株価157.95USD(日中取引終値)
時価総額1.99兆USD(約308兆円)
自己資本比率71.9%
ROE 27.36%
ROIC 25.4%
PER(実績)27.23倍
PBR 6.93倍
配当利回りN/A
EV/EBITDA 19.07倍

                        *注:株価は2024/4/25時点。ROE、ROICは2023年12月末時点。

2024年1Q決算結果

売上高805億ドル(約12兆4,775億円、前年同期比 15%増、4Q23比▲7%)
営業利益255億ドル (同46%増、同7%増)
営業利益率32% (同7pt増、同▲5pt)
四半期純利益237億ドル(同57%増、同14%増)
希薄化後EPS1.89ドル  

アルファベットの1Q決算は増収増益決算で、売上、EPS共に市場予想を上回った。Google Search(検索型広告)、YouTube広告、Google Cloud全ての事業が好調であり、初の配当を発表した事が好感され時間外取引で株価は12%以上上昇した。売上高は前年同期比15%増の805億ドル、営業利益は同46%増の255億ドル、営業利益率は同7pt増の32%、四半期純利益は同57%増の237億ドル、希薄化後EPSは1.89ドルであった。

セグメント売上、トラフィック獲得コスト

グーグル検索、その他の広告収入462億ドル前年同期比14%増
YouTube広告80.9億ドル同21%増
グーグル・ネットワーク広告74億ドル同▲1.1%
その他グーグル87億ドル同18%増
グーグル・サービス計704億ドル同14%増
グーグル・クラウド96億ドル同28%増
その他事業4.95億ドル同72%増
為替ヘッジによる利益0.72億ドル同▲14%

 

総売上高805億ドル前年同期比15%増
トラフィック取得コスト(TAC)129.46億ドル同10%増
総売上高に占めるTAC割合16.07%同▲0.72pt

セグメント別営業損益

グーグル・サービス279億ドル前年同期比28%増
グーグル・クラウド9億ドル同4.7倍
その他▲10.2億ドル赤字幅縮小
親会社レベルの活動▲23億ドル赤字幅縮小
営業損益合計254.7億ドル同46%増

*注:コスト未配分は親会社レベルの活動に名称を変更した。               

事業別売上の内訳は、Google Searchの売上は前年同期比14%増の462億ドル、YouTube広告は同21%増の80.9億ドル、一方Network広告は同▲1.1%の74億ドルであった。Google のその他の収益は、Pixel phone、YouTube のサブスクリプション収益等に牽引されて同18%増の87億ドルとなった。Google Cloudは同28%増の96億ドルであった。

事業別損益はGoogle事業のセグメント利益は前年同期比28%増の279億ドル、Google Cloudは4Q23に黒字化したが、セグメント利益は同4.7倍増の9億ドルであった。

 

なお、アルファベットは次の四半期のガイダンスを通常行わない。

業績推移

Alphabet1Q232Q233Q234Q231Q24
(単位:百万USD)     
総売上高69,78774,60476,69386,31080,539
売上原価30,61231,91633,22937,57533,712
粗利益39,17542,68843,46448,73546,827
粗利益率56.10%57.20%56.70%56.47%58.14%
研究開発費1146810,58811,25812,11311,903
営業、マーケティング費用65336,7816,8847,7196,426
一般管理費3,7593,4813,9795,2063,026
営業利益17,41521,83821,34323,69725,472
営業利益率25.00%29.30%27.80%27.46%32%
営業外利益(費用)ネット79065-1467152,843
税引前利益18,20521,90321,19724,41228,315
法人税等3,1543,5351,5083,7254,653
普通株主に帰属する純利益15,05118,36819,68920,68723,662
完全希薄後株式数12,82312,79412,69612,60212,527
完全希薄後EPS1.172.611.551.641.89
      
営業キャッシュフロー23,50928,66630,65618,91528,848
設備投資額6,2896,8888,05511,01912,012
フリーキャッシュフロー17,22021,77822,6017,89616,836

  (注:アルファベット社決算資料に基づき株式会社pafin作成)    

業績予想コンセンサス(決算発表前時点)       

 4Q実績1Q実績2Q予想
売上高(百万USD)86,31080,53977,350
EPS1.641.891.56

        (注:株式会社pafin調べ)

投資判断

AI事業の遅れに加えて生成AI「Gemini」の不具合が起きたアルファベットであるが、本業の広告事業は検索型広告、YouTube広告と好調でGoogle Cloudの売上の伸びはAzureの伸びを下回ったものの最高益を達成した。また、初の配当で一株当たり0.2ドルを発表した。予想PERが23倍と割高感はなくAI事業のこれからの展開が期待される。

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