執筆:西村 麻美

メニコンの会社概要などは銘柄ピックアップでご紹介しています。

株価
(2020/8/18)
時価総額 自己資本比率 ROE ROIC
5,980円 2,274億円 58.0% 61.2% 6.4%
PER
(実績)
PER
(予想)
PBR 配当利回り EV/EBITDA
53.2倍 53.02倍 4.2倍 0.47% 18.3倍

株式会社メニコン2021年3月期 第1四半期決算短信はこちら


2021年3月期第1四半期 決算分析

■2021年3月期第1四半期決算
売上高 197億円 (前年比4.1%減⤵
営業利益19億円 (同6.6%増⤴
四半期損益13億円 (同11.7%増⤴

減収増益決算だった。

新型コロナウィルの感染拡大とともに国内グループ販売店の営業時間短縮、営業日数制限の影響を受けて国内のコンタクトレンズ物販売上高が前年同期比10億円減少した。しかし、定額制会員システムの会員数は同2万人増加し、133万人となり、メルスプランの売上は同2億円増となった。

営業利益については売上原価が上昇したものの、販管費率が低下した事により前年同期比6.6%増の19億円となった。

経常利益は主に海外子会社にて新型コロナウィルスの助成金が計上された事により同11.7%の13億円となった。営業利益率は前年同期比1pts改善し10.0%となった。


○コンタクトレンズ(オルソケラトロジーレンズを含む)・ケア商品

総売上は84億円で、前年同期比11.2%減だった。内訳は以下の通り。

使い捨てレンズ(1day) (前年比3.3億円減
その他コンタクトレンズ (同10億円減
オルソケラトロジーレンズ (同1.4億円増
ケア商品 (同1.6億円増

オルソケラトロジーレンズとケア商品は中国での販売が堅調だった。


○定額制会員システム「メルスプラン」

売上は108億円で、前年同期比2.7%増だった。内訳は以下の通り。

使い捨てレンズ(1day) (前年比2.8億円増
2Week (同0.6億円増
その他 (同0.6億円増

1dayの会員数が伸長し、2 weekは堅調だった。

海外での売上高は30億円で、前年同期比14.9%増だった。北米では大きく落ち込み、欧州では微増、アジア、その他地域でも売上の伸びが大きかった。第一四半期末時点で海外売上高比率は15.6%となり、直前四半期の13%より2.6ptsアップした。


2021年3月期予想

■2021年3月期の会社発表の業績予想
売上高84億円(前年比0.4%増⤴
営業利益68億円(同2.8%減⤵
当期利益42億円(同4.8%増⤴

前提として、メルス会員が135万人に拡大すると予想、原価率は2020年3月期とほぼ一緒だが、第3四半期以降に事業拡大のために販管費の使用を予定している。

株価は8月11日の決算発表後に製造小売業であるのにコロナの影響をあまり受けずに増益を確保した事、また定額制会員システムの堅調な伸びが利益確保の下支えになっている事が評価され株価は大きく上昇した。


アナリストによる投資スタンス

株価バリュエーションは予想PERが53.02倍、PBRが4.2倍、EV/EBITDAが18.3倍とかなり切りあがっているが、生活必需品ともいえる医療機器のため業績の下振れリスクは比較的低いと考えている。


プロフィール

株式会社クリプタクト
マーケットアナリスト 西村 麻美

新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。


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