株価 (2021/11/5) |
時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
---|---|---|---|---|
49,520円 | 5.8兆円 | 74.5% | 26.9% | 24.6% |
PER (実績) |
PER (予想) |
PBR | 配当利回り | EV / EBITDA |
12.27倍 | 16.80倍 | 3.25倍 | 3.01% | 9.0倍 |
2022年3月期第2四半期決算
任天堂の2022年3月期第2四半期決算(累計)の結果は
売上高 | 6,242億円 | (前年同期比18.9%減) |
---|---|---|
営業利益 | 2,199億円 | (同24.5%減) |
四半期純利益 | 1,718億円 | (同19.4%減) |
会社予想の通り、減収減益の決算だった。売上段階の為替の影響が累計で+240億円あったものの、「あつまれ どうぶつの森」とSwitch Liteの組み合わせで売上が大きく伸びていた前年同期に比べて鈍化した。前年同期比ではハードウェア・ソフトウェアともに販売数量が減少した。営業利益率は前年同期比2.6pt低下し、35.2%となった。期中の平均為替レートは、1USドル=109.78円、1ユーロ=130.83円だった。
売上総利益は売上高の減少により前年同期比14.1%減の3,727億円だった。売上総利益率は、ソフトウェア売上高に占めるデジタル売上高の比率や自社ソフト売上高の比率が低下したものの、主にソフトウェアの売上構成比が上昇したことや円安による為替の影響により、前年同期比3.3ポイント増の59.7%となった。
販管費は新作タイトル数の増加による広告宣伝費が増加した事等により前年同期比7.1%増の1,527億円となった。売上高に占める販管費の割合は同5.9pt増の24.5%となった。
売上高の内訳はゲーム専用機(ハードウェア、ソフトウェア、アクセサリ)が5,974億円(前年同期比19.5%減)、モバイル・IP関連収入(スマートデバイス向け課金収入、ロイヤルティ収入等)が255億円(同4.6%減)、その他が13億円(同47.2%増)だった。
地域別売上高比率は日本が21.7%、米大陸が43.7%、欧州が24.1%、その他地域が10.5%で、海外売上高比率は78.3%だった。
2021年第2四半期(累計、4~9月)の主なソフトウェア、ハードウェアの商品の販売本数は以下の通りである。
・『あつまれ どうぶつの森』222万本(前年同期の約15%、累計販売本数3,485万本)
・『Newポケモンスナップ』219万本(2021年4月発売)
・『ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD』360万本
・『マリオゴルフ スーパーラッシュ』194万本
・『マリオカート8 デラックス』334万本(累計販売本数3,874万本)
・ソフトウェアの総売上本数9,389万本(前年同期比6.3%減)
・Nintendo Switch 645万台 (同22.9%減)
・Nintendo Switch Lite 182万台(同56.3%減)
2022年3月期予想
半導体不足の状況と為替の前提レートの変更を踏まえて、2022年3月期の会社計画の業績予想を修正した。
売上高 | 1兆6,000億円 | (前期比9%減) |
---|---|---|
営業利益 | 5,200億円 | (同18.8%減) |
当期純利益 | 3,500億円 | (同27.1%減) |
営業利益を4%、当期純利益を2.9%従前予想に比べて上方修正した。前提となる為替レートは、1ドル105円は変わらず、1ユーロ125円と120円から変更した。配当金は、中間配当金が1株当たり620円、期末配当金が870円、年間配当金の合計額は1,490円と前回発表の1,430円より60円増額した。
アナリストによる投資スタンス
昨日の第2四半期決算を受けて、サプライズがなかった事からあまり株価は反応していない。通期の業績予想については減収減益ではあるものの、若干の上方修正があった事で失望売りはなかった印象を受けた。Switch Lite、あつ森はピークアウトはしたが、他のソフトウェアは前四半期に比べて売上本数が伸びている事はポジティブである。
ただ、半導体不足の状況であるのでハードウェアの販売に関しては大きく回復する事は難しいだろう。株価バリュエーションは予想PERが16.80倍、PBRが3.25倍、EV/EBITDAが9.0倍であると既に減益を織み切り下がっており、また間もなく始まるクリスマス商戦でソフトウェア販売が期待される為にここから大きく売られる事はないと考えている。
投資アイデア
他の投資家が何に注目しているか、アイデアブックでご確認いただけます。
プロフィール
新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。
当社は、本記事の内容につき、その正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。過去の実績や予想・意見は、将来の結果を保証するものではございません。
提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更または削除されることがございます。当社は本記事の内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。
本記事の内容に関する一切の権利は当社に帰属し、当社の事前の書面による了承なしに転用・複製・配布することはできません。