株価 (2021/5/17) |
時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
---|---|---|---|---|
687円 | 1,116億円 | 52.9% | 31.3% | 22.0% |
PER (実績) |
PER (予想) |
PBR | 配当利回り | EV / EBITDA |
10.9倍 | 13.95倍 | 2.96倍 | 2.18% | 6.4倍 |
2021年3月期通期決算
売上高 | 1,085億円 | (前年同期比22.5%増⤴) |
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営業利益 | 134億円 | (同140.8%増⤴) |
当期純利益 | 102億円 | (同161.0%増⤴) |
連結売上高、連結営業利益、連結当期純利益が過去最高を更新した好決算だった。ブランド製品事業、テクノロジーソリューション事業ともに増収増益だった。営業利益率は前期比6.1ptとほぼ倍増し、12.4%となった。1株当たり期末配当金 (基準日: 2021年3月31日) を期初予想7.5円から過去最高額の19.0円 (特別配当5.5円を含む) に増額修正した。
中期経営計画で2022年3月期に達成目標としていた営業利益率10%、売上高1,000億円、ROE15~20%は前倒しで2021年3月期に達成した。
ブランド製品事業は、売上高が前期比33%増の567億円、セグメント利益は前期比433%増の91億円だった。オンライン教育向け等での、ペンタブレット製品やディスプレイ製品のエントリーモデル新製品への需要増より増収し、売上増加や製品ミックス改善等によりセグメント利益は増加した。
テクノロジーソリューション事業は、売上高が前期比13%増の519億円、セグメント利益が同21%増の93億円だった。AESテクノロジーが生産サプライチェーンの制限を受けながらも売上増加し、EMRテクノロジー他もOEM提供先メーカーからの需要増により売上が増加した。 売上増加による粗利増等によりセグメント利益は増加した。
2022年3月期予想
2022年3月期の会社計画の業績予想は、
売上高 | 1,020億円 | (前年比6%減⤵) |
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営業利益 | 110億円 | (前年比18%減⤵) |
当期純利益 | 80億円 | (前年比22%減⤵) |
減益予想をしている。教育市場向け需要増加は継続、一方で個人の在宅趣味用途等での需要の一部減少を想定している。また、生産サプライチェーンにおける主要部品の調達リスクも一定程度考慮している。想定する為替レートは、1USドル=105.0円、1ユーロ=125円としている。
研究開発費は前期比29%増の60億円、設備投資費は前期比95%増の24億円、減価償却費は前期比12%減の17億円の予定である。新製品開発、次世代技術開発のために研究開発費は増やす予定である。
一株当たりの配当金予想は、配当性向30.5%とし、期末配当金15円の予定である。(前期実績は普通配当13.50円、特別配当5.50円、配当性向30.2%)
アナリストによる投資スタンス
今期の減益予想から決算発表翌日に株価はかなり弱く始まったが引け値では値を戻した。現在の株価で、株価バリュエーションは予想PERが13.95倍、PBRが2.96倍、EV/EBITDAが6.4倍とPERベースではかなり割安である。教育市場での高い成長のストーリーは不変であり、魅力的な買い場であるとも言える。
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プロフィール
新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。
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