【銘柄注目ポイント!】
国内のリユースのC to C市場では圧倒的な覇者、メルペイ事業の高成長も期待される。
株価 (2021/11/16) |
時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
---|---|---|---|---|
6,930円 | 1.1兆円 | 13.8% | N/A | N/A |
PER (実績) |
PER (予想) |
PBR | 配当利回り | EV / EBITDA |
190倍 | N/A | 26.8倍 | N/A | N/A |
2022年6月期第1四半期決算
メルカリの2022年6月期第1四半期決算の結果は
売上高 | 336億円 | (前年同期比51.8%増) |
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営業利益 | 8億4,900万円 | (同133.4%増) |
四半期純利益 | ▲1億1,900万円 | (赤字転落) |
今期期初より会計方針を変更したために大幅増収のように見えるが、会計方針の変更を除外した売上高は288億円で前年同期比30%増であった。また、会計方針の変更を除外した営業利益は8億円で同100%増であった。前年同期では特別利益として投資有価証券売却益を69億円計上したために四半期純利益は黒字であったが、今期1Qでは特別利益がなく赤字となった。
セグメント別の状況は以下の通りである。
メルカリJP事業
売上高 | 194億円 | (前年同期比22%増) |
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調整後営業利益 | 51億円 | (同10%増) |
調整後営業利益率 | 26% | (同3pt低下) |
GMV (流通取引総額) | 2,034億円 | (同19%増) |
MAU (月間アクティブ・ユーザー数) | 1,984万人 | (同13%増) |
招待キャンペーンなどによる新規ユーザーの拡大に加え、獲得した新規ユーザーのリテンションを高めるため、当第1四半期より新規ユーザーに対するクロスユース施策(出品・購入・メルペイ決済を促す施策)を実施した。前年同期のGMVが前年同期比34%増と大きく成長しハードルが高い中でも、1QのGMVは前年同期比19%増と高成長を継続した。
新規ユーザーのすそ野が着実に拡大し、9月単月ではMAUが2,000万人を突破した。メルカリJPの調整後営業利益率は26%に留まったが、ハイシーズンである2Q~3Qの売上増加に伴う調整後営業利益率の増加を想定しており、通期で30%以上の方針に変更はない。メルカリJPでは1次流通と2次流通の融合の促進は着実に進んでおり、1Qではマルイとの新たな連携としてマルイのECサイトでメルペイ決済を利用して購入した商品がメルカリの「持ち物リスト」機能に連携可能となった。「持ち物リスト」の連携企業数は累計14社である。
メルペイでは、引き続き与信分野を中心に収益力の強化に取り組んできた。事業者として初となるAI与信の認定を取得したことで、今後これまで以上に柔軟かつ適切な与信付与、サービス設計が可能になると想定している。その結果、注力している「メルペイスマート払い(定額払い)」において利用者や残高が着実に増加し、「メルペイ」の利用者数は1,135万人となるとともに、与信分野を中心とした収益構造が確立し当第1四半期で初の四半期営業損益で黒字を達成した。
メルカリUS事業
売上高 | 8億4,700万ドル | (前年同期比11%増、約961億円) |
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調整後営業利益 | ▲1,400万ドル | (約▲15億8,900万円、前年同期▲1,530万ドル) |
GMV | 2億7,100万ドル | (約307億円、前年同期比6%減) |
MAU | 483万人 | (同18%増) |
メルカリUSのGMVは前期1Qがステイホームしている人達が多かった事から前年同期比165%増と急成長したのでハードルが高かった。今期1QのGMVは従前の予想通りマイナスとなった。しかし、月次では7月を底に回復基調である。一方MAUは着実に拡大しており、会社側では2Qから成長軌道に回復する事を想定している。売上については、前期2Qから導入した決済手数料の効果があり前年同期比プラス成長であった。しかし、調整後営業損益の赤字の拡大は2Q以降ホリデーシーズンに向けた準備として広告宣伝費が増加したこと等による。メルカリUSでは、利便性向上に向けて即日配送サービス「Mercari Local」の全米展開や、Zip社との提携により後払い決済サービス(BNPL:Buy Now, Pay Later)の提供を開始するなど新機能やプロダクトの開発、人材獲得への投資に取り組んだ。
ソウゾウでは、7月28日より「メルカリShops」をプレオープンし、出店者及び機能が限定的な展開ながら、多くの事業者から出店リクエストがあるなど想定以上の反響となった。
メルコインは暗号資産、NFTの事業領域における事業の開始に向けて準備中である。採用については、マネジメント層の獲得も進み組織の基盤ができてきている状況である。
2022年6月期予想
合理的な業績予想の算定が困難であるため記載していない。
アナリストによる投資スタンス
10月末の決算発表以降は株価は売り買い拮抗している状況である。2022年6月期通期の業績予想を発表していないため、PER、EV/EBITDAは計算できないが、PBRは26.85倍である。3か月前の通期決算発表時より大分株価は戻している。
いつまでたっても黒字化しない米国事業に対して懐疑的であるが、国内のリユースのC to C市場では圧倒的な覇者である事、またメルペイ事業の成長余地、シナジーを考えると期待先行ではあるが利益成長が期待される。
投資アイデア
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プロフィール
新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。
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