株価493.50USD(日中取引終値)
時価総額1.252兆USD(約194兆円)
自己資本比率67.1%
ROE 25.52%
ROIC 22.10%
PER(実績)33.36倍
PBR8.22倍
配当利回り0.4%
EV/EBITDA 20.83倍

*注:株価は2024/4/24時点。ROE、ROICは過去12カ月の実績数値。

2024年1Q決算結果

売上高364.5億ドル(約5兆6,497億円、前年同期比 27%増、4Q23比▲9%)
営業利益138億ドル (同91%、同▲16%)
営業利益率38% (同13pt増、同▲3pt)
四半期純利益124億ドル(同117%増、同▲12%)
希薄化後EPS4.71ドル

大幅増収増益の好決算であった。しかし、季節性で4Q23比では減収減益であった。メタではAIとアルゴリズムを広告配信に利用して最適化しているが、精度が上がりfamily(FB、Instagram、WhatsApp)の1Qのインプレッション数は前年同期比20%増、広告収入は同27%増、広告単価は同6%増であった。

メタは4Q22より人員削減、拠点の統合等のリストラを行ってきたが、4Q23でリストラを終了した。人員数は前年同期比▲10%、4Q23比3%増の69,329人となった。増収いリストラ効果もあり、営業利益率は前年同期比13pt改善、4Q23比▲3ptの38%、営業利益は前年同期比91%増、4Q23比▲16%の138億ドル、四半期純利益は前年同期比117%増、4Q23比▲12%の124億ドルとなった。

Facebook、Instagram、WhatsAppのfamilyの1Qのデイリー・アクティブ・ピープル数(DAP)は前年同期比7%増の32億4,000万人であった。Familyの一人当たり売上(ARPP)は同18%増の11.2ドルであった。

1Qの広告単価は前年同期比6%増となった。4Q23に続き2四半期連続広告単価の前年同期比の伸びがプラスとなった。

事業別内訳

Family of App*のセグメント売上(広告収入等)356億ドル前年同期比27%増4Q23比▲8%
Reality Labの売上4.4億ドル同30%増同▲59%
総売上高364.5億ドル同27%増同▲9%

 

Family of Appのセグメント利益176.6億ドル前年同期比57%増4Q23比▲16%
Reality Labの損益▲38.46億ドル同4%増同17%増
営業利益138億ドル同91%増同▲16%

 *注:Family of Appは Facebook, Instagram, Messenger, WhatsApp。

事業別の内訳は上記であるが、Familyの広告収入、その他は前年同期比27%増の356億ドル、セグメント利益は同57%増の176.6億ドルであった。AR/VRを手掛ける部門のReality Labの売上は同30%増の4.4億ドル、セグメント損益は同4%増の▲38億4,600万ドルであった。

平均広告単価は4Q23から回復し、1Qは前年同期比6%増となり、Family of Appのセグメント利益は同57%となったが、Reality Labの損益は若干改善してきてはいるものの、黒字化はほど遠い印象である。

財務状況、自社株買い、配当

1Q末時点の現預金及び短期有価証券の残高は前年同期比55%増の581億ドルであった。営業キャッシュフローは同37%増の192億ドル、設備投資額は同▲5%の67億ドル、フリーキャッシュフローは同1.8倍増の125億ドルとなった。

1Qにメタは146.4億ドル相当の自社株買い及び12.7億ドル相当の配当の支払いを行った。

2Q のガイダンス

2Qの総売上は365億~390億ドルのレンジを会社側は予想している。売上予想の前提として現行の為替レートで売上に前年同期比▲1%の影響を与える事としている。2024年通年の総コストは960億~990億ドルとし、4Q23決算発表時の数字より総コストの下限額を20億ドル引き上げた。総コスト引き上げの理由はインフラコストと訴訟費用である。設備投資は2024年通年で350億~400億ドルと従前見通しの300億~370億ドルより引き上げた。設備投資の増額はAIのロードマップを実現するためにインフラ整備を加速する為である。2024年は2023年より減価償却費が大幅に増加する予定である。Reality Labに関しては製品開発と設備投資で2024年は前年よりも営業損失が拡大する計画である。

    

業績推移     

Meta Platforms 1Q232Q233Q234Q231Q2024
(単位:百万USD)     
広告収入28,30631,49833,64339,04036,015
その他収入*3392252931,071440
総売上高28,64531,99933,93640,11136,455
売上原価6,1085,9456,2107,6956,640
粗利益22,53726,05427,72632,41629,815
粗利益率78.70%81.40%81.70%83.0%81.8%
研究開発費9,3819,3449,24110,5179,978
営業、マーケティング費用3,0443,1542,8773,2262,564
一般管理費2,8854,1642,0702,2893,455
営業利益7,2279,39213,74816,38413,818
営業利益率25%29.4%40.5%41.0%38%
営業外利益(費用)ネット80-99272424365
税引前利益7,3079,29314,02016,80814,183
法人税等1,5981,5052,4372,7911,814
普通株主に帰属する純利益5,7097,78811,58314,01712,369
完全希薄後株式数2,5962,6122,6412,6302,625
完全希薄後EPS2.22.984.395.334.71
      
営業キャッシュフロー13,99817,30920,40219,40419,246
設備投資7,0876,2166,5437,5926,400
ファイナンス・リースの元金支払い264220267307315
フリーキャッシュフロー6,91110,95513,63911,50512,531

注:その他収入にReality Lab売上が含まれる。

(メタ・プラットフォームズ社決算資料に基づき株式会社pafin作成)                   

業績予想コンセンサス(決算発表前時点)

 4Q(実績)1Q(実績)2Q(予想)
売上高(百万USD)40,11136,45538,290
完全希薄化後EPS5.33ドル4.71ドル4.76ドル

(株式会社pafin調べ)

投資判断

AIとアルゴリズムによる広告の最適化により、広告単価が4Q23に続き2四半期連続上昇し、前年同期比6%増となり増収増益を達成した。広告事業は順調に回復しているものの、AI関連の投資加速による設備投資増と減価償却負担増によりボトムラインの成長が今年度は鈍化する可能性がある。また、メタの日本支社のみであるが、詐欺広告の被害による訴訟も起きており、折角回復した広告事業にネガティブな影響を与えないかというのが不安材料である。

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