株価104.61USD(日中取引終値)
時価総額1.3兆USD(約179兆円)
自己資本比率70.6%
ROE 23.6%
ROIC 20.4%
PER(実績)23.3倍
PER(予想)N/A
PER(予想) 5.3倍
配当利回りN/A
EV/EBITDA 14.5倍

                        *注:株価は2023/4/25時点。ROE、ROICは過去12カ月の実績数値。

2023年1Q決算結果

売上高698億ドル(約9兆3,392億円、前年同期比 3%増、4Q22比▲8.2%)
営業利益174億ドル (同▲13%、同▲4%)
営業利益率25% (同▲5pt、同1pt増)
四半期純利益151億ドル(同▲8.4%、同10%増)
希薄化後EPS1.17ドル  (弊社予想1.06ドル)

アルファベットの1Q決算は増収減益決算だった。売上、EPS共に市場予想を上回った。Google Searchは増収、YouTube広告、Google Networkは減収、Google Cloudは増収であった。最大700億ドルの自社株買いをアナウンスした。株価は時間外取引でわずかに上昇して引けた。

売上高は前年同期比3%増であったが、売上原価が同3.4%増、研究開発費用は同25.8%増、営業、マーケティング費用は同12.2%増、一般管理費は同11.4%増で営業利益は同▲13.3%、営業利益率は5pt低下した。営業外損益は7.9億ドル、四半期純利益は同▲8.4%であった。

以上の決算結果にリストラ費用とオフィス・スペース削減に26億ドルを使ったのが含まれている。また、サーバーと他のネットワーク機器の耐用年数の変更により減価償却費用が9億8,800万ドル減少した。

セグメント売上、トラフィック獲得コスト

グーグル検索、その他の広告収入404億ドル前年同期比1.9%増
YouTube広告67億ドル同▲2.6%
グーグル・ネットワーク広告75億ドル同▲8.3%
その他グーグル88億ドル同8.8%増
グーグル・サービス計620億ドル同0.8%増
グーグル・クラウド75億ドル同28%増
その他事業29億ドル同▲34%
為替ヘッジによる利益0.8億ドル同▲69.8%

 

総売上高698億ドル前年同期比 2.6%増
トラフィック取得コスト(TAC)117億ドル同▲2.2%
総売上高に占めるTAC割合16.8%同▲0.8pt

セグメント別営業損益

グーグル・サービス217億ドル前年同期比▲1.1%
グーグル・クラウド1.9億ドル黒字転換
その他▲12億ドル赤字幅が同46.7%拡大
コスト未配分▲33億ドル赤字幅が同約10倍拡大
営業損益合計174億ドル同▲13%

                   

Google Cloudが黒字転換した事はポジティブであった。GCP(Google Cloud Computing)、Google Workspace (グループウェアサービス)ともに好調であった。検索型広告が減収を避けられた事もポジティブであった。4Q22では検索型広告、YouTube広告、Googleネットワーク広告と主力の広告事業が全て前年同期比減収となったが、1Qでは回復をした。

2Qのガイダンスは具体的な数字を出さなかったが、設備投資額はFY2022とより増加するとコメントをした。

業績推移

Alphabet1Q20222Q20223Q20224Q20221Q2023
(単位:百万USD)     
総売上高68,01169,68569,09276,04869,787
売上原価29,59930,10431,15835,34230,612
粗利益38,41239,58137,93440,70639,175
粗利益率56.5%56.8%54.9%53.5%56.1%
研究開発費9,1199,84110,27310,26711,468
営業、マーケティング費用5,8256,6306,9297,1836,533
一般管理費3,3743,6573,5975,0963,759
営業利益20,09419,45317,13518,16017,415
営業利益率29.5%27.9%24.8%24.0%25.0%
営業外利益(費用)ネット(1,160)(439)(902)(1,013)790 
税引前利益18,93419,01416,23317,14718,205
法人税等2,4983,0122,3233,5233,154
純利益16,43616,00213,91013,62415,051
普通株主に帰属する純利益16,43616,00213,91013,62415,051
完全希薄後株式数667.55113,23913,09712,94712,823
完全希薄後EPS24.621.211.061.051.17
      
修正EBITDA*28,38028,13426,15727,46125,885
修正EBITDAマージン41.7%40.4%37.9%36.1%37.1%
*修正EBITDA=営業利益+減価償却費用、のれん代償却費用+株式型報酬費用
      
営業キャッシュフロー25,10619,42223,35323,61423,509
設備投資額9,7866,8287,2767,5956,289
フリーキャッシュフロー15,32012,59416,07716,01917,220

  (注:アルファベット社決算資料に基づき株式会社pafin作成)    

業績予想       

FY2023予想1Q(実績)2Q(予想)3Q(予想)4Q(予想)
売上高69,78773,86673,23879,850
営業利益17,41520,68320,50722,358
税引前利益18,20519,68319,60721,258
法人税等3,1542,5592,6472,764
純利益(親会社株主帰属)15,05117,12416,96018,495
完全希薄後株式数12,82312,55012,30012,100
完全希薄後EPS1.171.361.381.53

        (注:アルファベット社決算資料に基づき株式会社pafin作成)

投資判断

Google Cloudが黒字化した事、検索型広告が予想に反して増収だった事、またトラフィック取得コストが低下した事はポジティブであった。人員削減、オフィス・スペースの削減に取り組む一方AI関連の投資は加速する予定である。マイクロソフトに水をあけられているが、ChatGPTを超えるAIを開発できるか、また検索型広告がこれからも増収を継続できるかに市場は注目していくと考えている。

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