株価(2021/5/19) | 時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
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2,889円 | 10.4兆円 | 32.9% | 11.0% | 13.8% |
PER(実績) | PER(予想) | PBR | 配当利回り | EV/EBITDA |
11.64倍 | 9.65倍 | 1.38倍 | 3.81% | 3.1倍 |
2021年3月期通期決算
売上高 | 11兆9,440億円 | (前期比0.4%増⤴) |
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営業利益 | 1兆6,714億円 | (同7.0%増⤴) |
当期利益 | 9,162億円 | (同7.1%増⤴) |
海外売上高 | 186億ドル (約1兆9,900億円、全売上高の16.6%) |
(前期比4.1%減) |
海外営業利益率 | 3.0% | (前期比0.6pt改善) |
増収増益の決算だった。
営業利益ベースで対前年1,092億円(7.0%)の増益となったが、内訳はNTTドコモの増益貢献が586億円、地域通信事業(NTT東、NTT西)の増益貢献が319億円、長距離・国際通信事業(NTT Communications)の増益貢献が426億円、データ通信事業(NTTデータ)の増益貢献が82億円だった。ドコモを完全子会社化した事による利益増が大きかった。一方、その他事業(不動産、金融、電力、システム開発等)は261億円の減益貢献だった。
上場廃止になったNTTドコモの通期決算は、営業利益が9,132億円とNTTグループ全体の営業利益の54.6%を占めた。通信事業は売上高は前期比ほぼフラットの3兆6,843億円、営業利益は同2%増の7,211億円だった。携帯電話契約数は同3%増の8,263万人、5G契約数は前期末の1.4万人から大幅増の309万人になった。5G契約数は期初目標の250万契約を大きく上回った。ドコモ光契約数は同9%増の704万戸になった。5Gサービス・エリアは全政令指定都市を含む574都市へ拡大した。
NTTドコモのスマートライフ領域(スマートライフ事業、その他事業)の売上高は前期比8.4%増の1兆815億円、営業利益は同29.7%増の1,921億円だった。dポイントクラブ会員数は同9%増の8,195万人、dポイントカード登録数は同17%増の5,078万人だった。dポイント利用数は同25%増の2,493億ポイント、提携先利用は同45%増の1,760億ポイントだった。dカード取扱高は同27%増の5兆2,500億円、d払い取扱高は同103%増の8,100億円だった。決済・ポイント利用可能箇所は同79%増の309万か所となった。
地域通信セグメントは売上高が前期比4.1%増の3兆2,074億円、営業利益が同8.2%増の4,202億円だった。フレッツ光(コラボ光を含む)の契約数は同4.2%増の2,256万契約、ひかり電話の契約数は同1.0%増の1,869万契約だった。
長距離・国際通信事業の売上高が前期比6.4%減の2兆656億円と減収だったものの、営業費用減から営業利益は同41.2%増の1,462億円だった。
NTTデータの決算は、受注は前期に獲得した大型案件の反動により前期比2.3%減だったものの、売上高は前期比2.3%増の2兆3,187億円、営業利益は同6.3%増の1,392億円、当期利益は同2.3%増の768億円だった。営業利益率は0.2pt改善の6.0%だった。セグメント別受注では銀行向け案件の獲得により前期比1,114億円増、公共・社会基盤はほぼ前年並みの46億円増、法人・ソリューションもほぼ前年並みの11億円増と国内は順調だった。一方、北米、EMEA・中南米はそれぞれコロナの影響で1271億円減、377億円減だった。
2022年3月期予想
売上高 | 12兆円 | (前期比0.5%増) |
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営業利益 | 1兆7,300億円 | (同3.5%増) |
当期利益 | 1兆850億円 | (同18.4%増) |
増収増益、過去最高益を予定している。事業別では地域通信事業は減収、移動通信、長距離・国際通信、データ通信その他通信では増収を予定している。
NTTドコモの新料金プラン「ahamo」の契約数が100万を突破した。「ahamo」加入者は30代以下の若い層が半数以上で、NTTドコモのユーザーの移行が多いとの事。また、従来NTTドコモにはなかった中容量プランの新設ということで、他社へのユーザー流出が流入に転換したり、元ユーザーが帰還するといった動きがあるとNTTドコモの社長は決算説明会上で説明をした。また、dポイントカードを含むスマートライフ事業の高成長が続いており、ユーザーの囲い込み戦略は順調に推移している。
アナリストによる投資スタンス
中期経営計画は順調に進捗しており、5G契約数も会社予想を上回る勢いで推移している。NTTデータの海外事業は2021年3月期は事業構造改革の効果が前々期から出ており、今期は増収増益の予定である。通信企業の中でのNTTグループの圧倒的な優位性は変わらず、中長期的な成長ストーリーは不変である。順当な決算結果だった為に決算発表後に株価は大きく動いてはいない。現在の株価バリュエーションは予想PERが9.65倍、PBRが1.38倍、EV/EBITDAが3.1倍、配当利回りが3.81%と割安な状況である。全世界的に株式市場の不安定な状況が続いているが、安心して長期保有できる銘柄である。
NTTに関する投資アイデア
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プロフィール
新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。
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