ソフトバンクグループの株価情報

株価*

時価総額

自己資本比率

ROE

ROIC

9,409円

13.6兆円

25.7%

N/A

0.4%

PER(実績)

PER(予想)

PBR

配当利回り

EV/EBITDA

▲60.6倍

N/A

1.1倍

0.47%

N/A

*株価は2024/11/12の終値。

SBG:2025年3月期2Q決算結果(累計)

売上高 3兆4,699億円前年同期比7.5%増
税引前損益1兆4,611億円黒字転換(前年同期は▲9,074億円)
親会社の所有者に帰属する中間純損益1兆53億円黒字転換(前年同期は▲1兆4,087億円)

ソフトバンクグループの2025年3月期中間純損益は1兆53億円と1Qの赤字から黒字転換した。売上高は前年同期比7.5%増の3兆4,699億円、税引前損益は黒字転換し1兆4,611億円、親会社の所有者に帰属する中間損益も黒字転換し1兆53億円となった。 

【投資利益】

持株会社投資事業の投資利益は2兆6,510億円と黒字転換した。(内訳は、アリババ株式に係る投資利益1兆2,801億円、Tモバイル株式に係る投資利益5,662億円を計上した。)

SVF事業からの投資損益は5,998億円であった。SVF1ではByteDanceやCoupang等一部の投資先の公正価値が増加。活動開始来累計損益はSVF1で226億米ドルのプラス、SVF2で▲210億米ドル。

ただし、アームやSBKKなどの子会社は連結されるため、株式の公正価値の変動は連結損益計算書に計上していない。

【税引前利益】

税引前利益は前年同期比2兆3,686億円改善の1兆4,611億円となった。販管費1兆4,331億円、財務費用2,837億円、為替差益2,890億円。ソフトバンクグループにおいて米ドル建て負債が米ドル建て現預金・貸付金を上回っている中、期末日為替換算レートが前期末に比して円高となった影響により利益を計上した。デリバティブ関連損失(投資損益を除く)1兆4,780億円:アリババ株式の株価上昇に伴い、同株式の先渡売買契約に係るデリバティブ関連損失を計上。上記の通り、アリババ株式に係る投資利益を相殺した。SVFにおける外部投資家持分の増加額4,212億円:外部投資家持分の割合が大きいSVF1において投資利益8,964億円(セグメント情報ベース)を計上したことに伴い、外部投資家持分の増加額3,631億円(成果分配型投資家帰属分)を計上した。

【純利益】

親会社の所有者に帰属する純利益は前年同期比2兆4,140億円改善の1兆53億円であった。法人所得税2,238億円、非支配持分に帰属する純利益2,320億円

【成長投資】

ソフトバンクグループ及び100%子会社で合計4,195億円を投資した。(AIを活用したデータ学習型の自動運転プラットフォームを開発する英国のWayve Technologiesへ投資、米国で太陽光発電所の建設及び運営を手掛ける持分法適用会社のSBE Globalの持分を追加取得し、同社を子会社化。AIや機械学習に特化した半導体チップの設計・開発を手掛ける英国のGraphcoreを子会社化等。)

また、決算説明会中後藤専務は2Q中にオープンAIに5億ドル(約750億円)出資したと発表した。 

SVFではエンタープライズやフロンティアテックセクターの企業を中心に合計12.3億ドルを投資した。

【ファイナンス】

2024年4月に機関投資家向け普通社債1,000億円、同年6月に個人投資家向け国内普通社債5,500億円をそれぞれ発行し、国内普通社債4,500億円を同年6月に満期償還した。

2024年7月に米ドル建て普通社債9億米ドル、ユーロ建て普通社債9億ユーロをそれぞれ発行するとともに同年7月に米ドル建て普通社債7億6,700万米ドルとユーロ建て普通社債6億3,800万ユーロをそれぞれ期限前償還及び満期償還した。

2024年9月にタームローンにより2,900百万米ドルの借り入れを実行した。

2024年9月にコミットメントライン契約を更改。更改後の借入限度額は米ドル建トランシェが5,465百万米ドル、円建てトランシェが356億円。2Q末現在、全額未使用。

2024年8月に決議した最大5,000億円の自己株式取得枠のうち2Q末までに累計1,538億円、2024年10月末までに累計1,748億円の自己株式を取得した。

 

2025年3月期2Qの税引前利益の事業別概況

 セグメント損益前年同期比
持株会社投資事業 6,644億円黒字転換(前年同期は▲5,343億円)
SVF事業1,688億円黒字転換(前年同期は▲1,978億円)
ソフトバンク事業(SBGが40%保有)5,399億円前年同期比4.8%増
アーム事業38億円黒字転換(前年同期は▲84億円)

ソフトバンク事業はメディア・EC事業、コンシューマー事業及びエンタープライズ事業が引き続き増益となった事に加えてPayPay(株)及びPayPayカード(株)が黒字転換した事によりセグメント利益は増加した。モバイルサービス売上は契約数、ARPUの改善により増収となった。

アーム事業は黒字転換しは38億円のセグメント利益となった。セグメント利益にはアーム買収時の時に行った取得原価配分により計上した無形資産の償却費が340億円含まれている。1Qはアーム史上最高売上を記録した後2Qでは米ドルベースの売上高は1Q比▲10%であったが、前年同期比23.2%増、円ベースでは同33%増となった。2Q累計のロイヤルティー収入は前年同期比25.3%増加した。チップ当たりのロイヤルティー単価が高いアームの最新世代テクノロジー「Armv9」の普及が増収に貢献した。ライセンス及びその他の収入は同20.8%増加。前期に大手テクノロジー企業と締結した高額かつ長期の契約を収益計上。加えて、次世代スマートフォン、データセンター、ネットワーク機器、自動車、コンシューマー・エレクトロニクスおよびAIアプリケーション向けチップを開発する複数の顧客と契約を締結した。大幅増収に伴いセグメント利益が黒字化した。

財務状況

SVFからの投資(FVTPL)の帳簿価額は11兆7,479億円、前期末比912億円減少した。SVF1は前期末比2,262億円増加した。米ドルベースでは40.1億米ドル増加した。投資の売却により15.3億米ドル減少した一方、2末に保有する投資先の公正価値増加により55.5億米ドル増加した。

SVF2は前期末比2,888円減少した。米ドルベースでは3.8億米ドル減少した。新規投資及び既存投資先へ12.2億米ドルの追加投資を行った事により増加した一方、2Q末に保有する投資先の公正価値減少により15.3億米ドル、投資の売却により0.7億米ドルそれぞれ減少した。

投資有価証券の帳簿価額は8兆7,511億円(前期末比3,108億円減少)であった。アリババ株式の帳簿価額は3兆244億円(前期末比7,327億円減少)、Tモバイル株式の帳簿価額は2兆5,142億円(前期末比2,384億円増加)であった。

ソフトバンクグループ㈱の有利子負債が前期末比6,234億円増加した。資金調達を行う100%子会社の有利子負債が前期末比1兆6,660億円減少した。アリババ株式を利用した先渡売買契約について一部の現物決済に伴い決済時点において株式先渡契約金融負債62.6億ドルの認識を中止した。Tモバイル株式を利用した先渡売買契約について、一部の現物決済に伴い株式先渡契約金融負債28.5億米ドルが減少した。

資本合計で前期末比4,300億円減少した。親会社の所有者に帰属する純利益1兆53億円を計上し、利益剰余金が増加した。為替換算レートが前期末から円高となったことにより在外営業活動体の為替換算差額が1兆3,087億円減少した。

親会社の所有者に帰属する持分比率(自己資本比率)は当期末23.7%(前期末は23.9%)となった。

SBG:2025年3月通期業績予想

SBGは業績予想は行なっていない。通信子会社のSBKKの2025年3月期業績予想は売上6兆3,500億円(前期比4.4%増)、営業利益は9,500億円(同8.4%)、当期純利益利益は5,100億円(同4.3%)を予定している。

 

アナリストによる投資判断

全事業セグメント黒字で投資先の公正価値が上昇し好決算となった。ARMに関しては先行のポテンシャルは大きいが予想PERが94倍と割高である。好決算であったが決算発表翌日の13日の前場にSBGの株価は利益確定売りに押されて3%近く下落した。