株価122.79USD(日中取引終値)
時価総額1.557兆USD(約219兆円)
自己資本比率69.7%
ROE 22.8%
ROIC 19.9%
PER(実績)23.3倍
PBR 6.0倍
配当利回りN/A
EV/EBITDA 17.0倍

                        *注:株価は2023/7/25時点。ROE、ROICは過去12カ月の実績数値。

2023年2Q決算結果

売上高746億ドル(約10兆5,186億円、前年同期比 7%増、1Q比6.9%増)
営業利益218億ドル (同12.3%増、同25.4%増)
営業利益率29.3% (同2.2ppt、同4.5ppt増)
四半期純利益184億ドル(同14.8%増、同22%増)
希薄化後EPS1.44ドル  

アルファベットの2Q決算は増収増益の好決算だった。売上、EPS共に市場予想を上回った。Google Searchは増収、YouTube広告も増収、Google Networkは減収、Google Cloudは大幅増収であった。株価は時間外取引で6%近く上昇して引けた。

Google 広告では、小売業界の堅調な成長に牽引され、検索広告が前年同期比5% 増加した。 YouTube 広告は、ブランドの成長等により収益が同 4% 増加した。 一方ネットワーク広告は同 5% 減少した。 Google のその他の収益は、YouTube のサブスクリプション収益の大幅な成長に牽引され、同24% 増加した。

売上高は前年同期比7%増であったが、売上原価は同0.4ppt改善し、研究開発費用は同7.6%増、営業、マーケティング費用は同2.3%増、一般管理費は同▲4.8%で営業利益は同12.3%増、営業利益率は同2.2ppt上昇した。営業外利益は6,500万ドル、四半期純利益は同14.8%増であった。

以上の決算結果にリストラ費用とオフィス・スペース削減に6,900万ドルを使ったのが含まれている。また、サーバーと他のネットワーク機器の耐用年数の変更により減価償却費用が9.6億ドル削減され、四半期純利益が7.5億ドル増加した。

セグメント売上、トラフィック獲得コスト

グーグル検索、その他の広告収入426億ドル前年同期比4.8%増
YouTube広告77億ドル同4.4%増
グーグル・ネットワーク広告79億ドル同▲5%
その他グーグル81億ドル同24.2%増
グーグル・サービス計663億ドル同5.5%増
グーグル・クラウド80億ドル同28%増
その他事業29億ドル同▲34%
為替ヘッジによる利益0.8億ドル同▲69.8%

 

総売上高746億ドル前年同期比 7%増
トラフィック取得コスト(TAC)125億ドル同2.6%増
総売上高に占めるTAC割合16.8%同▲0.7ppt

セグメント別営業損益

グーグル・サービス235億ドル前年同期比8.5%増
グーグル・クラウド3.95億ドル黒字転換
その他▲8.13億ドル赤字幅が同3.9.3%縮小
コスト未配分▲12億ドル赤字幅が同約4倍拡大
営業損益合計174億ドル同12.3%増

                   

Google Cloudが黒字転換し、セグメント利益率は5%であった。GCP(Google Cloud Computing)、検索型広告、YouTube広告ともに2Qは回復した。2022年は検索型広告、YouTube広告ともに2021年の巣籠特需の反動で減少したが、やっと回復した。Google Coudに関してはAWS、Azureに比べてシェアが低いが、ビッグデータの処理やAI、機械学習の開発に優れたサービスに強みがあり、生成AIのユニコーン企業の70%以上がGoogle Cloudを使っているとearnings call上でピチャイCEOは開示した。

なお、アルファベットは次の期のガイダンスを通常行わない。

業績推移

 

Alphabet2Q223Q224Q221Q232Q23
(単位:百万USD)     
総売上高69,68569,09276,04869,78774,604
売上原価30,10431,15835,34230,61231,916
粗利益39,58137,93440,70639,17542,688
粗利益率56.8%54.9%53.5%56.1%57.2%
研究開発費9,84110,27310,26711,46810,588
営業、マーケティング費用6,6306,9297,1836,5336,781
一般管理費3,6573,5975,0963,7593,481
営業利益19,45317,13518,16017,41521,838
営業利益率27.9%24.8%24.0%25.0%29.3%
営業外利益(費用)ネット(439)(902)(1,013)790        65
税引前利益19,01416,23317,14718,20521,903
法人税等3,0122,3233,5233,154  3,535
純利益16,00213,91013,62415,05118,368
普通株主に帰属する純利益16,00213,91013,62415,05118,368
完全希薄後株式数13,23913,09712,94712,82312,794
完全希薄後EPS1.211.061.051.17    1.44
      
修正EBITDA*28,13426,15727,46125,88531,009
修正EBITDAマージン40.4%37.9%36.1%37.1%   41.6%
*修正EBITDA=営業利益+減価償却費用、のれん代償却費用+株式型報酬費用 
      
営業キャッシュフロー19,42223,35323,61423,50928,666
設備投資額6,8287,2767,5956,289 6,888
フリーキャッシュフロー12,59416,07716,01917,22021,778

  (注:アルファベット社決算資料に基づき株式会社pafin作成)    

業績予想コンセンサス       

 1Q(実績)2Q(実績)3Q(予想)通期(予想)
売上高(百万USD)69,78774,60477,000277,000
完全希薄化後EPS1.17ドル1.44ドル1.48ドル5.49ドル

        (注:株式会社pafin調べ)

投資判断

生成AIブームの影響がGoogle Cloudの売上の大幅増に確認できた決算であった。元々Googleはディープラーニングで一番進んでいると言われており、対話型(チャット型)AIのBardの試験的ローンチを1Qにしており、また2Qには生成AIを使い検索をもっと自然で直観的にするSearch Generative Experience(SGE)の試験的ローンチした。これらについては近々課金サービスになると考えている。GoogleのAIでのポテンシャルを考えると予想PERの20倍台前半には割安感がある。

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