株価 (2021/8/2) |
時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
---|---|---|---|---|
712円 | 1,156億円 | 57.7% | 27.7% | 24.0% |
PER (実績) |
PER (予想) |
PBR | 配当利回り | EV / EBITDA |
11.31倍 | 14.48倍 | 3.13倍 | 2.11% | 6.5倍 |
2022年3月期第1四半期決算
ワコムの2022年3月期第1四半期決算の結果は
売上高 | 242億円 | (前年同期比16%増) |
---|---|---|
営業利益 | 30億円 | (同37%増) |
四半期純利益 | 23億円 | (同53%増) |
連結売上高、連結営業利益、連結当期純利益が過去最高を更新した好決算だった。ブランド製品事業は増収増益、テクノロジーソリューション事業は積極的な開発投資等により増収減益だった。売上増加による粗利増、円安効果、販管費率低減により営業利益率は前年同期比1.9ptと改善し、12.5%となった。
ブランド製品事業は、売上高が前年同期比20%増の130億円、セグメント利益は前年同期比73%増の25億円だった。プロ向けディスプレイ製品やペンタブレット製品を中心に増収へ貢献。エントリーモデルはディスプレイ製品や低価格帯ペンタブレット製品が増収であった。円安の影響で約5億円セグメント利益が増加した。
テクノロジーソリューション事業は、売上高が前年同期比11%増の112億円、セグメント利益が同8%減の16億円だった。生産サプライチェーンの制限があった中、AESテクノロジーおよびEMRテクノロジー他ともに、OEM提供先メーカーからの需要増により売上が増加したが、積極的な開発投資等によりセグメント利益は減少した。
2022年3月期予想
売上高 | 1,020億円 | (前期比6%減) |
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営業利益 | 110億円 | (同18%減) |
当期利益 | 80億円 | (同22%減) |
減益予想をしている。不透明な市場環境を考慮し、連結業績予想ならびにセグメント別見通しを据え置きした。教育市場向け需要増加は継続、一方で個人の在宅趣味用途等での需要の一部減少を想定している。また、生産サプライチェーンにおける主要部品の調達リスクも一定程度考慮している。テクノロジー・リーダーシップ推進のため積極的な研究開発投資を継続、また、顧客コミュニティを重視した営業活動の展開も想定。販管費の最適化は継続する。想定する為替レートは、1Uドル=105.0円、1ユーロ=125円としている。
研究開発費は前期比29%増の60億円、設備投資費は前期比95%増の24億円、減価償却費は前期比12%減の17億円の予定である。新製品開発、次世代技術開発のために研究開発費は増やす予定である。
一株当たりの配当金予想は、配当性向30.5%とし、期末配当金15円の予定である。(前期実績は普通配当13.50円、特別配当5.50円、配当性向30.2%)
決算発表と同時にワコムは200万株・10億円を上限とした自己株取得枠を設定すると発表した。取得期間は2021年8月2日から10月29日。なお、上限株数を取得した場合の自己株式を除いた発行済株式総数に対する割合は1.23%となる。
アナリストによる投資スタンス
1Qの好調な決算結果と自社株買いが好感され、株価は本日(2021/8/2)12%以上急騰した。2Qに売上が減速しなければ業績の上方修正があるだろう。現在の株価で、株価バリュエーションは予想PERが14.48倍、PBRが3.13倍、EV/EBITDAが6.5倍とPERベースではかなり割安である。教育市場での高い成長のストーリーは不変であり、安心して持っていられる銘柄の一つであろう。
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プロフィール
新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。
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