執筆:西村 麻美

トレックス・セミコンダクターの株価情報


【銘柄注目ポイント!】


超小型電源ICの需要がEV、IoT、5Gで大きく拡大。


株価
(2021/8/17)
時価総額 自己資本比率 ROE ROIC
2,686円 294億円 64.5% 4.7% 3.7%
PER
(実績)
PER
(予想)
PBR 配当利回り EV / EBITDA
31.4倍 16.79倍 1.47倍 1.49% 7.1倍


2022年3月期第1四半期決算

トレックス・セミコンダクターの2022年第1四半期決算の結果は

売上高70億円(前年同期比19.7%増
営業利益6億3,600万円(同225.3%増
四半期純利益4億7,600万円(同182.6%増)

大幅増益の好決算だった。トレックスは、全ての地域が好調で大幅な増収増益で上場来最高の売上高を達成した。フェニテックは、受注好調による稼働率上昇により増収増益。連結子会社化以後、最高の売上高を達成した。営業利益率は前年同期比5.8ptと大幅改善し9.1%となった。海外売上高比率は同3.8pt低下し、67.4%となった。第一四半期の平均為替レートは1USD=110.0円だった。

トレックスのアプリケーション別売上高は、産業機器が前年同期比18.5%増の1,033億円、車載機器は同66.0%増400億円、医療機器は同32.9%減の49億円、ウェアラブル機器は同72.0%増の86億円、その他機器は同53.5%増の1,434億円だった。

トレックスの地域別売上高は、日本が前年同期比29.5%増の1,160億円、アジアが同53.3%増の1,197億円、欧州が同47.9%増の383億円、北米が同12.0%増の262億円だった。

フェニテックのアプリケーション別売上高は産業機器が前年同期比25.8%減の676億円、車載機器が同24.6%増の1,044億円、医療機器が同40.0%減の36億円、その他機器が同27.9%増の2,780億円だった。

フェニテックの地域別売上高は、日本が前年同期比54.9%増の1,983億円、アジアが同22.3%増の1,118億円、欧州が同14.2%減の230億円、北米が同20.7%減の1,205億円だった。


2022年3月期予想

好調な1Q決算結果を受けて、2022年3月期通期の業績を上方修正した。

売上高285億円(前期比20.2%増
営業利益25億円(同106.7%増
当期利益17.5億円(同87.4%増)

市況回復による増収効果に加え、収益性の改善を見込み、トレックス、フェニテックともに増収増益の予想をしている。


アナリストによる投資スタンス

株価バリュエーションは予想PERが16.79倍、PBRが1.47倍、EV/EBITDAが7.1倍とやや割安である。売上規模は小さいが、競争力のあるパワー半導体メーカーとしての成長ポテンシャルは大きい企業である。


トレックス・セミコンダクター

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プロフィール

西村麻実 / MamiNishimura
株式会社クリプタクト
マーケットアナリスト 西村 麻美

新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。


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