【銘柄注目ポイント!】
国内はサブスクで盤石、中国では利益率の高いオルソレンズで高成長。
株価 (2021/8/16) |
時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
---|---|---|---|---|
8,130円 | 3,126億円 | 47.3% | 10.0% | 5.5% |
PER (実績) |
PER (予想) |
PBR | 配当利回り | EV / EBITDA |
52.63倍 | 53.84倍 | 5.17倍 | 0.43% | 21.3倍 |
2022年3月期第1四半期決算
メニコンの2022年3月期の第1四半期決算結果は
売上高 | 241億円 | (前年同期比21.8%増) |
---|---|---|
営業利益 | 25億円 | (同28.5%増) |
当期利益 | 16.9億円 | (同21.8%増) |
増収増益の好決算だった。昨年末に買収を発表した中国販売拠点の板橋貿易の連結子会社化により海外売上が30.9億円から59.1億円へと伸長した。売上原価率は前年同期比0.1pt改善の47.1%となり、販管費率も同0.4pt低減した結果、営業利益率は同0.6pt改善の10.6%となった。
コンタクトレンズ(オルソケラトロジーレンズを含む)、レンズケア商品の総売上は116億円で、前年同期比29.9億円増(34.8%増)だった。内訳は
使い捨てレンズ(1day) | 前年同期比 | 4.7億円増 |
---|---|---|
その他コンタクトレンズ | 同 | 9.5億円増 |
オルソケラトロジーレンズ | 同 | 3.6億円増 |
ケア商品 | 同 | 12.1億円増 |
収益認識に関する会計基準の適用などの影響▲2.7億円も含む。
使い捨てレンズは国内外の需要回復による売上伸長、その他レンズは欧州を中心にコンベンショナルレンズの売上回復、オルソとケア商品の伸びは中国での販売が堅調だった事が主な要因であった。
定額制会員システム「メルスプラン」の売上は 110億円で、前年同期比2.5億円(2.3%増)だった。内訳は
使い捨てレンズ(1day) | 前年同期比 | 3.3億円増 |
---|---|---|
2 Week | 同 | 0.4億円増 |
その他 | 同 | 1.2億円減 |
収益認識に関する会計基準の適用などの影響▲0.4億円も含む。様々施策が実り使い利益率が高い使い捨てレンズが一番伸びた。
海外での売上高は52億円で、前年同期比21.3億円(69.1%増)だった。欧州では同6.0億円増、コンベンショナルレンズを中心に売上げが回復した。北米では同1.2億円増、1 dayとレンズケア商品の売上が回復した。アジアでは同13.8%増、中国を中心にオルソレンズとレンズケア商品が堅調だった。
ヘルスケア、ライフケア事業は前年同期比10.6億円増(326.8%増)の13億円だった。収益認識に関する会計基準の適用などの影響▲0.4億円も含む。食品事業は同9.6億円増、板橋貿易グループによる食品事業の加算が要因だった。その他事業は同1.0億円増、動物医療事業(メニワン)等の売上伸長による。
2022年3月期予想
会社計画の業績予想は従前予想を維持した。
売上高 | 992億円 | (前期比15.1%増) |
---|---|---|
営業利益 | 90億円 | (同11.0%増) |
当期利益 | 57億円 | (同4.2%減) |
EPS | 150.83円 |
業績予想の前提は中国におけるオルソケラトロジーレンズとレンズケアの販売増加、及び1dayを中心としたメルスプランの会員数増加を予想。また、その他事業(食品)の増収も見込む。その他事業の増収は2021年に中国におけるコンタクトレンズ及びケア製品の販売(メニコンの総代理店として)と農水産物の販売を手掛ける板橋貿易を100%子会社化にした事による。(板橋貿易の2020年3月期の連結売上高は83億円だった。)
2021年10月1日を効力発生日として、1:2の株式分割(2分割)を実施する予定である。
今期の年間配当は1株当たり17.5円(普通配当15円、記念配当2.5円の計17.5円、分割前は35円)の年間配当を予想している。配当性向は22.2%の予定。
第1四半期のトピックスとしては、板橋貿易の連結子会社化により更に中国市場でオルソレンズ及びレンズケア商品の拡販を予定している。また、1日使い捨てサークルレンズ「1DAY メニコン Rei」(瞳を自然に大きく見せるようにデザインされたレンズ)がメルスプランの新たなラインアップとして2021年5月より販売を開始した。
アナリストによる投資スタンス
株価バリュエーションは予想PERが53.84倍、PBRが5.17倍、EV/EBITDAが21.3倍と割高であるが、20年以上前から国内ではコンタクトレンズのサブスクリプション・サービスを始め着実に会員を増やし、収益基盤を固める一方、成長率の高い中国市場で価格、利益率の高いオルソレンズの販売を伸ばし、更なる成長のために中国拠点の販売を手掛ける板橋貿易を買収した。また、同じく高成長が期待される犬用コンタクトレンズやサプリメントなどを手掛けている。バリュエーションは高いものの、投資家の期待に応え、かつ生活必需品の医療機器のために景気動向に影響を受けない銘柄である。
投資アイデア
他の投資家が何に注目しているか、アイデアブックでご確認いただけます。
プロフィール
新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。
当社は、本記事の内容につき、その正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。過去の実績や予想・意見は、将来の結果を保証するものではございません。
提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更または削除されることがございます。当社は本記事の内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。
本記事の内容に関する一切の権利は当社に帰属し、当社の事前の書面による了承なしに転用・複製・配布することはできません。