執筆:西村 麻美

任天堂の株価情報

株価
(2021/8/6)
時価総額 自己資本比率 ROE ROIC
52,390円 6.2兆円 78.5% 26.6% 24.4%
PER
(実績)
PER
(予想)
PBR 配当利回り EV / EBITDA
12.99倍 18.36倍 3.46倍 2.72% 10.7倍


2022年3月期第1四半期決算

売上高3,226億円(前年同期比9.9%減
営業利益1,197億円(同17.3%減
四半期純利益927億円(同12.9%減)

減収減益の決算だった。売上段階の為替の影響が+134億円あったものの、「あつまれ どうぶつの森」が大きく伸びていた前年同期に比べて鈍化した事が数字に表れた。営業利益率は前年同期比3.3pt低下し、37.1%となった。期中の平均為替レートは、1USドル=109.46円、1ユーロ=131.87円だった。

売上高の内訳はゲーム専用機(ハードウェア、ソフトウェア、アクセサリ)が3,089億円(前年同期比10.3%減)、モバイル・IP関連収入(スマートデバイス向け課金収入、ロイヤルティ収入等)が131億円(同0.6%減)、その他が5億円(同72.6%増)だった。

地域別売上高比率は日本が22.1%、米大陸が43.5%、欧州が24.2%、その他地域が10.2%で、海外売上高比率は77.9%だった。

2021年第1四半期(4~6月期)の主なソフトウェア、ハードウェアの商品の販売本数は以下の通りである。

・『あつまれ どうぶつの森』126万本(前年同期の約1割)
・『Newポケモンスナップ』207万本(海外売上、2021年4月発売)
・『マリオゴルフ スーパーラッシュ』134万本(日本、海外両方での売上、2021年6月発売)
・Nintendo Switch 331万台 (前年同期比26万台)
・Nintendo Switch Lite 114万台(前年同期比約半減)


2022年3月期予想

会社計画の業績予想は従前見通しを維持した。

売上高1兆6,000億円(前期比9%減
営業利益5,000億円(同22.0%減
当期利益3,400億円(同29.2%減

前提となる為替レートは、1ドル105円、1ユーロ120円としている。年間配当金の予想額は上記予想を基にすると1,430円になる予定である。

任天堂は有機ELディスプレーを搭載した新型Switchを10月に発売すると発表した。

第1四半期の決算発表と同時に自社株買いを発表した。上限を180万株(発行済み株式総数に対する割合1.51%)、取得総額1,000億円として実施期間は2021年8月6日から9月15日まで市場買い付けを行う。


アナリストによる投資スタンス

第1四半期決算を受けて、本日(2021年8月6日)株価は急落し年初来安値をつけた。やはりSwitch Lite、あつ森はピークアウトし、鈍化がはっきりと表れた決算であったため、売られるのは妥当であると考える。株価バリュエーションは予想PERが18.39倍、PBRが3.4倍、EV/EBITDAが10.7倍であるが、今期は減収減益決算であり、ここから更に下げるのではと考える。


任天堂に関する投資アイデア

他の投資家が任天堂をどのようにみているか、アイデアブックでご確認いただけます。


プロフィール

西村麻実 / MamiNishimura
株式会社クリプタクト
マーケットアナリスト 西村 麻美

新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。


当社は、本記事の内容につき、その正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。過去の実績や予想・意見は、将来の結果を保証するものではございません。
提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更または削除されることがございます。当社は本記事の内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。
本記事の内容に関する一切の権利は当社に帰属し、当社の事前の書面による了承なしに転用・複製・配布することはできません。