株価949.5USD(日中取引終値)
時価総額2.336兆USD(約364兆円)
自己資本比率63.8%
ROE 91.46%
ROIC N/A
PER(実績)79.95倍
PER(予想)38.76倍
PBR54.59倍
配当利回り0.02%
EV/EBITDA 65.52倍

                        *注:株価は2024/5/22時点。ROEは2024/1/28時点の過去12カ月の実績数値。

2025年1Q決算結果

Non-GAAP

売上高260億ドル(約405億円、前年同期比3.6倍増、4Q24比18%増)
粗利率78.9%(同12.1pt増、同2.2pt増)
営業利益181億ドル(同5.9倍増、同22%増)
営業利益率69.3%(同26.9pt増、同2.6pt増)
四半期純利益152億ドル(同5.6倍増、同18.7%増)
希薄化後EPS6.12ドル

売上、EPSともに大幅に市場予想を上回り過去最高益を更新した決算であった。1Qの売上高は前年同期比3.6倍増の260億ドル、粗利率は同12.1pt上昇の78.9%、営業利益は同5.9倍増の181億ドル、営業利益率は同26.9pt上昇の69.3%、四半期純利益は同5.6倍増の152億ドルであった。データセンター売上は同5.3倍増の226億ドルとなり総売上高の86.6%を占めた。

決算結果と同時に2024/6/7付けで1対10の株式分割、配当は分割後一株当たり0.05ドルと増配を発表した。

 

セグメント別売上の推移と概況

セグメント別売上1Q242Q243Q244Q241Q25
(単位:百万USD)     
データセンター4,28410,32314,51418,40422,563
ゲーム2,2402,4862,8562,8652,647
プロフェッショナル・ヴィジュアライゼーション295379416463427
自動車296253261281329
OEM、その他7766739078
合計7,19213,50718,12022,10326,044

 

データセンター売上

データセンター売上は前年同期比5.3倍増、4Q24比23%増の225億6,300万ドルと過去最高売上を記録した。データセンター売上の構成比率は86.6%と4Q24の83.3%より3.3pt上昇した。データセンター売上はHopperプラットフォーム上の生成AIのトレーニングと推論の強い需要により大きく伸長した。生成 AI は、クラウド ・サービス・プロバイダーのみならず、コンシューマー向けインターネット企業、事業会社、国家によるAIプロジェクト、自動車、ヘルスケアの顧客にまで拡大し、複数の数十億ドル規模の垂直市場を生み出している。

3月に年次カンファレンス「GTC2024」でAI向けプラットフォーム「Blackwell」を発表した。Blackwellは兆パラメータでリアルタイム生成AIを構築および実行できるようになるとしている。同時に兆パラメータとAIインフラストラクチャ用に最適化したInfiniBand及びEthernet向けのNVIDIA QuantumとNVIDIA Spectrum X800シリーズのスイッチを発表した。

同日、TSMCとSynopsysが次世代の高度な半導体チップの製造を加速し、物理学の限界を押し上げるためにNVIDIAのコンピュテーショナル・リソグラフィ・プラットフォーム「NVIDIA cuLitho」を使用して生産を開始すると発表した。

世界中の 9 台の新しいスーパーコンピューターが Grace Hopper Superchips を使用して、AI スーパーコンピューティングの新時代を切り開くと発表した。また、世界で最もエネルギー効率に優れたスーパーコンピューターのGreen500リストの上位3台のマシンにGrace Hopper Superchipsが搭載されている事を発表した。

生成AIのイノベーションを推進するためにAWS、Google Cloud、Microsoft、Oracleとの協業を拡大した。Johnson & Johnson MedTech と協力し、手術をサポートする AI 機能を導入した。

 

ゲーム売上

ゲーム向け売上は前年同期比18%増、4Q24比▲7.6%の26億4,700万ドルであった。GDC(Game Developers Conference)でNVIDIA ACEとNeural Graphicsの新しいAIゲームテクノロジーを発表した。

NVIDIA GeForce RTX AI PCおよびワークステーションで最大のパフォーマンスを実現するために、Windows向けの新しいAIパフォーマンスの最適化と統合を発表した。

Star Wars OutlawsやBlack Myth WukongなどRTXテクノロジーを組み込んだブロックバスター・ゲームを発表した。

ChatRTX に、Google の Gemma を含む新しいモデルのサポートが追加された。これにより、RTX 搭載の Windows PC およびワークステーションにチャットボット機能が追加された。 

 

プロフェッショナル・ビジュアライゼーション売上

プロフェッショナル・ビジュアライゼーションの売上は、前年同期比45%増加、4Q24比▲7.8%の4億2,700万ドルであった。

AI 強化ワークフロー向けに、NVIDIA RTX™ 500 および 1000 プロフェッショナル Ada 世代ノート PC GPU を導入した。

NVIDIA Ampere アーキテクチャをベースとしたデスクトップ ワークステーション向けの NVIDIA RTX A400 および A1000 GPU を発表した。

シーメンスとのパートナーシップの拡大や、Apple Vision Pro 向けの新しいフレームワークなど、産業用デジタル ツイン ソフトウェア ツールを強化する NVIDIA Omniverse™ Cloud API を導入した。

高解像度の全球気候シミュレーションのために、The Weather Company と台湾中央気象局が新しい Earth-2 クラウド API を採用することを発表した。

自動車売上

自動車向売上は前年同期比11%増、4Q24比17%増の3億2,900万ドルであった。

BYD、XPENG、GAC の AION Hyper、Nuro などが、次世代の消費者向けおよび商用電気自動車の車両群に Blackwell GPU アーキテクチャを搭載した次世代 NVIDIA DRIVE Thor™ プラットフォームを採用したことを発表した。

米国と中国の電気自動車メーカー Lucid と IM Motors が、欧州市場をターゲットとした車両モデルに NVIDIA DRIVE Orin™ プラットフォームを使用していることが明らかになった。

多数のパートナーが NVIDIA の生成 AI テクノロジを使用して車内エクスペリエンスを変革していることを発表した。

Project GR00T 基盤モデルをヒューマノイドロボットに導入し、Isaac ロボットプラットフォームは主要なアップデートがあった。

2Q25のガイダンス

売上高は280億ドル±2%。粗利率はGAAPベースで74.8%、Non-GAAPベースで75.5%±0.5%。営業費用はGAAPベースで40億ドル、Non-GAAPベースで28億ドルを予定している。営業外損益はGAAPベース、Non-GAAPベースともに3億の予定で持分法適用会社の損益を除く金額である。税率は17%、±1%を予定している。

                             

業績推移

Nvidia1Q242Q243Q244Q241Q25
(単位:百万USD)     
売上高7,19213,50718,12022,10326,044
売上原価2,5444,0454,7205,3125,638
粗利益4,6489,46213,40016,79120,468
粗利率64.6%70.1%74.0%76.0%78.6%
 研究開発費1,8752,0402,2942,4652,720
 販管費633622689711777
営業費用2,5082,6622,9833,1763,497
営業利益2,1406,80010,41713,61516,909
金利収入150187234294359
支払金利(66)(65)(63)(63)(64)
その他(15)59 (66)260 75 
営業外収益(費用)ネット69181105491370
税引前利益2,2096,98110,52214,10617,279
法人税(166)(793)(1,279)(1,821)(2,398)
純利益2,0436,1889,24312,28514,881
完全希薄化後株式数2,4902,4992,4942,4902,489
完全希薄化後EPS0.822.483.714.935.98

    (注:エヌビディア社決算資料に基づき株式会社pafin作成)

    

業績予想コンセンサス(決算発表前時点)       

 

 4Q241Q252Q25(E)
売上高(百万USD)22,10326,04426,660
完全希薄化後EPS5.166.126.67

                      (注:株式会社pafin調べ)

投資判断

生成AIブームは益々加速し、データセンター売上が総売上高の86.6%、全体の粗利率は78.9%まで上昇し、営業利益は前年同期比5.9倍増と引き続きAI半導体で圧倒的な強さを見せた決算であった。1Qは生成AIに特化した新アーキテクチュアの「Blackwell」を発表したが、それでもフラッグシップの「H100」の需要は低下せず粗利率は過去最高となり、しばらくはエヌビディア一強の状況が継続すると考えている。

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