株価 | 298.57USD(日中取引終値) |
時価総額 | 7,652億USD(約107.3兆円) |
自己資本比率 | 64.8% |
ROE | 17.29% |
ROIC | 17.49% |
PER(実績) | 36.49倍 |
PBR | 6.69倍 |
配当利回り | N/A |
EV/EBITDA | 20.43倍 |
*注:株価は2023/7/26時点。ROE、ROICは過去12カ月の実績数値。
2023年2Q決算結果
売上高 | 319.9億ドル(約4兆4,754億円、前年同期比 11%増、1Q比▲12%) |
営業利益 | 94億ドル (同12%、同30%増) |
営業利益率 | 29.4% (同0.4ppt増、同4.4ppt増) |
四半期純利益 | 78億ドル(同16%増、同36%増) |
希薄化後EPS | 2.98ドル |
増収増益の好決算であった。売上高は前年同期比11%増であったが、コストの伸びを同10%増と売上の伸びより低く抑え、営業利益は同12%増となった。メタは4Q22より人員削減、拠点の統合等のリストラを行っているが、2Qの総コスト226億ドルのうち7億8,000万ドルはリストラ費用であった。リストラ費用のインパクトは営業利益率が▲3ppt、あるいは希薄化後EPSは▲0.25ドルであった。しかしMeta株の株価上昇により税率が1Qの22%より16%に低下し、四半期純利益は前年同期比16%増加、1Q比36%増加となった。Facebook、Instagram、WhatsAppのfamilyのデイリー・アクティブ・ピープル数(DAP)は前年同期比6.6%増の30億7,000万人であった。このうちFacebookのマンスリー・アクティブ・ユーザー数(MAU)が初めて30億人を突破し30億3,000万人となった。しかし、平均広告単価は同▲16%であった。
売上、EPS、広告収入が市場予想を上回ったために決算発表後時間外取引でメタ株は7%近く上昇して引けた。
事業別内訳
Family of App*のセグメント売上(広告収入、その他収入) | 317億ドル | 前年同期比11.8%増 |
---|---|---|
Reality Labの売上 | 2億7,600万ドル | 同▲38.9% |
総売上高 | 319.9億ドル | 同11%増 |
Family of Appのセグメント利益 | 131億ドル | 前年同期比17.6%増 |
---|---|---|
Reality Labの損益 | ▲37.79億ドル | 同▲33% |
営業利益 | 93.92億ドル | 同12.4%増 |
*注:Family of Appは Facebook, Instagram, Messenger, WhatsApp。
事業別の内訳は上記であるが、広告収入は前年同期比11.9%増の315億ドル、セグメント利益は同17.6%の131億ドルであった。AR/VRを手掛ける部門のReality Labの収入は同3.2%増の2億2,500万ドル、セグメント損益は同▲33%の▲37億7,900万ドルであった。
広告事業に関しては2022年4月にアップルが導入したアプリの端末情報の追跡制限によるSNS広告の効果低減により平均広告単価は下げ止まっていないが、Family of Appの広告事業(一部他売上も含む)の営業利益は1Q比12%増加した。広告単価は下落したが、広告数量は増加した。一方Reality Labは1Qに続きVR/ARヘッドセットQuest2の売上不振により大幅減収、人件費増等のコスト増で赤字拡大となった。
人員削減
2Qに従業員数は2Q比▲7%の71,400人となった。2Qでリストラ費用は税引き前で7億8,000万ドルを計上した。3月には3度目の人員削減を発表した。全社で1万人削減目標のうち約半分の人員削減は2Qまでに終了している。
財務状況、自社株買い
2Q末時点の現預金及び短期有価証券の残高は前年同期比32%増の534億ドルであった。営業キャッシュフローは同41.9%増の173億ドル、設備投資額は同▲17.9%の62億ドル、フリーキャッシュフローは同141%増の111億ドルとなった。
2Qにメタは7億9,300万ドル相当の自社株買いを行った。6月末時点で自社株買い枠残高は409.1億ドルである。
3Q のガイダンス
3Qの総売上は320億~345億ドルのレンジを会社側は予想している。売上予想の前提として現行の為替レートとすると売上にプラス3%の影響がある事としている。2023年の総コストは880億~910億ドルの予想をしている。このうち40億ドルは人員削減、設備統合等のリストラ関連の費用の予定である。設備投資は2023年の1年間で270億~300億ドルの予想をしている。内容はAI関連の投資である。Reality Labの赤字は通期で前期より拡大する予想である。
業績推移
Meta Platforms | 2Q2022 | 3Q2022 | 4Q2022 | 1Q2023 | 2Q2023 |
(単位:百万USD) | |||||
広告収入 | 28,152 | 27,237 | 31,438 | 28,306 | 31,498 |
その他収入* | 670 | 477 | 727 | 339 | 225 |
総売上高 | 28,822 | 27,714 | 32,165 | 28,645 | 31,999 |
売上原価 | 5,192 | 5,716 | 8,336 | 6,108 | 5,945 |
粗利益 | 23,630 | 21,998 | 23,829 | 22,537 | 26,054 |
粗利益率 | 82.0% | 80.8% | 74.1% | 78.70% | 81.4% |
研究開発費 | 8,690 | 9,170 | 9,771 | 9,381 | 9,344 |
営業、マーケティング費用 | 3,595 | 3,780 | 4,574 | 3,044 | 3,154 |
一般管理費 | 2,987 | 3,384 | 3,085 | 2,885 | 4,164 |
営業利益 | 8,358 | 5,664 | 6,399 | 7,227 | 9,392 |
営業利益率 | 29.0% | 20.4% | 20% | 25% | 29.4% |
営業外利益(費用)ネット | (172) | (88) | (250) | 80 | (99) |
税引前利益 | 8,186 | 5,576 | 6,149 | 7,307 | 9,293 |
法人税等 | 1,499 | 1,181 | 1,497 | 1,598 | 1,505 |
純利益 | 6,687 | 4,395 | 4,652 | 5,709 | 7,788 |
普通株主に帰属する純利益 | 6,687 | 4,395 | 4,652 | 5,709 | 7,788 |
完全希薄後株式数 | 2,713 | 2,687 | 2,640 | 2,596 | 2,612 |
完全希薄後EPS | 2.46 | 1.64 | 1.76 | 2.20 | 2.98 |
修正EBITDA | 10,397 | 10,973 | 11,783 | 12,802 | 16,075 |
修正EBITDAマージン | 36.1% | 39.6% | 36.6% | 44.7% | 50.2% |
営業キャッシュフロー | 12,196 | 9,691 | 14,511 | 13,998 | 17,309 |
設備投資額 | 7,572 | 9,518 | 9,043 | 7,087 | 6,216 |
フリーキャッシュフロー | 4,624 | 173 | 5,288 | 6,911 | 11,093 |
注:その他収入にReality Lab売上が含まれる。
(メタ・プラットフォームズ社決算資料に基づき株式会社pafin作成)
業績予想コンセンサス
1Q(実績) | 2Q(実績) | 3Q(予想) | 通期(予想) | |
売上高(百万USD) | 28,645 | 31,999 | 33,000 | 120,000 |
完全希薄化後EPS | 2.20 | 2.98 | 3.05 | 12.48 |
(株式会社pafin調べ)
投資判断
広告単価は下げ止まっていないが広告数量が増加した事で広告費収入が広告費収入及び利益が二桁増だったのはポジティブである。一方VR/ARのReality Labは大幅減収、赤字拡大と改善する気配がない。Instagramの新AppのThreadsが7月6日にサービス・ローンチしてから1週間もしないうちに登録者数が1億人を突破した。Instagramの月間ユーザー数は20億人と言われ、Twitterの月間ユーザー数の5億人の4倍と言われている。ユーザー基盤は大きいがこれからThreadsをどのようにマネタイズするかに注目している。
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