【銘柄注目ポイント!】
「バイオハザード」最新作、「モンスターハンターライズ」が絶好調。最高益更新か?
株価 (2021/8/13) |
時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
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2,927円 | 6,249億円 | 76.7% | 18.7% | 17.8% |
PER (実績) |
PER (予想) |
PBR | 配当利回り | EV / EBITDA |
25.07倍 | 20.83倍 | 4.69倍 | 1.23% | 11.8倍 |
2022年3月期第1四半期決算
カプコンの2022年3月期第1四半期決算の結果は
売上高 | 484億円 | (前年同期比104.1%増) |
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営業利益 | 236億円 | (同120.4%増) |
当期利益 | 173億円 | (同121.9%増) |
大幅増収増益の好決算だった。5月に「バイオハザード」シリーズ最新作『バイオハザード ヴィレッジ』(PS5、PS4、Xbox Series X|S、Xbox One、PC用)を発売し、全世界で450万本を出荷した。また、前期末(3月末)に新作としてNintendo Switch向けに販売した『モンスターハンターライズ』の全世界出荷数が700万本を突破した。6月にオンライン・イベントとして開催された「E3 2021」において、今期の主力タイトルやeスポーツへの取組みなどを紹介し、IPの認知拡大と新たなファン層の獲得を図った。上記2タイトルと、過去のシリーズ作などを中心としたリピートタイトルの販売が好調に推移し、採算性の高いデジタル販売本数が大幅に増加した。営業利益率は前期比3.5pt改善の48.7%だった。
事業別の内訳は
デジタルコンテンツ事業
売上高 | 439億円 |
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セグメント利益 | 245億円 |
アミューズメント施設事業
売上高 | 24億円 |
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セグメント利益 | 6300万円 |
アミューズメント機器事業
売上高 | 13億円 |
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セグメント利益 | 2億円 |
その他事業
売上高 | 8.3億円 |
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セグメント利益 | 4.8億円 |
デジタルコンテンツ事業は2022年3月期第1四半期に5本の新作タイトルを投入し、合計1,330万本と前年同期販売本数920万本から44.5%増と大幅に伸びた。ダウンロード販売比率は68.4%と前年同期比79.8%より11.4pt低下したが、これはモンスターハンターライズが日本でよく売れ、パッケージ販売が伸びた事による。
アミューズメント施設事業は国内での3度目の緊急事態宣言に伴い、一部店舗において休業および時短営業を余儀なくされたものの、集客が回復したことにより、前年同期比で増収、セグメント利益は黒転した。また、最新のキャラクターグッズなどのカプセルトイを含めた新しい集客展開を図った。6月に「プラサカプコン ミッテン府中店」(東京都)をオープンし、5月に1店舗を閉鎖し、施設数は前期末と同じく41店舗となった。
アミューズメント機器事業は大幅増収増益だった。新規則の適用による新台入替の需要の喚起が期待される環境の中、新機種『百花繚乱 サムライガールズ』を発売するとともに、前期に投入した『バイオハザード7 レジデント イービル』のリピート販売が収益を下支えし、前年同期は新機種投入がなかったために大幅増収増益となった。
その他事業ではゲームソフト販売と連動し、ワンコンテンツ・マルチユース戦略を推進しているが、CGドラマ『バイオハザード:インフィニットダークネス』をNetflixにおいて グローバルで7月8日から配信開始した他、eスポーツ大会 「CAPCOM Pro Tour Online 2021」を全世界でオンライン大会として開幕、「インテル・ワールド・オープン」にて『ストリートファイターⅤ』の大会開催、7月に決勝大会を実施し、ユーザー層の拡大を試みている。
2022年3月期予想
2022年3月期通期の業績予想に関しては従前予想を維持した。
売上高 | 1,000億円 | (前期比4.9%増) |
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営業利益 | 420億円 | (同21.4%増) |
当期利益 | 300億円 | (同20.4%増) |
第1四半期決算で通期の営業利益の目標額の56%を既に達成したために第2四半期決算時に業績の上方修正をする確率が高いと思われる。
アナリストによる投資スタンス
7月29日に決算を発表した後株価は小幅上昇したが、8月3日に中国紙がオンラインゲームを強く批判したことで新たな規制が課されるとの見方から、中国での売上高比率の高いゲーム銘柄に業績の下振れリスクがあるとの懸念が高まり、株価は冴えない。本日(2021/8/13)年初来安値を更新した。カプコンの中国事業の比率は売上高の約10%である。株価バリュエーションは予想PERが20.83倍、PBRは4.69倍、EV/EBITDAは11.8倍である。
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プロフィール
新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。
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