株価 (2021/10/14) |
時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
---|---|---|---|---|
9,300円 | 1,607億円 | 51.7% | 17.4% | 13.1% |
PER (実績) |
PER (予想) |
PBR | 配当利回り | EV / EBITDA |
24.8倍 | 14.6倍 | 4.3倍 | 0.7% | 9.6倍 |
2022年2月期第2半期決算
ローツェの2022年2月期第2四半期決算の結果は
売上高 | 295億円 | (前年同期比19.3%増) |
---|---|---|
営業利益 | 67億円 | (同40.7%増) |
四半期純利益 | 55億円 | (同67.1%増) |
増収増益の好決算だった。米国主要製造装置メーカー(アプライド・マテリアルズ)向けEFEM(基盤自動搬送装置)の売上が大幅に増加した。前年同期比2倍、連結売上高の25.3%でトップを占めた。また、中国向け半導体関連装置も大きく伸びた。半導体関連装置の売上の大幅増により営業利益率が前年同期比3.45pt上昇し22.65%となった。
セグメント別では半導体関連装置の売上は前年同期比53.7%増の251億円。FPD関連装置の売上は大型投資がなかった為に同71.4%減の18億円、その他(ライフサイエンス事業も含む)は同26.7%増の26億円となった。
世界的な半導体、電子部品の不足に伴い受注予測に基づき先行手配によりリスクを最小限に抑える事が出来た。また、部品調達コスト、輸送コストの増加が想定より下回った事、またベトナムの製造工場での生産効率の改善により増益を達成した。
受注に関しては、第二四半期末に台湾のファンドリー(TSMC)より大型受注があったために受注高、受注残高共に過去最高を大幅に更新した。第二四半期の受注高は212億円、受注残高は265億円である。
2022年2月期予想
好調な上期決算を受けて通期の業績予想を修正した。
2022年2月期通期の会社予想は
売上高 | 650億円 | (前期比28.0%増) |
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営業利益 | 144億円 | (前期比54.2%増) |
当期利益 | 109億円 | (前期比69.6%増) |
EPS | 635.15円 |
通期の純利益予想を従前予想より38.8%上方修正した。配当に関しては業績拡大に伴い、期末配当金を1株当たり45円から65円に修正した。
事業環境としては、5G関連、データセンターなどの需要増加に加え、自動車や家電製品等への半導体不足により需給がひっ迫している。地政学的リスクにより、米国、中国、欧州など各地域にて半導体産業への大型補助金が投入されているが、日本でも熊本に台湾のTSMCがソニーやデンソーが参加し、日本政府が最大事業費8,000億円の半額を援助する形で半導体工場を建設する事が発表された。このような事業環境下で半導体関連装置の受注は期初予想よりも拡大している。
部品調達に関しては、各種部品で入手困難な状況が続いているが、客先及びサプライヤとの連携強化、部品調達、在庫確保に対する取り組みを継続する。
また、生産状況であるが、大幅な受注増加により生産はフル稼働状況である。来期以降の生産力強化に向けて、ベトナムの生産工場では新工場の建設と従業員採用を継続し、中国子会社ではEFEM生産に年内に着手する予定である。
アナリストによる投資スタンス
10月11日の2Q決算発表の翌日株価は20%近く上昇した。しかし、半導体指数のSOX指数の下落に引きずられてその翌日には下落した。株価バリュエーションは予想PERが14.6倍、PBRが4.3倍、EV/EBITDAが9.6倍と割高感は全くない。
今期に最高益更新はほぼ確実であり、株価の下押し要因はローツェのファンダメンタルよりも相場全体の地合いやSOX指数下落などに影響を受けるが、株価下落時にはむしろ買いのチャンスであると思われる。
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プロフィール
新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。
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