ソフトバンクグループの株価情報

株価*

時価総額

自己資本比率

ROE

ROIC

7,022円

10.28兆円

21.4%

N/A

N/A

PER(実績)

PER(予想)

PBR

配当利回り

EV/EBITDA

▲10.8倍

N/A

1.19倍

0.63%

N/A

*株価は2023/8/8の終値。

SBG:2024年3月期1Q決算

売上高 1兆5,575億円前年同期比▲0.9%
税引前損益▲1,762億円赤字縮小
四半期純損益▲4,776億円赤字縮小

赤字は縮小したものの四半期純損益は▲4,776億円であった。持株会社投資事業は▲3,945億円のセグメント損失を計上し、SVF事業では610億円のセグメント利益を計上した。 

財務費用1,396億円、為替差損4,646億円(主にソフトバンクグループにおいて米ドル建負債が米ドル建現預金・貸付金を上回っている中、円安となった影響により損失を計上)、デリバティブ関連利益8,496億円はアリババ株式の株価下落に伴い、同株式の先渡売買契約に係るデリバティブ関連利益を計上。アリババ株式の未実現評価損失▲5,534億円を相殺した。税引前損失は▲1,762億円であった。

法人所得税は1,400億円、非支配持分に帰属する純利益1,614億円、親会社の所有者に帰属する純損失は▲4,776億円であった。

継続的な資金化を行った。アリババ株式を利用した先渡売買契約により43.9億米ドルを調達した。SVFで4銘柄の全株式および複数の上場銘柄の一部株式などを合計9.2億米ドルで売却した。

投資は拡大した。SVFで合計15.8億米ドルを投資した。ソフトバンクグループおよび100%子会社で戦略投資を中心に合計1,200億円を投資した。

2023年4月に国内ハイブリッド社債2,220億円を発行し、同年5月のハイブリッドローン531億円の借入実行とあわせて、2023年7月に初回任意償還日を迎えた米ドル建ノンコール6年永久ハイブリッド社債(20億米ドル)のリプレイスメントを完了した。2023年9月には、同月に初回任意償還日を迎える円建ハイブリッド社債(154億円)のリプレイスメントを予定している。

2024年3月期1Qの税引前利益の事業別概況

 セグメント損益前年同期比
持株会社投資事業 ▲3,945億円赤字縮小(前年同期は▲1兆1,981億円)
SVF事業610億円前年同期は▲2兆3,308億円
ソフトバンク事業(SBGが40%保有)2,550億円前年同期比14.7%増
アーム事業▲95億円赤字転落(前年同期は298億円の黒字)

持株会社投資事業は主にアリババやドイツテレコム、Tモバイルの株価下落に伴い、投資損失6,897億円を計上した。投資損失はデリバティブ関連利益(投資損益を除く)8,488億円で補ったものの、為替差損4,661億円を計上したことにより、セグメント損失は3,945億円になった。

SVF1は投資額896億米ドルに対しリターンが1,020億米ドル、活動開始来累計利益は124億米ドルだった。SVF2は投資額518億米ドルに対しリターン332億米ドル、活動開始来累計損失は186億米ドルだった。

ソフトバンク事業はモバイルサービスの通信料値下げの影響でコンシューマ事業が減益となった一方、メディア・EC事業およびエンタープライズ事業が増益となったことなどにより、セグメント利益は前年同期比14.7%の増加であった。

アーム事業は半導体市場全体の売上高減少を背景に減収減益となった。ロイヤルティー収入が19.3%減(米ドルベース):スマートフォン向けチップなどの出荷が減少した。ライセンスおよびその他の収入が3.6%増(米ドルベース):次世代スマートフォン、自動車、組み込み機器およびAI向けチップを開発する複数の企業と高価値なライセンス契約を締結した。 減収および株式報酬費用の増加や研究開発強化に伴う従業員数の増加により、95億円のセグメント損失となった。 

財務状況

SVFからの投資(FVTPL)の帳簿価額は11兆4,775億円、前期末比9,878億円増加した。SVF1は前期末比4,030億円増加した。1Q末に保有する投資先の公正価値減少により3.3億米ドル、投資の売却により5.1億米ドルそれぞれ減少した。SVF2は前期末比4,744億円増加した。1Q末に保有する投資先の公正価値減少により1.4億米ドル、投資の売却により2.6億米ドルそれぞれ減少した一方、新規投資および既存投資先への追加投資により15.1億米ドル増加した。LatAmファンドは前期末比1,103億円増加した。

投資有価証券の帳簿価額は7兆4,911億円(前期末比2,154億円減少)であった。アリババ株式の帳簿価額は4兆2,890億円(前期末比5,534億円減少)、Tモバイル株式の帳簿価額は8,728億円(前期末比1,036億円増加)
ドイツテレコム株式の帳簿価額は7,110億円(前期末比184億円減少)であった。

ソフトバンクグループ㈱の有利子負債が前期末比2,725億円増加した。2023年7月に初回任意償還日を迎えた米ドル建ノンコール6年永久ハイブリッド社債(20億米ドル)のリプレイスメント(完了済み)に向け、国内ハイブリッド社債の発行およびハイブリッドローンの借入を実行した。

資金調達を行う100%子会社の有利子負債が前期末比1兆1,138億円増加した。アリババ株式を利用した先渡売買契約の新規締結により43.9億米ドルを調達した。

資本合計で前期末比8,005億円の増加した。親会社の所有者に帰属する純損失4,776億円を計上し、利益剰余金が減少した。為替換算レートが前期末から円安となったことにより在外営業活動体の為替換算差額が1兆2,570億円増加した。

親会社の所有者に帰属する持分比率(自己資本比率)は1Q末21.4%(前期末は20.6%)となった。

SBG:2024年3月通期業績予想

SBGは業績予想は行なっていない。通信子会社のSBKKの2024年3月期業績予想は売上6兆円(前期比1.5%増)、営業利益は7,800億円(同▲26.4%)、当期純利益利益は4,200億円(同▲21%)を予定している。Zホールディングスの2024年3月期予想は売上1兆9,000億円(同13.6%増)、調整後EBITDA3,560億~3,660億円(同7%~10%増)を予定している。

 

アナリストによる投資判断

SVF事業では黒字を確保したものの持株会社投資事業、アーム事業でセグメント損失を計上した。アーム事業は他の半導体企業もそうであるが、スマーフォンの在庫調整が響いており減収減益であった。アームのナスダック上場、IPO時にエヌビディアが出資するとの報道があり今年中の上場が期待される。

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