株価161.47USD(日中取引終値)
時価総額1.952兆USD(約279兆円)
自己資本比率72.6%
ROE 32.9%
ROIC 30.9%
PER(実績)19.6倍
PBR 5.9倍
配当利回り0.51%
EV/EBITDA 13.6倍

                        *注:株価は2024/4/24時点。ROE、ROICは過去12か月の実績数値。

2025年1Q決算結果

売上高902億ドル(約12.9兆円、前年同期比12%増)
営業利益306億ドル (同20%増)
営業利益率34% (同2pt増)
四半期純利益345億ドル(同46%増)
希薄化後EPS2.81ドル  

アルファベットの1Q決算は売上、EPS共に市場予想を上回り、また、グーグルクラウドの営業利益が市場予想を上回り、決算発表後の時間外取引で株価は4%以上上昇した。

Googleネットワーク広告(リスティング広告やディスプレイ広告)、その他事業は減収であったが他事業は全て増収を達成した。売上高は前年同期比12%増の902億ドル、営業利益は同20%増の306億ドル、営業利益率は同2pt増の34%、四半期純利益は同46%増の345億ドル、希薄化後EPSは2.81ドルであった。営業利益の増加に比べて純利益の増加が大きいのは未上場株への投資に関連する未実現利益を80億ドル計上した事等による。

決算発表と同時に配当を前四半期比5%増の一株当たり0.21ドル、また700億ドルを上限とする自社株買いを発表した。

セグメント売上、トラフィック獲得コスト

グーグル検索、その他の広告収入507億ドル前年同期比9.9%増
YouTube広告89億ドル同10.3%増
グーグル・ネットワーク広告72.5億ドル同▲2.1%
その他グーグル104億ドル同18.8%増
グーグル・サービス計773億ドル同9.8%増
グーグル・クラウド122.6億ドル同28%増
その他事業4.5億ドル同▲9%
為替ヘッジによる利益2.6億ドル同3.6倍増

 

総売上高902億ドル前年同期比12%増
トラフィック取得コスト(TAC)137億ドル同6.2%増
総売上高に占めるTAC割合15.2%同▲0.8pt

セグメント別営業損益

グーグル・サービス327億ドル前年同期比17%増
グーグル・クラウド21.7億ドル同142%増
その他▲12.26億ドル赤字拡大
親会社レベルの活動▲30.27億ドル赤字拡大
営業損益合計306億ドル同20%増

事業別売上の内訳は、Google Searchの売上は前年同期比9.9%増の507億ドル、YouTube広告は同10.3%増の89億ドル、一方Network広告は同▲2.1%の72.5億ドルであった。Google のその他の収益(YouTubeのサブスクリプション、Google Pixel等)は同18.8%増の104億ドルとなった。Google Cloudは同28%増の122.6億ドルとなった。トラフィック取得コスト(TAC)は同6.2%増の137億ドル、総売上高に占めるTAC割合は同▲0.8ptの15.2%となった。

事業別損益はGoogle事業のセグメント利益は前年同期比17%増の327億ドル、Google Cloudのセグメント利益は同142%増の21.7億ドルであった。営業損益合計は同20%増の306億ドルとなった。

アルファベットは次の四半期のガイダンスを通常行わないが、設備投資に関しては前回見通しと変わらず2025年通年で750億ドル、前年比約50%増とした。

Gemini 2.5 ProとFlashモデルは開発者の導入を促進しており、AI Studio(GoogleのAIを無料で利用できるプラットフォーム)とGemini APIのアクティブユーザーは2025年初頭から200%以上増加している。

AIを活用した広告ツールは広告の関連性とパフォーマンスを向上させており、DemandGenを利用する企業は、支出1ドルあたりのコンバージョン率が前年比で平均26%増加した。

Circle to Search(Android向けの機能で気になる部分を丸で囲む等の簡単な操作で検索できる)は現在2億5,000万台以上のデバイスで利用可能であり、利用率は約40%増加した。

投資判断

AI導入の効果がやっと顕在化した好決算であった。Google検索のAI Overviewsの月間ユーザー数は15億人を超え、AIによる検索体験の向上が広告収益にも貢献している。Gemini 2.5の導入により、広告のターゲティング精度やユーザー体験の向上が期待される。関税政策に振り回され、アルファベットの年初来の株価パフォーマンスは▲15%であったが、現在の株価バリュエーションは実績PERが19.6倍、予想PERが17.8倍と割安感がある。ここ数日は利下げ期待で米株は戻しているが、政策の変更等でボラティリティが高い展開は継続するものと考えている。

サムネイル画像クレジット:achinthamb/Shutterstock.com