株価191.17USD(日中取引終値)
時価総額3.0兆USD(約428兆円)
自己資本比率17.99%
ROE 145.6%
ROIC 31.31%
PER(実績)32.64倍
PBR48.73倍
配当利回り0.49%
EV/EBITDA  24.71倍

 *注:株価は2023/8/3時点。ROE、ROICは過去12カ月の実績数値。

2023年3Q決算結果

売上高818億ドル (約11兆6,646億円、前年同期比▲1.4%、2Q比▲13.7%)
営業利益229.9億ドル(同▲0.3%、同▲18.8%)
営業利益率28.1% (同0.3ppt増、同▲1.8)
四半期純利益199億ドル (同2.3%増、同▲17.7%)
希薄化後EPS1.26ドル 

減収増益の決算であった。為替が売上に▲4%の影響があった。売上、EPSともに市場予想を上回り、微減収微増益決算だった。iPhone売上が市場予想を下回った。サブスクリプション売上の10億ドルがけん引し、サービス売上が最高を記録した。サービス売上の利益率が高いため営業利益率は前年同期比0.3ppt改善の28.1%となった。

Earnings callでクックCEOはiPhoneがメキシコ、インドネシア、フィリピン、サウジアラビア、トルコ、UAEで最高売上を記録、フランス、オーストリアでは4-6月期のiPhone売上として最高を記録したと発表した。

 

製品別売上

iPhone397億ドル前年同期比▲2.4%
Mac68億ドル同▲7.3%
iPad58億ドル同▲19.8%
ウェアラブル、ホーム&アクセサリー83億ドル同2.5%増
サービス212億ドル同8.2%増
総売上高818億ドル同▲1.4%

iPhoneは前年同期が4~6月期として最高売上を記録したために2.4%の減少となったが、為替の影響を除けば増収であった。Macは前年同期比7.3%の減少であった。iPadは前年同期比20%近くの減少となったが、前年同期にiPad Airをローンチした反動も減少の要因の一部である。ウェアラブル、ホーム&アクセサリーは前年同期比2.5%の増加であった。このセグメントでは3QにAR用のApple Vision Proをローンチした。サービス売上は前年同期比8.2%増と会社予想を上回り最高売上を記録した。

 

地域別売上                                   

南北アメリカ大陸354億ドル前年同期比▲5.6%
ヨーロッパ202億ドル同4.8%増
中華圏158億ドル同7.9%増
日本48億ドル同▲13%
アジア太平洋56億ドル同▲8.5%
総売上高818億ドル同▲1.4%

地域別ではヨーロッパと中華圏のみがプラス成長を達成した。

4QFY23のガイダンス

4QのガイダンスはiPhoneに関しては3Qと同じような前年同期比の変化になるとコメントしていた。つまり4Qも前年同期比マイナス一桁の前半位になると考えている。為替の売上に対する影響は▲2%と会社側は想定している。粗利益率は44.0% ~45.0%のレンジ、営業費用は135億~137億ドルのレンジ、営業外損益が▲2.5億ドル、税率は16%前後を予想している。

業績推移

Apple3Q20224Q20221Q20232Q20233Q2023
(単位:百万USD)Jun-22Sep-22Dec-22Mar-23Jun-23
売上     
 プロダクト売上63,35570,95896,38873,92960,584
 サービス売上19,60419,18820,76620,90721,213
総売上高82,95990,146117,15494,83681,797
売上原価     
 プロダクト原価41,48546,38760,76546,79539,136
 サービス原価5,5895,6646,0576,0656,248
売上原価合計47,07452,05166,82252,86045,384
粗利益35,88538,09550,33241,97636,413
粗利益率43.3%42.3%43.0%44.3%44.5%
営業費用     
 研究開発費6,7976,7617,7097,4577,442
 一般管理費6,0126,4406,6076,2015,973
営業費用合計12,80913,20114,31613,65813,415
営業利益23,07624,89436,01628,31822,998
営業利益率27.8%27.6%30.7%29.9%28.1%
営業外収益(費用)ネット-10-237-39364-265
税引前利益23,06624,65735,62328,38222,733
法人税等3,6243,9365,6254,2222,852
純利益19,44220,72129,99824,16019,881
完全希薄後株式数16,16316,11815,95615,84715,775
完全希薄後EPS1.201.291.881.521.26
      
修正EBITDA*26,59033,34341,83733,90228,667
修正EBITDAマージン32.1%37.0%35.7%35.7%35.0%
営業キャシュフロー22,89224,12734,00528,56026,380
設備投資2,1023,2893,7872,9162,093
フリーキャッシュフロー20,79020,83830,21825,64424,287
*修正EBITDA=営業利益+減価償却費用、のれん代償却費用+株式型報酬

(注:アップル社決算資料に基づき株式会社pafin作成)    

業績予想コンセンサス       

 1Q(実績)2Q(実績)3Q(実績)4Q(予想)通期(予想)
売上高(百万USD)117,15494,83681,79790,190385,040
完全希薄化後EPS1.881.521.261.365.98

(注:株式会社pafin調べ)

投資判断

3四半期連続の減収決算であった。サービス売上は最高を記録したが、主力のiPhoneは3年間で一番大幅なアップグレードとなる見込みのiPhone新モデルのリリースを控えてiPhone 14の売上は伸びなかった。来月半ばのiPhone 15シリーズのリリースで売上が回復するかに注目している。 

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