執筆:西村 麻美

任天堂の株価情報

株価
(2021/2/2)
時価総額自己資本比率ROEROIC
61,400円7.4兆円74.6%14.9%14.4%
PER
(実績)
PER
(予想)
PBR配当利回りEV / EBITDA
28.28倍18.42倍4.24倍3.05%11.2倍

 

2021年3月期第3四半期決算

売上高1兆4,044億円(前年同期比37.3%増⤴
営業利益5,211億円(同98.2%増⤴
当期純利益3,766億円(同91.8%増⤴)

売上高段階で為替円高の影響がマイナス149億円あったものの、連結当期純利益が過去最高を更新した。営業利益段階で為替円高の影響がマイナス50億円あったが、売上増と粗利益の高いソフトウェアのデジタル販売増により吸収し、営業利益は前年同期比ほぼ倍増となった。営業利益率は11.4pt改善し、37.1%となった。ソフトウェアのデジタル販売比率は12.3pt上昇し、40.9%となった。

また、3Qの決算発表と合わせて二度目の業績の上方修正を行った。2Qの決算発表時の予想よりも売上高を14.3%増、営業利益を24.4%増、当期純利益を33.3%増上方修正した。また、Nintendo Switchの販売台数予想を2,400万台から2,650万台へ、ソフトウェアを1億7,000万本から2億500万本と上方修正した。

2017年に発売開始のスイッチ本体の4~12月の世界販売台数は2410万台で、過去最多だった2019年度の年間販売台数を既に300万台近く上回った。

売上高の内訳はゲーム専用機(ハードウェア、ソフトウェア、アクセサリ)が1兆3,610億円(前年同期比38.1%増)、モバイル・IP関連収入(スマートデバイス向け課金収入、ロイヤルティ収入等)が420億円(同13.8%増)、その他が13億円(同38.1%減)だった。

地域別売上高比率は日本が22.4%、米大陸が41.4%、欧州が25.6%、その他地域が10.9%で、海外売上高比率は77.6%だった。

 

2021年3月期予想

売上高1兆6,000億円(前年比22.3%増⤴
営業利益5,600億円(前年比58.9%増⤴
当期純利益4,000億円(前年比54.7%増⤴

期末の前提為替レートは、1ドル105円、1ユーロ115円と前回からの予想を据え置いた。 年間配当に関しては、前回予想の1,260円から420円増額の1,680円とした。このうち中間配当810円は既に支払済。

 

アナリストによる投資スタンス

株価バリュエーションは予想PERが18.42倍、PBRが4.24倍、EV/EBITDAが11.2倍とPERベースではかなり割安である。また、増配予定により配当利回りも3.05%と魅力的なレベルであり、ゲーム銘柄の中の圧倒的な勝ち組である事を考えると買い場であると考える。

 

任天堂に関する投資アイデア

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プロフィール

西村麻実 / MamiNishimura株式会社クリプタクト
マーケットアナリスト 西村 麻美

 

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