株価 | 643.04USD(日中取引終値) |
時価総額 | 2,770.8億USD(約43.5兆円) |
自己資本比率 | 45.0% |
ROE | 29.8% |
ROIC | 15.23% |
PER(実績) | 44.89倍 |
PBR | 13.07倍 |
配当利回り | N/A |
EV/EBITDA | 12.55倍 |
*株価は2024/7/18時点。過去12カ月のEPS実績値を使ってのPER。
2024年2Q決算結果
売上高 | 95億5,900万ドル(約1兆5,030億円、前年同期比16.8%増、1Q比2%増) |
営業利益 | 26億300万ドル(同42.5%増、同▲1.1%) |
営業利益率 | 27.2%(同4.9pt増、同▲0.9pt) |
四半期純利益 | 21億4,700万ドル(同44.3%増、同▲7.9%) |
希薄化後EPS | 4.88ドル |
会員数 | 2億7,765万人(前年同期比16.5%増、1Q比3%増) |
2024年2Qのネットフリックスの決算は売上、EPSともに市場予想を上回り、2Qの会員増加数は前年同期比36.7%増の805万人増の2億7,765万人と過去最高の会員数を更新した。しかし、2Qの売上高見通しが市場予想を下回った事から時間外取引で株価は若干下落した。
売上高は前年同期比16.8%増、1Q比2%増の95億5,900万ドル、営業利益は同42.5%増、同▲1.1%の26億300万ドル、営業利益率は同4.9pt増、同▲0.9%の27.2%、四半期純利益は同44.3%増、同▲7.9%増の21億4,700万ドル、希薄化後EPSは4.88ドルであった。
広告付きプランを開始して18か月が経過したが、2Q時点で新規会員の45%を占めた。新規有料会員数は前年同期比16%増と会社計画を上回り、総売上高は期初のガイダンスを1%上振れし、ARM(会員一人当たり売上)は前年同期比1%増、為替の影響を排除すると同5%増であった。
2Qの地域別内訳は以下の通りである。
アメリカ・カナダでは売上は前年同期比7%増の42億9,600万ドル、会員数は同1.9%増の8,411万人、ARMは同7.3%増の17.17ドルであった。
ヨーロッパ・中東・アフリカでは売上は同17.4%増の30億800万ドル、会員数は同17.7%増の9,396万人、ARMは同▲0.6%増の10.8ドルであった。
ラテンアメリカでは売上は同11.8%増の12億400万ドル、会員数は同16%増の4,925万人、ARMは同▲3%増の8.28ドルであった。
アジア・太平洋では売上は同14.5%増の10億5,200万ドル、会員数は同24.1%増の5,032万人、ARMは同▲6.4%の7.17ドルであった。アジア・太平洋地域に関しては広告付き低額プランの他にインド市場をターゲットに戦略的に低価格に設定しているという事情がある。
キャッシュフロー、資本構成
2Qの営業キャッシュフローは前年同期比▲7.1%、1Q比▲41.7%の12億9,100万ドルとなった。フリーキャッシュフローは同▲9.4%、同▲43.2%の12億1,300万ドルとなった。
2Q末時点でのグロス有利子負債は140億ドルで、現預金、短期有価証券は67億ドルであった。向こう12か月で償還となる社債が18億ドル相当あるが、リファイナンスする予定である。
2Q中に16億ドル相当、260万株の自社株買いを実行し、自社株買い枠の残高は50億ドルである。
2024年通年のフリーキャッシュフロー計画は60億ドル、コンテンツ投資は170億ドルを上限としている。
ネットフリックスは過去数年、資本政策の規律を守ってきた。グロス有利子負債は100億~150億ドル、現預金は売上の2か月分を守った上で、オーガニック成長を補完するようなM&Aを選別して行い、超過収益を自社株買いを通じて株主に還元する。
3Q2024ガイダンス
3Q2024のガイダンスは売上が前年同期比14%増、為替の影響を排除すると同19%増であるが、アルゼンチンでの高インフレとアルゼンチンペソの下落が主な要因である。3Qの新規有料会員数は2Qより低下、グローバルでのARMは前年同期比ほぼフラットと計画している。
上半期を終了して、2024年通期の会社計画は2Q末の為替レートを前提として売上高を前年比13~15%増から14~15%増、営業利益率を25%から26%へと上方修正した。
業績推移
Netflix | 2Q23 | 3Q23 | 4Q23 | 1Q24 | 2Q24 |
(単位:百万USD、EPSを除く) | |||||
売上高 | 8,187 | 8,542 | 8,832 | 9,370 | 9,559 |
売上原価 | 4,673 | 4,930 | 5,307 | 4,977 | 5,174 |
マーケティング費用 | 627 | 558 | 917 | 654 | 644 |
テクノロジー開発費用 | 658 | 657 | 673 | 702 | 711 |
一般管理費 | 401 | 479 | 439 | 404 | 427 |
営業利益 | 1,827 | 1,916 | 1,496 | 2,633 | 2,603 |
営業利益率 | 22.3% | 22.4% | 16.9% | 28.1% | 27.2% |
営業外収益(費用) | |||||
支払利息 | (175) | (175) | (175) | (137) | (168) |
受取利息、その他収益 | 27 | 168 | (173) | 155 | 79 |
税引前利益 | 1,679 | 1,909 | 1,148 | 2,615 | 2,514 |
法人税等 | (192) | (232) | (210) | (282) | (367) |
普通株主に帰属する純利益 | 1,488 | 1,677 | 938 | 2,332 | 2,147 |
完全希薄後株式数 | 452 | 450 | 444 | 442 | 439.7 |
完全希薄後EPS | 3.29 | 3.73 | 2.11 | 5.28 | 4.88 |
営業キャシュフロー | 1,440 | 1,992 | 1,663 | 2,213 | 1,291 |
フリーキャッシュフロー | 1,339 | 1,888 | 1,581 | 2,137 | 1,213 |
(注:Netflix社決算資料に基づき株式会社pafin作成)
業績予想コンセンサス(決算発表前時点)
1Q24 | 2Q24 | 3Q24(E) | |
売上高(百万USD) | 9,370 | 9,559 | 9,820 |
完全希薄化後EPS | 5.28ドル | 4.88ドル | 5.00ドル |
(注:株式会社pafin調べ)
投資判断
広告付き低額プラン投入の成功、中南米で顕著であったパスワードの共有の取り締まりが浸透し、増収増益基調が定着し、広告収入も順調に伸長し、ストリーミング市場のトップシェアをキープしているネットフリックスであるが、来年1Qからの会員数とARMの発表の中止と高過ぎる株価バリュエーションがネガティブ材料であるだろう。
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