株価175.00USD(日中取引終値)
時価総額1.82兆USD(約286兆円)
自己資本比率40.8%
ROE 17.49%
ROIC N/A
PER(実績)*62.4倍
PBR9.32倍
配当利回りN/A
EV/EBITDA 21.6倍

※株価は2024年4月30日時点。ROEは12/31/23時点。過去12カ月のEPS実績値を使ってのPER。

2024年1Q決算結果

売上高1,433億ドル (約22兆4,981億円、前年同期比13%増、4Q23比▲15.7%)
営業利益153億ドル (同3.2倍増、同15.9%増) 
営業利益率10.68% (同6.93pt増、同2.91pt増)
四半期純利益104億ドル (同3.3倍増、同▲1.8%) 
希薄化後EPS0.98ドル

売上高、EPSともに市場予想を上回り大幅増益の決算であった。売上高は前年同期比13%増の1,433億ドルであった。コスト削減、長年赤字であったECのインターナショナルが黒字転換した事等が功を奏し営業利益は同3.2倍増の153億ドルとなり、営業利益率は同6.93pt増の10.68%と10%台にのせた。四半期純利益は同3.3倍増の104億ドル、希薄化後EPSは0.98ドルであった。

EC事業は中国の大手ECのTemuやSheinの台頭が心配されたが、北米のECの売上の伸びは前年同期比12.3%増、セグメント利益は同5.5倍増となった。稼ぎ頭であるクラウド・コンピューティングのAWSの増収率は同17.2%増と4Qの増収率より4.0pt上昇し、AWSのセグメント利益は同83.9%増と大幅増益、セグメント利益率は37.63%と同13.64pt上昇した。AWSのセグメント利益は全営業利益の61.5%を占めた。投資先のRivian Automotiveは税引き前20億ドルの評価損と前年同期の税引き前5億ドルの評価損から4倍に拡大した。

セグメント別売上、営業利益

北米

売上高863億ドル前年同期比12.3%増
営業費用814億ドル同7.1%増
営業損益49.8億ドル黒字転換

               

インターナショナル

 

売上高319億ドル前年同期比9.7%増
営業費用310億ドル同2.2%増
営業損益9億ドル黒字転換

  

AWS

売上高250億ドル前年同期比17.2%増
営業費用156億ドル同▲3.8%
営業損益94億ドル同83.9%増

 

北米では売上が前年同期比12.3%増と大きく伸び、営業費用の伸びを同7.1%に抑えた為に黒字に転換した。インターナショナルはずっと赤字であったが、売上は同9.7%増と大きく伸び、営業費用の伸びを同2.2%増に抑えられた為に黒字に転換した。AWSの売上高は同17.2%増、営業費用を3.8%減となった為にセグメント利益は同83.9%増と大幅に増加した。

2Qのガイダンス

2Qのガイダンスは以下の通りである。

売上高:1,440億~1,490億ドル (前年同期比7%~11%増)この前提として為替からの影響が▲0.6%と想定している。

営業利益:100億~140億ドル(前年同期 77億ドル)

 

業績推移

Amazon   1Q23   2Q23   3Q23  4Q231Q24
(単位:百万USD)     
      
総売上高127,358134,383143,083169,961143,313
営業費用122,584126,702131,895156,752128,006
営業利益4,7747,68111,188 13,20915,307
営業利益率3.7%5.7%7.8%    7.8%10.7%
営業外収益(費用)(655)611,001    477(2,324)
税引前利益4,119 7,56312,189 13,68612,983
法人税等(948)(840)(2,306)(3,062)(2,467)
持分法投資損益(9)(4)    -(85)
普通株主に帰属する純利益3,172     6,750 9,879 10,62410,431
完全希薄後株式数10,34710,44910,55810,30810,670
完全希薄後EPS0.31 0.650.94   1.000.98

 (注:アマゾン社決算資料に基づき株式会社pafin作成)    

業績予想コンセンサス(決算発表前時点)       

 4Q(実績)1Q(実績)2Q(予想)
売上高(百万USD)169,961143,313150,070
完全希薄化後EPS10.980.94

(注:株式会社pafin調べ)

投資判断

EC、クラウド事業共に好調で大幅増益の好決算であった。長年赤字であったECのインターナショナルも黒字に転換した。クラウド・コンピューティング市場ではAWSはトップシェアを維持しており、Azureとは10pt程引き離していると推測される。AWSはNvidiaと長年協業しているが、生成 AI 向けの新しいスーパーコンピューティング等の提供での戦略的提携を昨年発表したが、戦略的提携の延長を発表した。また、アマゾンは米AIスタートアップ企業のAnthropicへ投資をしており、AWSとAnthropicが協業してAWSの生成AIであるAmazon Bedrockを提供しているが、既に1万社を超える企業がAmazon Bedrockのユーザーである。

サムネイル画像クレジット:Silver Wings/Shutterstock.com