兆円4.3兆円

NAVは主に円高の影響で減少した。

3Qの税引前利益(累計)の事業別概況

 セグメント利益 
持株会社投資事業 3兆1,318億円前年同期比2.2倍
SVF事業▲4兆108億円前年同期▲3,508億円
ソフトバンク事業(SBGが40%保有)5,455億円前年同期比▲22.2%
アーム事業549億円同76.5%増

SBKK事業はセグメント利益は、主にコンシューマ事業やヤフー・LINE事業が減益となったほか、投資損益が悪化したことなどにより、前年同期比22.2%減少した。

アーム事業はのロイヤルティー収入はロイヤルティー収入がアーム市場最高を記録した。インフラ分野におけるシェアの拡大、IoT端末搭載チップ数の増加、スマートフォン向けチップのロイヤルティー単価上昇が増収に貢献した。非ロイヤルティー収入はアーム史上最高の売上を記録した前年同期に比べれば減収となったものの、引き続きアームライセンスへの需要は強く前年同期に次ぐ高水準の売上であった。

投資損益

 持株会社投資事業からの投資損益3兆6,996億円
 SVF事業からの投資損益▲5兆68億円
 その他の投資損益▲540億円
投資損益合計▲1兆3,612億円

 

持株会社投資事業からの投資損益は1Q中にはTモバイル株式21.2百万株を24.0億米ドルで売却、2Qに実行したアリババ株式を利用した先渡売買契約のうち242百万ADRを対象とした契約の早期現物決済による利益5兆3,716億円、またアリババが関連会社から除外された時点から3Q末までの株価下落に伴い、投資の未実現評価損失9,480億円計上等を累計して3兆6,996億円となった。

SVF事業からの投資損失は▲5兆68億円となった。このうち外部投資家に帰属する投資損失は▲1兆1,458億円であった。

SVF1ではUber等6銘柄の全株式売却および他銘柄の一部株式売却等による投資の実現益481億円を計上した。一方3Q末までの多数の銘柄の株価下落を反映し、公開投資先について▲1兆1,277億円の未実現評価損失を計上した。未公開投資先についても、業績の低迷や公開類似企業の株価下落などを反映し多数の銘柄で公正価値が減少したことにより合計▲9,251億円の未実現評価損失を計上した。

SVF2ではKE Holdingsの全株式売却および他銘柄の一部株式売却等による投資の実現損失▲27億円を計上した。公開投資先については主にAutoStore HoldingsおよびWeWorkの株価下落、未公開投資先については業績の低迷や公開類似企業の株価下落などを反映した結果▲2兆3,224億円の未実現評価損失を計上した。

SVF1+SVF2+LatAmファンドの累計投資損益は▲66億4,500万ドルとなった。

SVF1は投資額が896億ドル、累計投資成果(累計投資成果+売却額)が1,006億ドルとなった。

SVF2は投資額が499億ドル、累計投資成果(累計投資成果+売却額)が332億ドルとなった。
 


財務状況

SVFからの投資(FVTPL)の帳簿価額は10兆8,568億円と前期末比4兆529億円減少した。SVF1は前期末比2兆1,220億円減少、SVF2は同1兆6,093億円減少した。

 投資有価証券の帳簿価額は6兆8,540億円(前期末比3兆7,687億円増加)3Q末時点で保有するアリババ株式の帳簿価額4兆1,486億円を計上した。

持分法で会計処理されている投資は7,494億円(前期末比4兆4,852億円減少)アリババを持分法適用関連会社から除外し、アリババの連結簿価4兆5,721億円が減少。アリババ株式は公正価値で投資の成果が測定されるFVTPLの金融資産として「投資有価証券」に計上した。

負債状況はSBGの有利子負債が前期末比1兆1,479億円減少、資金調達を行う100%子会社の有利子負債が前期末比2兆4,925億円減少した。

資本の増減は親会社の所有者に帰属する純損失9,125億円を計上し、利益剰余金が減少した。継続的な自社株買いを実施で3Q末までに1兆554億円取得した。為替換算レートが前期末から円安となったことにより在外営業活動体の為替換算差額が1兆2,276億円増加した。これらの結果自己資本比率は前期末21.0%から2Q末21.3%に上昇した。

SBG:2023年3月通期業績予想

SBGは業績予想は行なっていない。通信子会社のSBKKの2023年3月期業績予想は売上5兆9,000億円(前期比3.7%増)、営業利益は1兆500億円(同6.5%増)、当期純利益利益は5,400億円(4.3%増)を予定している。Zホールディングスの2023年3月期予想は調整後EBITDAのレンジ予想を下限値に修正した。売上1兆7,240億円(同10%増)、調整後EBITDA3,315(同フラット)を予定している。

 

アナリストによる投資判断

SBGにとって厳しい環境が続いていたが、インフレが大幅に鈍化するだろうとのパウエルFRB議長のコメント、また米ナスダック総合指数が年初来13.58%上昇し明るい兆しが見えてきたように思われる。アームの業績は世界的はAI化の加速により急速に伸びており、SBGは2023年のIPO計画を継続している。

 

 

 

 

 

 

 

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