株価 (2021/11/4) |
時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
---|---|---|---|---|
843円 | 1,358億円 | 59.0% | 25.9% | 23.2% |
PER (実績) |
PER (予想) |
PBR | 配当利回り | EV / EBITDA |
13.4倍 | 15.54倍 | 3.44倍 | 1.78% | 8.2倍 |
2022年3月期第2四半期決算
ワコムの2022年3月期第2四半期決算(累計)の結果は
売上高 | 503億円 | (前年同期比9.2%減) |
---|---|---|
営業利益 | 76億円 | (同12.3%減) |
四半期純利益 | 58億円 | (同8.2%減) |
前年同期比減収減益の決算であったが、コロナ禍前の業績水準(2019年4月-9月期: 連結売上高 469億円、連結営業利益 30億円、連結当期純利益 22億円) を大幅に上回った。
ブランド製品事業は、売上高が前年同期比0.7%減の259億円と微減であったが、セグメント利益は同28%増の55億円だった。プロ向けディスプレイ製品やペンタブレット製品は増収。一方で、エントリーモデルのディスプレイ製品や中価格帯ペンタブレット製品は減収であった。
テクノロジーソリューション事業は、売上高が前年同期比17%減の244億円、セグメント利益が同35%減の42億円だった。生産サプライチェーンの制限があった中、AESテクノロジーはOEM提供先メーカーからの需要増により増収。一方で、EMRテクノロジー他はOEM提供先の製品ポートフォリオの変化等から減収だった。売上減少および積極的な研究開発投資等によりセグメント利益は減少した。
2022年3月期予想
厳しい中間決算の結果であったが、2022年3月期の業績予想を上方修正した。
売上高 | 1,020億円 | (前期比6%減) |
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営業利益 | 120億円 | (同10.5%減) |
当期純利益 | 88億円 | (同13.9%減) |
減益予想には変わりないが、従前予想より営業利益を9.1%、当期純利益を10%上方修正した。業績予想修正の理由はブランド製品事業の原産地を中国から別の国に変えた事により売上原価が当初予想よりも低く抑える事ができた事、また為替が当初予想よりも円安に推移したために利益レベルで従前予想よりも上回る見通しとなった。
上記予想の前提となる為替レートは1USD=108円、1ユーロ=128円を想定している。
教育市場向け需要増加は継続、一方で個人の在宅趣味用途等での需要の一部減少を想定している。また、生産サプライチェーンにおける主要部品の調達リスクも一定程度考慮している。テクノロジー・リーダーシップ推進のため積極的な研究開発投資を継続、また、顧客コミュニティを重視した営業活動の展開も想定。販管費の最適化は継続する予定である。
「Wacom Chapter 3」において株主還元は重要な経営課題として認識しており、2021年5月13日から2025年3月31日までの期間で、総額100億円を上限とする自己株式の取得を実施する方針を第一四半期決算時に発表した。今までに自己株式135万株、10億円相当を取得した。第二四半期決算発表と同時に400万株・20億円を上限とした自己株式の取得を発表した。取得期間は2021年11月1日から2022年1月28日
アナリストによる投資スタンス
第2四半期は減収減益であったものの、ブランド製品事業の原産地を変えた事で売上原価が低減され、通期の利益予想を上方修正した。減益予想ではあるものの、上方修正が好感され、決算発表後に大幅ではないがじりじりと株価は上げ基調である。
現在の株価で、株価バリュエーションは予想PERが15.54倍、PBRが3.44倍、EV/EBITDAが8.2倍とPERベースでは割安である。教育市場での高い成長のストーリーは不変であり、安心して持っていられる銘柄の一つであろう。
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プロフィール
新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。
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