株価474.83USD(日中取引終値)
時価総額1.211兆USD(約181兆円)
自己資本比率68.1%
ROE 33.36%
ROIC 29.82%
PER(実績)26.65倍
PBR7.86倍
配当利回り0.43%
EV/EBITDA 17.27倍

*注:株価は2024/7/31時点。ROE、ROICは過去12カ月の実績数値。

2024年2Q決算結果

売上高390.7億ドル(約5兆8,605億円、前年同期比 22%増、1Q比7%増)
営業利益148億ドル (同58%増、同7%増)
営業利益率38% (同9pt増、同0.1pt増)
四半期純利益134.6億ドル(同73%増、同8.8%増)
希薄化後EPS5.16ドル

大幅増益の好決算であった。好調であった1Q比でも増収増益であった。メタではAIとアルゴリズムを広告配信に利用して最適化しているが、精度が上がりfamily(FB、Instagram、WhatsApp)の2Qのインプレッション数は前年同期比10%増、広告収入は同22%増、広告単価は同10%増であった。

メタは4Q22より人員削減、拠点の統合等のリストラを行ってきたが、4Q23でリストラを終了した。人員数は前年同期比▲1%、1Q比2%増の70,799人となった。増収にリストラ効果もあり、営業利益率は前年同期比9pt増、1Q比0.1pt増の38%、営業利益は前年同期比58%増、1Q比7%増の148億ドル、四半期純利益は前年同期比73%増、1Q比8.8%増の134.6億ドルとなった。

Facebook、Instagram、WhatsAppのfamilyの1Qのデイリー・アクティブ・ピープル数(DAP)は前年同期比7%増の32億7,000万人であった。Familyの一人当たり売上(ARPP)は同10%増の11.89ドルであった。

2Qの広告単価は前年同期比6%増となり、3四半期連続広告単価の前年同期比の伸びがプラスとなった。

事業別内訳

Family of App*のセグメント売上(広告収入等)383億ドル前年同期比22%増1Q比7.6%増
Reality Labの売上3.89億ドル同73%増同2%増
総売上高390.7億ドル同22%増同7%増

 

Family of Appのセグメント利益193億ドル前年同期比47%増1Q比9%増
Reality Labの損益▲44.88億ドル赤字拡大赤字拡大
営業利益148億ドル同58%増同7%増

 *注:Family of Appは Facebook, Instagram, Messenger, WhatsApp。

事業別の内訳は上記であるが、Familyの広告収入、その他は前年同期比22%増の383億ドル、セグメント利益は同47%増の193億ドルであった。AR/VRを手掛ける部門のReality Labの売上は同73%増の3.89億ドル、セグメント損益は赤字が拡大し▲44億8,800万ドルであった。

平均広告単価は4Q23から回復し、2Qは前年同期比6%増となり、Family of Appのセグメント利益は同47%となったが、Reality Labの損益は赤字が拡大し、黒字化はほど遠い印象である。

財務状況、自社株買い、配当

2Q末時点の現預金及び短期有価証券の残高は前年同期比▲11.2%の581億ドルであった。営業キャッシュフローは同11.9%増の193.7億ドル、設備投資額は同33%増の81.7億ドル、フリーキャッシュフローは同▲0.5%の109億ドルとなった。

2Qにメタは63.2億ドル相当の自社株買い及び12.7億ドル相当の配当の支払いを行った。

3Q のガイダンス

3Qの総売上は385億~4100億ドルのレンジを会社側は予想している。売上予想の前提として現行の為替レートで売上に前年同期比▲2%の影響を与える事としている。2024年通年の総コストは960億~990億ドルとしている。設備投資は2024年通年で370億~400億ドルと従前見通しより引き上げた。設備投資の増額はAIのロードマップを実現するためにインフラ整備を加速する為である。2024年は2023年より減価償却費が大幅に増加する予定である。Reality Labに関しては製品開発と設備投資で2024年は前年よりも営業損失が拡大する計画である。

    

業績推移     

Meta Platforms 2Q233Q234Q231Q242Q24
(単位:百万USD)     
広告収入31,49833,64339,04036,01538,718
その他収入*2252931,071440    353
総売上高31,99933,93640,11136,45539,071
売上原価5,9456,2107,6956,640  7,308
粗利益26,05427,72632,41629,81531,763
粗利益率81.40%81.70%83.0%81.8% 81.3%
研究開発費9,3449,24110,5179,97810,537
営業、マーケティング費用3,1542,8773,2262,564  2,721
一般管理費4,1642,0702,2893,455  3,658
営業利益9,39213,74816,38413,81814,847
営業利益率29.4%40.5%41.0%38%   38%
営業外利益(費用)ネット-99272424365   259
税引前利益9,29314,02016,80814,18315,106
法人税等1,5052,4372,7911,814  1,641
普通株主に帰属する純利益7,78811,58314,01712,36913,465
完全希薄後株式数2,6122,6412,6302,625  2,610
完全希薄後EPS2.984.395.334.71   5.16
      
営業キャッシュフロー17,30920,40219,40419,246 19,370
設備投資6,2166,5437,5926,400   8,173
ファイナンス・リースの元金支払い220267307315    299
フリーキャッシュフロー10,95513,63911,50512,531 10,898

注:その他収入にReality Lab売上が含まれる。

(メタ・プラットフォームズ社決算資料に基づき株式会社pafin作成)                   

業績予想コンセンサス(決算発表前時点)

 1Q(実績)2Q(実績)3Q(予想)
売上高(百万USD)36,45539,07136,190
完全希薄化後EPS4.71ドル5.16ドル4.51ドル

(株式会社pafin調べ)

投資判断

リストラにより利益が出やすい体質になり、AIの利用で広告精度が上がり、広告単価も3四半期連続上昇しており大幅増益の好決算であった。しかし、他のビッグテック同様AI関連の設備投資を加速しており、今年は減価償却負担増が利益の下押し要因ではある。しかし、予想PER23倍と割高感は全くない。

サムネイル画像クレジット:AM NIKOM/Shutterstock.com