株価153.05USD(日中取引終値)
時価総額1.896兆USD(約280兆円)
自己資本比率68.9%
ROE 25.33%
ROIC 28.57%
PER(実績)29.32倍
PBR 7.01倍
配当利回りN/A
EV/EBITDA 19.43倍

                        *注:株価は2024/1/30時点。ROE、ROICは過去12カ月の実績数値。

2023年4Q決算結果

売上高863億ドル(約12兆7,465億円、前年同期比 13%増、3Q比13%増)
営業利益237億ドル (同30%増、同11%増)
営業利益率27.5% (同3.6pt増、同▲0.3pt)
四半期純利益207億ドル(同51.8%増、同5.1%増)
希薄化後EPS1.64ドル  

アルファベットの4Q決算は増収増益決算で、売上、EPS共に市場予想を上回った。しかし、Google Search(検索型広告)の売上が市場予想を下回り、アルファベットの株価は時間外取引で6%近く下落した。

事業別の内訳は、Google Searchの売上は前年同期比12.7%増の480億ドル、YouTube広告は同15.5%増の92億ドル、一方Network広告は同▲2.1%の83億ドルであった。Google のその他の収益は、Pixel phone、YouTube のサブスクリプション収益等に牽引されて同22.7%増の108億円となった。

売上高は同13%増の863億ドルであったが、売上原価はは6.3%増、研究開発費用は同18%増、営業、マーケティング費用は同7.5%増、一般管理費は同2.2%増で営業利益は同30%増の237億ドル、営業利益率は同3.6pt上昇の27.5%となった。営業外利益を7億ドル計上し、四半期純利益は同51.8%増と大幅増益の207億ドルとなった。

以上の決算結果に4Qにリストラ費用12億ドルとオフィス・スペース削減と減価償却費用に6,200万ドルを計上したものが含まれている。また会計基準の変更(サーバーと他のネットワーク機器の耐用年数の変更)により4Qに減価償却費用が9.83億ドル低減され、四半期純利益が7.65億ドル増加、希薄化後EPSへの影響は+0.06ドルであった。

セグメント売上、トラフィック獲得コスト

グーグル検索、その他の広告収入480億ドル前年同期比12.7%増
YouTube広告92億ドル同15.5%増
グーグル・ネットワーク広告83億ドル同▲2.1%
その他グーグル108億ドル同22.7%増
グーグル・サービス計763億ドル同12.5%増
グーグル・クラウド91.9億ドル同25.7%増
その他事業6.57億ドル同190.47%増
為替ヘッジによる利益1.5億ドル同▲77.6%

 

総売上高863億ドル前年同期比13%増
トラフィック取得コスト(TAC)139.8億ドル同8.2%増
総売上高に占めるTAC割合16.2%同▲0.8pt

セグメント別営業損益

グーグル・サービス267億ドル前年同期比32%増
グーグル・クラウド8.64億ドル黒字転換
その他▲8.63億ドル赤字幅縮小
親会社レベルの活動▲30億ドル赤字幅拡大
営業損益合計236.9億ドル同30.5%増

*注:コスト未配分は親会社レベルの活動に名称を変更した。               

Google Cloudは前年同期では黒字転換し、セグメント利益率は9.4%と3Q比3倍近く伸びた。

Googleサービスに関しては前述したようにGoogle Search、YouTubeともに好調であった一方Network広告は不調であった。またその他Googleも好調であったためにGoogleサービスのセグメント利益は前年同期比32%増と高い伸びであった。

なお、アルファベットは次の四半期のガイダンスを通常行わない。

業績推移

Alphabet4Q221Q232Q233Q234Q23
(単位:百万USD)     
総売上高76,04869,78774,60476,69386,310
売上原価35,34230,61231,91633,22937,575
粗利益40,70639,17542,68843,46448,735
粗利益率53.50%56.10%57.20%56.70%56.47%
研究開発費10,2671146810,58811,25812,113
営業、マーケティング費用7,18365336,7816,8847,719
一般管理費5,0963,7593,4813,9795,206
営業利益18,16017,41521,83821,34323,697
営業利益率24.00%25.00%29.30%27.80%27.46%
営業外利益(費用)ネット-101379065-146715
税引前利益17,14718,20521,90321,19724,412
法人税等3,5233,1543,5351,5083,725
普通株主に帰属する純利益13,91015,05118,36819,68920,687
完全希薄後株式数12,94712,82312,79412,69612,602
完全希薄後EPS1.051.172.611.551.64
      
営業キャッシュフロー23,61423,50928,66630,65618,915
設備投資額7,5956,2896,8888,05511,019
フリーキャッシュフロー16,01917,22021,77822,6017,896

  (注:アルファベット社決算資料に基づき株式会社pafin作成)    

業績予想コンセンサス(決算発表前時点)       

 1Q実績2Q実績3Q実績4Q実績1Q予想
売上高(百万USD)69,78774,60476,69386,31072,420
EPS1.171.441.551.641.37

        (注:株式会社pafin調べ)

投資判断

Googleクラウドの前年同期比の売上の伸びは25.7%、セグメント利益率は9.4%と3Qの22%増、セグメント利益率3.2%より大分に伸びたが、Azureの前年同期比の売上の伸び30%よりも低かった。広告需要は回復し、検索型広告、YouTube広告ともに二桁増であったが、ネットワーク広告は一年以上マイナス成長である。クラウド事業のポテンシャルは大きいが、まだ全売上の10%強に過ぎず、あくまでグーグルの収益源は広告事業であり、検索型広告が市場予想を下回ったために時間外取引で株価が大幅に下落した。AI関連のサービスに投資家は大きな期待を寄せているが、まだマネタイズできる状況ではなく、業績は端境期にあるといった状況である。

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