株価687.65USD(日中取引終値)
時価総額2,951億USD(約44兆円)
自己資本比率43.5%
ROE 31.57%
ROIC 16.41%
PER(実績)43.85倍
PBR13.62倍
配当利回りN/A
EV/EBITDA 12.86倍

*株価は2024/10/17時点。過去12カ月のEPS実績値を使ってのPER。 

2024年3Q決算結果

売上高98億2,500万ドル(約1兆4,7370億円、前年同期比15%増、2Q比2.8%増)
営業利益29億900万ドル(同51.8%増、同11.8%増)
営業利益率29.6%(同7.2pt増、同2.4pt増)
四半期純利益23億6,400万ドル(同41%増、同10.1%増)
希薄化後EPS5.40ドル
会員数 2億8,272万人(前年同期比14.4%増、2Q比1.8%増)

2024年3Qのネットフリックスの決算は売上、EPSともに市場予想を上回り、3Qの会員増加数は前年同期比14.4%増の507万人増の2億8,272万人と過去最高の会員数を更新した。4Qの売上高、EPS見通し共に市場予想を上回った事から時間外取引で株価は4%近く上昇した。

売上高は前年同期比15%増、2Q比2.8%増の98億2,500万ドル、営業利益は同51.8%増、同11.8%の29億900万ドル、営業利益率は同7.2pt増、同2.4pt増の29.6%、四半期純利益は同41%増、同10.1%増の23億6,400万ドル、希薄化後EPSは5.40ドルであった。

広告付き低額プランを開始して2年近くが経過したが、3Qでは前年同期比35%増加した。新規有料会員数は前年同期比14.4%増の2億8,272万人となった。ARM(会員一人当たり売上)は前年同期比フラット、為替の影響を排除すると同5%増であった。

3Qの地域別内訳は以下の通りである。

アメリカ・カナダでは売上は前年同期比15.7%増の43億2,200万ドル、会員数は同9.7%増の8,480万人、ARMは同5%増の17.06ドルであった。

ヨーロッパ・中東・アフリカでは売上は同16.3%増の31億3,300万ドル、会員数は同14.8%増の9,613万人、ARMは同フラットの10.99ドルであった。

ラテンアメリカでは売上は同8.6%増の12億4,100万ドル、会員数は同12.7%増の4,918万人、ARMは同▲5%増の8.40ドルであった。

アジア・太平洋では売上は同19%増の11億2,800万ドル、会員数は同24%増の5,260万人、ARMは同▲4%の7.31ドルであった。アジア・太平洋地域に関しては広告付き低額プランの他にインド市場をターゲットに戦略的に低価格に設定しているという事情がある。

キャッシュフロー、資本構成

3Qの営業キャッシュフローは前年同期比16.5%増、2Q比80%増の23億2,100万ドルとなった。フリーキャッシュフローは同16.2%増、同81%増の21億9,400万ドルとなった。

3Q中に18億ドル相当の社債を発行したためにグロス有利子負債は160億ドルとなったが、純有利子負債は68億ドルに低下した。社債で調達した資金は使い向こう12か月で償還となる社債に使う予定である。

3Q中に17億ドル相当、260万株の自社株買いを実行し、自社株買い枠の残高は31億ドルである。

2024年通年のフリーキャッシュフロー計画は60億~65億ドル、コンテンツ投資は170億ドルを上限としている。

ネットフリックスは過去数年、資本政策の規律を守ってきた。グロス有利子負債は100億~160億ドル、現預金は売上の2か月分を守った上で、オーガニック成長を補完するようなM&Aを選別して行い、超過収益を自社株買いを通じて株主に還元する。

4Q2024ガイダンス

4Q2024のガイダンスは売上が前年同期比15%増、為替の影響を排除すると同17%増、営業利益率は同5pt増の22%と想定している。4Qの新規有料会員数は3Qより増加と予想している。

2024年通期の会社計画は3Q末の為替レートを前提として売上高を15%増、営業利益率を27%とした。

 

業績推移

Netflix3Q234Q231Q242Q243Q24
(単位:百万USD、EPSを除く)     
      
売上高8,5428,8329,3709,5599,825
売上原価4,9305,3074,9775,1745,120
マーケティング費用558917654  644643
テクノロジー開発費用657673702  711735
一般管理費479439404  427417
営業利益1,9161,4962,633 2,6032,909
営業利益率22.4%16.9%28.1%  27.2%29.6%
営業外収益(費用)     
 支払利息(175)(175)(137)(168)(185)
 受取利息、その他収益168 (173)155    79 (22)
税引前利益1,9091,1482,615 2,5142,703
法人税等(232)(210)(282) (367) (339)
普通株主に帰属する純利益1,6779382,332  2,1472,364
完全希薄後株式数450444442 439.7437.9
完全希薄後EPS3.732.115.28   4.885.40
      
営業キャシュフロー1,9921,6632,2131,2912,321
フリーキャッシュフロー1,8881,5812,1371,2132,194

(注:Netflix社決算資料に基づき株式会社pafin作成)

業績予想コンセンサス(決算発表前時点)

 1Q242Q243Q244Q24(E)
売上高(百万USD)9,3709,5599,82510,040
完全希薄化後EPS5.28ドル4.88ドル5.40ドル3.91ドル

(注:株式会社pafin調べ)

投資判断

広告付き低額プラン投入の成功、パスワード共有の取り締まりが浸透し、増収増益基調が定着し、広告収入も順調に伸長し、魅力的なコンテンツのラインナップで新規会員増、ストリーミング市場のトップシェアをキープと第二の成長ステージと言ってよいだろう。唯一の懸念材料は来年1Qからの会員数とARMの発表の中止である。

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