株価125.61USD(日中取引終値)
時価総額3.09兆USD(約446兆円)
自己資本比率68.2%
ROE 115.66%
ROIC 144.28%
PER(実績)75.07倍
PER(予想)48.31倍
PBR64.22倍
配当利回り0.03%
EV/EBITDA 61.88倍

  *注:株価は2024/8/28時点。エヌビディアは2024/6/10に1対10の株式分割を行った。ROE、ROIC は過去12カ月の実績数値。

2025年2Q決算結果

Non-GAAP

売上高300億ドル(前年同期比122%増、1Q25比15%増)
粗利率75.7%(同4.5pt増、同▲3.2pt)
営業利益199億ドル(同156%増、同10%増)
営業利益率66.4%(同8.8pt増、同▲2.9pt)
四半期純利益169.5億ドル(同152%増、同11%増)
希薄化後EPS0.68ドル

売上、EPSともに市場予想を上回り過去最高益を更新した決算であった。2Qの売上高は前年同期比122%増の300億ドル、粗利率は同4.5pt上昇の75.7%、営業利益は同156%増の199億ドル、営業利益率は同8.8pt上昇の66.4%、四半期純利益は同152%増の169.5億ドルであった。データセンター売上は同2.5倍増の262.7億ドルとなり総売上高の87.5%を占めた。

エヌビディアは上半期に株主に対して自社株買いと配当で154億ドルを還元した。2Q末時点で自社株買い枠の残高は75億ドルであるが、追加で500億ドルの自社株買いを発表した。

 

セグメント別売上の推移と概況

セグメント別売上2Q243Q244Q241Q252Q25
(単位:百万USD)     
データセンター10,32314,51418,40422,56326,272
ゲーム2,4862,8562,8652,647 2,880
プロフェッショナル・ヴィジュアライゼーション379416463427   454
自動車253261281329   346
OEM、その他66739078     88
合計13,50718,12022,10326,04430,040

 

データセンター売上

データセンター売上は前年同期比2.5倍増、1Q比16%増の262.7億ドルと過去最高売上を記録した。データセンター売上の構成比率は87.5%と1Qの86.6%より0.9pt上昇した。

NVIDIA H200 Tensor Core と NVIDIA Blackwell アーキテクチャ B200 Tensor Core プロセッサの組み合わせが、推論に関する最新の業界標準 MLPerf ベンチマーク結果でトップに立ったことを発表した。

エヌビディアが出資するGPUクラウドプロバイダーのCoreWeave社でH200 GPU搭載システムが利用可能になった。

GIGABYTE、QCT、Wiwynn などのトップメーカーのCPU、ネットワーク、インフラストラクチャを搭載した NVIDIA Grace™  Blackwell システムを発表した。

クラウド サービス プロバイダー、GPU クラウド プロバイダー、および自社のサービスに組み込んでいるパートナー企業によって、NVIDIA Spectrum-X™ Ethernet ネットワーキング プラットフォームが幅広く採用されていると報告された。

NVIDIA NIM™ をリリースし、世界中の開発者に広く提供し、150 社を超える企業がマイクロサービスをプラットフォームに統合して生成 AI アプリケーションの開発を加速していることを発表した。

NVIDIA DGX™ Cloud 上の NIM マイクロサービスを利用した Hugging Face (機械学習アプリケーションを作成するツールを開発するアメリカ企業)による推論サービスを発表し、開発者が一般的な大規模言語モデルを展開できるようにした。

Llama 3.1 モデル (Metaが開発した最新の大規模言語モデル)を使用して、世界中の企業向けに生成 AI を加速する NVIDIA AI Foundry サービスと NIM 推論マイクロサービスを導入した。

日本の国立研究開発法人産業技術総合研究所はH200 GPU と NVIDIA Quantum-2 InfiniBand ネットワークを統合した ABCI 3.0 スーパーコンピューターにより、独自の AI 機能を強化したと発表した。

オープンソースの NVIDIA CUDA-Q™ プラットフォームを使用して、世界中の国立スーパーコンピューティング センターでの量子コンピューティングの取り組みを加速した。

 

ゲーミング&AI PC売上

今四半期から事業名称を変更した。ゲーミング&AI PC売上は前年同期比16%増、1Q比9%増の28億8,000万ドルであった。

デジタル ヒューマンに命を吹き込む生成 AI テクノロジーのスイートである NVIDIA ACE を発表した。これに、デバイス上の推論用の小型言語モデルである NVIDIA Nemotron-4 4B が含まれ、RTX AI PC 向けの早期アクセスとして利用可能になった。 

ゲーマーやクリエイターをリアルタイムで支援する AI エージェントのパワーを実証するテクノロジー プレビュー、Project G-Assist を導入した。

『インディ・ジョーンズ・アンド・ザ・グレート・サークル』、『デューン:覚醒』、『ドラゴンエイジ:ヴェールガード』など、新しい NVIDIA GeForce RTX および DLSS タイトルを発表し、RTX ゲームとアプリの総数は 600 を超えた。

GeForce NOW のゲーム数が 2,000 を超え、サービスを日本に拡大し、『Black Myth: Wukong』と『Star Wars Outlaws』の発売を発表した。

 

プロフェッショナル・ビジュアライゼーション売上

プロフェッショナル・ビジュアライゼーションの売上は、前年同期比20%増加、1Q比6.3%増の4億5,400万ドルであった。

ワークフローと産業用デジタルツインおよびロボットの開発を加速するために、OpenUSD 用の生成 AI モデルと NIM マイクロサービスを導入した。

台湾の大手電子機器メーカーが、NVIDIA Metropolis ビジョン AI、NVIDIA Omniverse™ シミュレーション、NVIDIA Isaac™ AI ロボット開発を組み合わせた新しいリファレンス ワークフローを使用して、より自律的な工場を構築していると発表した。

 

自動車&ロボティクス売上

今四半期より事業名称を変更した。自動車&ロボティクス売上は前年同期比37%増、1Q比5%増の3億4,600万ドルであった。

BYD Electronics、Siemens、Teradyne Robotics など、ロボット開発の世界的リーダーが、研究開発と生産に Isaac ロボット プラットフォームを採用すると発表された。

物理的に正確なセンサー シミュレーションを可能にし、自律マシンの開発を加速する Omniverse Cloud Sensor RTX™ マイクロサービスを発表した。

自動運転車開発のための物理的で生成的な AI アプリケーションの構築における進歩により、Computer Vision and Pattern Recognition カンファレンスの End-to-End Driving at Scale 部門で Autonomous Grand Challenge を受賞した。

 

3Q25のガイダンス

売上高は325億ドル±2%。粗利率はGAAPベース、Non-GAAPベースで74.4%と75.0%の間で±0.5pt、通年では70%台半ばの予定。営業費用はGAAPベース、Non-GAAPベースで30億ドル~43億ドルを予定している。通年の営業費用は前期比40%台半ばから後半まで増加する予定である。営業外損益はGAAPベース、Non-GAAPベースともに3.5億ドルの予定で持分法適用会社の損益を除く金額である。税率は17%、±1%を予定している。

                             

業績推移

GAAP

Nvidia2Q243Q244Q241Q252Q25
(単位:百万USD)     
売上高13,50718,12022,10326,04430,040
売上原価4,0454,7205,3125,638  7,466
粗利益9,46213,40016,79120,46822,574
粗利率70.1%74.0%76.0%78.6%  75.1%
 研究開発費2,0402,2942,4652,720 3,090
 販管費622689711777     842
営業費用2,6622,9833,1763,497  3,932
営業利益6,80010,41713,61516,90918,642
金利収入187234294359    444
支払金利(65)(63)(63)(64)    (61)
その他59 (66)260 75     189
営業外収益(費用)ネット181105491370    572
税引前利益6,98110,52214,10617,279 19,214
法人税(793)(1,279)(1,821)(2,398)  (2,615)
純利益6,1889,24312,28514,881 16,599
完全希薄化後株式数2,4992,4942,4902,489 24,848
完全希薄化後EPS2.483.714.935.98    0.67

    (注:エヌビディア社決算資料に基づき株式会社pafin作成)

    

投資判断

最高益を更新した好決算であった。先月からAI関連株に対して利益の低下懸念からマーケットでは売られている中でエヌビディア株は8/7の終値が98.91ドルだったのが8/19の終値で130ドルと2週間もしない間に31%も上昇した。10-Qの開示によると地域別売上でアメリカの1Qの売上が134.96億ドルだったが2Qに130.22億ドルと3.5%減少した事はリスクであると考えている。一時的なものかどうか顧客企業の設備投資動向が気になるがエヌビディア株に関しては慎重になった方が良いと考えている。

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