株価 | 399.04USD(日中取引終値) |
時価総額 | 2.965兆USD(約460兆円) |
自己資本比率 | 52.3% |
ROE | 30.4% |
ROIC | 22.9% |
PER(実績) | 36.99倍 |
PBR | 12.76倍 |
配当利回り | 0.73% |
EV/EBITDA | 25.2倍 |
*注:株価は2024/4/25時点。ROE、ROICは2023/12/31時点
2024年3Q決算結果
売上高 | 619億ドル(約9兆5,945億円、前年同期比17%増、2Q比▲0.3%) |
営業利益 | 276億ドル (同23%増、同2%増) |
営業利益率 | 44.6%(同2.3pt増、同1.0pt増) |
四半期純利益 | 219億ドル(同20%増、同0.3%増) |
希薄化後EPS | 2.94ドル |
クラウド事業、ビジネスソフトウェア全体にAIを搭載した事により需要が伸び、増収増益の好決算であった。クラウドコンピューティングのAzureの売上の伸びは前年同期比31%増と市場予想を上回った。総売上高は前年同期比17%増の619億ドル、営業利益は同23%増の276億ドル、営業利益率は同2.3pt増の44.6%、四半期純利益は同20%増の219億ドル、希薄化後EPSは2.94ドルであった。
全体の粗利益率が同1.0pt上昇の70%となり、運営費用の伸びは売上の伸びより低く抑えた事により営業利益率は同2.3pt上昇の44.6%となった。運営費用の前年同期比10%の伸びのうち、9%は買収したゲーム会社アクティビジョン・ブリザード関連の費用であった。
3Q2024中にマイクロソフトは自社株買い28億ドルと配当56億ドルで計84億ドルを株主に還元した。
引き続き法人向け需要が好調であった。Dynamics365( Azure 上で提供されているSaaS型のCRMパッケージ)が同23%増、Office365は同15%増であった。
セグメント別内訳
- Productivity & Business Processes事業:法人および個人顧客向けの”Office”、”Office 365”、”Dynamics”と”Dynamics CRM Online”等。
セグメント売上高 | 195.7億ドル | 前年同期比11.7%増 |
セグメント利益 | 101.4億ドル | 同17.4%増 |
セグメント利益率 | 51.8% | 同2.5pt増 |
Office365の好調に牽引されセグメント売上は前年同期比11.7%伸びた。粗利益率は若干低下したが、粗利益は同11%増加した。会計方針の変更の影響を除くと粗利益率はOffice365の改善により若干上昇した。クラウド・エンジニアリング投資により運営費用は同1%増加し、セグメント利益は同17.4%増加した。
- Inteligent Cloud事業:”Windows Server” ”SQL Server””System Center” ”Azure””Enterprise Services”などのサーバ製品およびサービス等。
セグメント売上高 | 267.1億ドル | 同21%増 |
セグメント利益 | 125.1億ドル | 同32%増 |
セグメント利益率 | 46.8% | 同3.9pt増 |
Azure他の高い伸びに牽引されてセグメント売上は前年同期比21%増加した。粗利益率は若干低下したが、粗利益は同20%増加した。Azureの売上の伸びによる売上ミックスは若干悪化したものの、AIインフラのスケーリングによりAzureの粗利益率は改善した。Azure関連の投資により運営費用は同1%増加し、セグメント利益は32%増加した。
- More Personal Computing事業:”Windows”OSのライセンス収入、”Surface”や等のデバイス類、”Xbox”などのゲーム製品、検索型広告等
セグメント売上高 | 155.8億ドル | 同17%増 |
セグメント利益 | 49.2億ドル | 同16%増 |
セグメント利益率 | 31.6% | 同▲0.4% |
セグメント売上高の前年同期比の伸び17%のうち15%はアクティビジョン・ブリザードの売上貢献によるものである。粗利益は同27%増、そのうち13%はアクティビジョン・ブリザードの貢献であった。運営費用は同41%増であったが、主にアクティビジョン・ブリザード関連であった。セグメント利益は同16%増となった。
4Q2024のガイダンス
4Qの事業別の売上のガイダンスはProductivity & Business Processes事業の売上が199~202億ドル、Inteligent Cloud事業の売上が284~287億ドル、More Personal Computing事業の売上は152~156億ドルを予想をしている。
為替が現状のままと仮定して売上原価は買収した米ゲームソフトウェア会社Activisionの無形資産の減価償却費用7億ドルを含み196~198億ドル、営業費用はActivisionの統合費用、仕入れ会計の調整3億ドルを含み171.5~172.5億ドル、営業外損益は約8.5億ドルの営業外費用を想定している。また法人税率は約18%の予定である。
業績推移
Microsoft | 3Q23 | 4Q23 | 1Q24 | 2Q24 | 3Q24 |
(単位:百万USD) | |||||
総売上高 | 52,857 | 56,189 | 56,517 | 62,020 | 61,858 |
売上原価 | 16,128 | 16,795 | 16,302 | 19,623 | 18,505 |
粗利益 | 36,729 | 39,394 | 40,215 | 42,397 | 43,353 |
粗利益率 | 69.50% | 70.10% | 71.20% | 68.36% | 70.08% |
研究開発費 | 6,984 | 6,739 | 6,659 | 7,142 | 7,653 |
営業、マーケティング費用 | 5,750 | 6,204 | 5,187 | 6,246 | 6,207 |
一般管理費 | 1,643 | 2,197 | 1,474 | 1,977 | 1,912 |
減損とリストラ費用 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
営業利益 | 22,352 | 24,254 | 26,895 | 27,032 | 27,581 |
営業利益率 | 42.30% | 43.20% | 47.60% | 43.59% | 44.59% |
営業外利益(費用)ネット | 321 | 473 | 389 | -506 | -854 |
税引前利益 | 22,673 | 24,727 | 27,284 | 26,526 | 26,727 |
法人税等 | 4,374 | 4,646 | 4,993 | 4,656 | 4,788 |
普通株主に帰属する純利益 | 18,299 | 20,081 | 22,291 | 21,870 | 21,939 |
完全希薄後EPS | 2.45 | 2.69 | 2.99 | 2.93 | 2.94 |
営業キャッシュフロー | 24,441 | 28,770 | 30,583 | 18,853 | 31,917 |
設備投資額 | 6,607 | 8,943 | 9,917 | 9,735 | 10,952 |
フリーキャッシュフロー | 17,834 | 19,827 | 20,666 | 9,118 | 20,965 |
(注:マイクロソフト社決算資料に基づき株式会社pafin作成)
業績予想コンセンサス(決算発表前時点)
2Q実績 | 3Q実績 | 4Q予想 | |
売上高(百万USD) | 62,020 | 61,858 | 60,250 |
EPS | 2.93 | 2.94 | 2.69 |
(注:株式会社pafin調べ)
投資判断
Azureの売上の31%増と高い伸びに牽引され、売上、利益ともに2桁増の好決算であった。Azure Arc(Azure以外で稼働している仮想/物理サーバーをAzureポータルを通して一元管理するためのサービス)のユーザーは前年同期比二倍以上の33,000社となった。Azureやその他クラウド・サービスに加えてDynamics365はAIを利用し顧客管理や財務管理のCopilotという機能を提供しており、前年同期比の売上が23%と高い伸びを達成した。
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