株価 (2022/1/13) |
時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
---|---|---|---|---|
13,200円 | 2,281億円 | 50.0% | 15.9% | 12.0% |
PER (実績) |
PER (予想) |
PBR | 配当利回り | EV / EBITDA |
35.3倍 | 20.9倍 | 5.7倍 | 0.49% | 13.5倍 |
2022年2月期第3四半期決算
ローツェの2022年2月期第3四半期決算(累計)の結果は
売上高 | 465億円 | (前年同期比22.0%増) |
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営業利益 | 107億円 | (同45.0%増) |
四半期純利益 | 87億円 | (同70.5%増) |
大幅増益の好決算だった。2Qに引き続きアプライド・マテリアルズ向けEFEM(基盤自動搬送装置)、中国の製造装置メーカー向けEFEM、TSMC向けウェハソータ(ウェハ表面の欠陥を自動で検出する検査装置)の売上が好調で、受注高及び受注残高はQ2に続き過去最高を大幅に更新した。ベトナム生産工場の生産効率の改善と為替メリットにより営業利益率が前年同期比3.67pt上昇し23.12%となった。
セグメント別では半導体関連装置の売上(累計)は前年同期比60.3%増の397億円。FPD関連装置の売上は大型受注がなかったために同72.1%減の28億円、ライフサイエンス事業はコロナ禍の装置納入遅延により売上高は低調に推移し、同10.8%減の3.9億円となった。
受注に関しては、受注高、受注残高共に過去最高を大幅に更新した。第三四半期の受注高(累計)は前年同期比198.4%増の659億円、受注残高は同304.9%増の414億円である。半導体不足の懸念から来期以降出荷予定の受注が前倒しで増加している。
Q2に続きApplied Materialsが最大顧客で販売実績(累計)は前年同期比ほぼ倍増の119億円で割合は25.6%だった。
2022年2月期予想
通期の業績予想は中間決算時に上方修正した予想を維持した。
売上高 | 650億円 | (前期比28.0%増) |
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営業利益 | 144億円 | (前期比54.2%増) |
当期利益 | 109億円 | (前期比69.6%増) |
EPS | 635.15円 | |
期末配当金 | 1株当たり65円 |
事業環境は、5G関連、データセンターなどの需要増加に加え、自動車や家電製品等への半導体不足により需給がひっ迫している状況は変わっていない。顧客各社は半導体工場への設備投資計画額はさらに増加した。
半導体製造装置に関しては、米国、中国、台湾向け主力製品の受注・販売はさらなる拡大基調にある。
FPD関連装置に関してはサムスンから約15億円の受注を獲得し、Q4の売上として計上する予定である。
部品調達では、半導体をはじめ各種部品の入手困難な状況が一層強まっている。
生産逼迫状態は継続しており、来期以降に向けた生産体制の強化をはかっている。ベトナム生産工場では新工場建設を年末から始め、今年8月竣工予定である。また、中国での需要の伸びに応えるために中国の販売子会社が製造子会社を昨年末に設立し、EFEMの組み立てを今年の夏頃に稼働させる予定である。
アナリストによる投資スタンス
1月12日の3Q決算発表の翌日株価は9%近く上昇した。3Q末時点での過去最高の受注残高が好感されたと思われる。過去三カ月間で株価が40%以上上昇したが、株価バリュエーションは予想PERが20.9倍、PBRが5.7倍、EV/EBITDAが13.5倍と割高感はない。ローツェ自体のファンダメンタルとは別にフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が大きく下げた時には株価が下落すると思うが逆に買い場になるだろう。今期に最高益更新はほぼ確実であり、中期的にも上位顧客のTSMCの熊本の半導体工場新設によりローツェの受注増加になり、株価バリュエーションが切り上がる可能性もあると考える。
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プロフィール
新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。
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