株価 | 159.28USD(日中取引終値) |
時価総額 | 1.646兆USD(約241兆円) |
自己資本比率 | 38.2% |
ROE | 8.72% |
ROIC | N/A |
PER(実績)* | 54.92倍 |
PBR | 8.15倍 |
配当利回り | N/A |
EV/EBITDA | 23.03倍 |
※株価は2024年2月1日時点。過去12カ月のEPS実績値を使ってのPER。
2023年4Q決算結果
売上高 | 1,699億ドル (約24兆8,903億円、前年同期比13.9%増、3Q比18.7%増) |
営業利益 | 132億ドル (同4.8倍増、同17.9%増) |
営業利益率 | 7.8% (同6.0pt増、同フラット) |
四半期純利益 | 106億ドル (同38倍増、同7%増) |
希薄化後EPS | 1ドル |
売上高、EPSともに市場予想を上回り大幅増益の決算であった。売上高は前年同期比13.9%増の1,699億ドルであった。コスト削減が功を奏し営業利益は同4.8倍の132億ドルとなり、営業利益率は同6.0pt増の7.8%となった。四半期純利益も同38倍と大幅増益の決算であった。EC事業は北米、インターナショナルともに二桁増と好調であった。稼ぎ頭であるクラウド・コンピューティングのAWSの増収率は前年同期比13.2%増と3Qの増収率より0.9pt上昇し、AWSのセグメント利益は同37.7%増、セグメント利益率は前年同期比5.3pt上昇したが、3Qのセグメント利益率より0.7pt低下した。投資先のRivian Automotiveは税引き前1億ドルの評価損と前年同期の税引き前23億ドルの評価損からは大幅改善したが、3Qには税引前12億ドルの評価益を計上したが、株価下落により4Qで再び評価損に転落した。決算とあわせてネット通販を便利にする新たなAIサービス「Rufus」(ルーファス)の提供も発表した。EC、クラウドともに好調を受け、時間外取引でアマゾン株は7%上昇して引けた。
セグメント別売上、営業利益
北米
売上高 | 1,055億ドル | 前年同期比13%増 |
---|---|---|
営業費用 | 991億ドル | 同6.1%増 |
営業損益 | 65億ドル | 黒字転換 |
インターナショナル
売上高 | 402億ドル | 前年同期比16.8%増 |
---|---|---|
営業費用 | 407億ドル | 同10.8%増 |
営業損益 | ▲4.2億ドル | 同赤字81%縮小 |
AWS
売上高 | 242億ドル | 前年同期比13.2%増 |
---|---|---|
営業費用 | 170億ドル | 同5.3%増 |
営業損益 | 72億ドル | 同37.7%増 |
北米では売上が前年同期比13%増と大きく伸び、営業費用は売上ほど伸びなかったために黒字に転換した。インターナショナルはずっと赤字であるが、売上は同16.8%増と大きく伸び、営業費用の伸びは抑えられた為に赤字は同81%縮小した。AWSの売上高は前年同期比13.2%増、営業費用の伸びが5.3%増と売上の伸びの半分程度に抑えられたために営業損益は大きく改善した。
1Qのガイダンス
1Qのガイダンスは以下の通りである。
売上高:1,380億~1,435億ドル (前年同期比8%~13%増)この前提として為替からの影響が+0.4%と想定している。
営業利益:80億~120億ドル(前年同期 48億ドル)営業利益予想は会計方針変更により減価償却費が9億ドル低下する事も含んでいる。
業績推移
Amazon | 4Q22 | 1Q23 | 2Q23 | 3Q23 | 4Q23 |
(単位:百万USD) | |||||
総売上高 | 149,204 | 127,358 | 134,383 | 143,083 | 169,961 |
営業費用 | 146,467 | 122,584 | 126,702 | 131,895 | 156,752 |
営業利益 | 2,737 | 4,774 | 7,681 | 11,188 | 13,209 |
営業利益率 | 1.8% | 3.7% | 5.7% | 7.8% | 7.8% |
営業外収益(費用) | (3,699) | (655) | 61 | 1,001 | 477 |
税引前利益 | (962) | 4,119 | 7,563 | 12,189 | 13,686 |
法人税等 | 1,227 | (948) | (840) | (2,306) | (3,062) |
持分法投資損益 | 13 | 1 | (9) | (4) | - |
普通株主に帰属する純利益 | 278 | 3,172 | 6,750 | 9,879 | 10,624 |
完全希薄後株式数 | 10,308 | 10,347 | 10,449 | 10,558 | 10,308 |
完全希薄後EPS | 0.03 | 0.31 | 0.65 | 0.94 | 1.00 |
営業キャシュフロー | 46,752 | 54,330 | 61,841 | 71,654 | 84,946 |
設備投資(不動産及び設備の売却利益とネット) | 58,321 | 57,649 | 53,963 | 50,220 | 48,133 |
フリーキャッシュフロー** | (11,569) | (3,319) | 7,878 | 21,434 | 36,813 |
**フリーキャッシュフロー=営業CF-設備投資+不動産及び設備の売却利益 |
(注:アマゾン社決算資料に基づき株式会社pafin作成)
業績予想コンセンサス(決算発表前時点)
1Q(実績) | 2Q(実績) | 3Q(実績) | 4Q(実績) | 1Q(予想) | |
売上高(百万USD) | 127,358 | 134,383 | 143,083 | 169,961 | 140,160 |
完全希薄化後EPS | 0.31 | 0.65 | 0.94 | 1 | 0.71 |
(注:株式会社pafin調べ)
投資判断
EC、クラウド事業共に好調で大幅増益の好決算であった。リストラにより営業利益率も回復し、一時期の業績低迷より回復したと言えるだろう。クラウド・コンピューティング市場ではAWSはトップシェアを維持しており、AWSはNvidiaと10年以上協業しているが、11月に生成 AI 向けの新しいスーパーコンピューティング等の提供での戦略的提携を発表しており、NVIDIA GH200 NVL32 を初めて搭載した NVIDIA DGX Cloud が、AWSで利用可能になった。Azureは伸びているものの、AWSの優位性は変わらないだろうと考えている。
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