株価 | 128.91USD(日中取引終値) |
時価総額 | 1.32兆USD(約188兆円) |
自己資本比率 | 35.3% |
ROE | 2.98% |
ROIC | N/A |
PER(実績)* | 313.55倍 |
PBR | 8.74倍 |
配当利回り | N/A |
EV/EBITDA | 28.55倍 |
※株価は2023年8月3日時点。過去12カ月のEPS実績値を使ってのPER。
2023年2Q決算結果
売上高 | 1,344億ドル (約19兆1,788億円、前年同期比10.9%増、1Q比5.5%増) |
営業利益 | 77億ドル (同131.6%増、同60.9%増) |
営業利益率 | 5.7% (同3.0ppt増、同2.0ppt増) |
四半期純利益 | 67.5億ドル (黒字転換、1Q比112.8%増) |
希薄化後EPS | EPS 0.65ドル |
大幅増益の好決算だった。売上高、EPSともに市場予想を大きく上回り、四半期純利益は前年同期比黒字転換、1Q比倍増と大きく改善した。稼ぎ頭であるクラウド・コンピューティングのAWSの増収率が前年同期比12%増と1Qの16%増から鈍化したが、市場予想を大きく上回った売上であった。投資先のRivian Automotiveは税引き前約2億ドルの評価益と前年同期の税引き前約39億ドルの評価損から黒字転換した。時間外取引でアマゾン株は9%近く上昇して引けた。
セグメント別売上、営業利益
北米
売上高 | 825億ドル | 前年同期比10.9%増 |
---|---|---|
営業費用 | 793億ドル | 同5.7%増 |
営業損益 | 32億ドル | 黒字転換 |
インターナショナル
売上高 | 297億ドル | 前年同期比9.7%増 |
---|---|---|
営業費用 | 306億ドル | 同6.1%増 |
営業損益 | ▲9億ドル | 同赤字幅約半減 |
AWS
売上高 | 221億ドル | 前年同期比12.2%増 |
---|---|---|
営業費用 | 168億ドル | 同19.6%増 |
営業損益 | 53.6億ドル | 同▲6.1% |
北米では売上が前年同期比10.9%増と大きく伸び、営業費用は売上ほど伸びなかったために黒字に転換した。インターナショナルずっと赤字であるが、売上の伸びに対して営業費用はそれほど伸びなかったために営業赤字が前年同期比約半減した。AWSの売上高は前年同期比12.2%増であったが、営業費用が19.6%と売上よりも拡大し、営業損益は黒字を確保したものの前年同期比6.1%減少した。AWSの営業利益率は営業費用の伸びにより前年同期比4.7ppt低下し、24.2%となった。
3Qのガイダンス
3Qのガイダンスは以下の通りである。
売上高:1,380億~1,430億ドル (前年同期比9%~13%増)この前提として為替からの影響が▲0.3%と想定している。
営業利益:55億~85億ドル(前年同期 25億ドル)
業績推移
Amazon | 2Q2022 | 3Q2022 | 4Q2022 | 1Q2023 | 2Q2023 |
(単位:百万USD) | |||||
総売上高 | 121,234 | 127,101 | 149,204 | 127,358 | 134,383 |
営業費用 | 117,917 | 124,576 | 146,467 | 122,584 | 126,702 |
営業利益 | 3,317 | 2,525 | 2,737 | 4,774 | 7,681 |
営業利益率 | 2.7% | 1.99% | 1.8% | 3.7% | 5.7% |
営業外収益(費用) | (5970) | 419 | (3699) | (655) | 61 |
税引前利益 | (2,653) | 2,944 | (962) | 4,119 | 7,563 |
法人税等 | 637 | (69) | 1,227 | (948) | (840) |
持分法投資損益 | (12) | (3) | 13 | 1 | (9) |
純利益 | (2,028) | 2,872 | 278 | 3,172 | 6,750 |
普通株主に帰属する純利益 | (2,028) | 2,872 | 278 | 3,172 | 6,750 |
完全希薄後株式数 | 10,175 | 10,331 | 10,308 | 10,347 | 10,449 |
完全希薄後EPS | (0.2) | 0.28 | 0.03 | 0.31 | 0.65 |
修正EBITDA* | 13,030 | 18,285 | 21,028 | 20,645 | 26,397 |
修正EBITDAマージン | 10.7% | 14.4% | 14.1% | 16.2% | 19.6% |
*修正EBITDA=営業利益+減価償却費用、のれん代償却費用+株式型報酬 | |||||
営業キャシュフロー | 8,965 | 11,404 | 29,173 | 4,788 | 16,476 |
設備投資 | (15,724) | (16,378) | (16,592) | (14,207) | (11,455) |
不動産及び設備の売却利益 | 1,626 | 1,337 | 1,152 | 1,137 | 1,043 |
フリーキャッシュフロー** | (5,133) | (3,637) | 13,733 | (8,282) | 6,064 |
**フリーキャッシュフロー=営業CF-設備投資+不動産及び設備の売却利益 |
(注:アマゾン社決算資料に基づき株式会社pafin作成)
業績予想コンセンサス
1Q(実績) | 2Q(実績) | 3Q(予想) | 通期(予想) | |
売上高(百万USD) | 127,358 | 134,383 | 138,250 | 561,280 |
完全希薄化後EPS | 0.31 | 0.65 | 0.55 | 1.95 |
(注:株式会社pafin調べ)
投資判断
リストラにより営業利益率は5.7%まで回復し、大幅増益の好決算であった。北米事業は大幅増収増益となり万年赤字のインターナショナル事業は赤字幅が半減した。AWSの売上は市場予想より大きかった事はポジティブであるが、AWSでもリストラをしたはずであるものの、売上の伸びよりコストの伸びの方がはるかに大きいのが懸念材料である。AWSの増収率は6四半期連続で鈍化しており、営業利益率は24.2%となった。AWSのセグメント利益がアマゾン全体の営業利益の70%近くを稼いでおり引き続きAWSの動向に注目している。
サムネイル画像クレジット:Silver Wings/Shutterstock.com