株価145.89USD(日中取引終値)
時価総額3.579兆USD(約555兆円)
自己資本比率68.6%
ROE 123.77%
ROIC 162.59%
PER(実績)68.92倍
PER(予想)37.45倍
PBR62.01倍
配当利回り0.03%
EV/EBITDA 56.87倍

  *注:株価は2024/10/20時点。エヌビディアは2024/6/10に1対10の株式分割を行った。ROE、ROICは過去12カ月の実績数値。

2025年3Q決算結果

Non-GAAP

売上高350.82億ドル(前年同期比94%増、2Q25比17%増)
粗利率75.0%(同3.8pt増、同▲0.7pt)
営業利益232.76億ドル(同101%増、同17%増)
営業利益率66.3%(同2.5pt増、同▲0.1pt)
四半期純利益200.1億ドル(同100%増、同18%増)
希薄化後EPS0.81ドル

売上、EPSともに市場予想を上回り過去最高益を更新した決算であった。3Qの売上高は前年同期比94%増の350.82億ドル、粗利率は同3.8pt上昇の75.0%、営業利益は同101%増の232.76億ドル、営業利益率は同2.5pt上昇の66.3%、四半期純利益は同100%増の200.1億ドルであった。データセンター売上は同112%増の307.71億ドルとなり総売上高の87.7%を占めた。

エヌビディアは2024/12/27に2024/12/5時点で株主全員に一株当たり0.01ドルの配当金を払う予定である。

セグメント別売上の推移と概況

セグメント別売上3Q244Q241Q252Q253Q25
(単位:百万USD)     
データセンター14,51418,40422,56326,27230,771
ゲーム2,8562,8652,647 2,880 3,279
プロフェッショナル・ヴィジュアライゼーション416463427   454  486
自動車261281329   346  449
OEM、その他739078     88    97
合計18,12022,10326,04430,04035,082

 

データセンター売上

データセンター売上は前年同期比112%増、2Q比1%増の307.71億ドルと過去最高売上を記録した。データセンター売上の構成比率は87.7%と2Qの87.5%より0.2pt上昇した。

AWS、CoreWeave、Microsoft Azure などの複数のクラウド サービスで NVIDIA Hopper H200 搭載インスタンスが利用可能になることを発表した。Google Cloud と Oracle Cloud Infrastructure でも近日中に利用可能になる。

デンマーク最大の独立系 AI スーパーコンピューター、NVIDIA® DGX SuperPOD™ をリリースした。これは 1,528 個の NVIDIA H100 Tensor Core GPU を搭載し、NVIDIA Quantum-2 InfiniBand ネットワークを使用して相互接続されている。

通信事業者向けに NVIDIA AI Aerial プラットフォームを導入し、T-Mobile、Ericsson、Nokia と連携して AI-RAN の商用化を始めた。

ソフトバンク株式会社は、NVIDIA Blackwell プラットフォームを使用して日本で最も強力な AI スーパーコンピューターを構築し、NVIDIA AI Aerial を使用して世界初の AI と 5G 通信ネットワークを組み合わせた試験運用に成功したと発表した。

インド、日本、インドネシアの事業者が NVIDIA アクセラレーテッド コンピューティングを使用して AI インフラストラクチャを構築している一方で、コンサルティング企業は NVIDIA AI Enterprise ソフトウェアを使用して業界全体で AI の導入を加速させていることが明らかになった。

NVIDIA Spectrum-X™ Ethernet ネットワーキング プラットフォームにより、100,000 個の NVIDIA Hopper GPU を使用して xAI の Colossus スーパーコンピューター クラスターを高速化した。

NVIDIA Blackwell と連携し、台湾最速の AI スーパーコンピューターを構築するため Foxconn(鴻海精密工業) と提携することを発表した。

Blackwell が MLPerf トレーニングにデビューし、すべてのテストを完了し、大規模な言語モデル ベンチマークで最大 2.2 倍のパフォーマンス向上を実現したことを発表した。

NVIDIA Blackwell 設計の基本要素を Open Compute Project に提供し、OCP 標準に対する NVIDIA Spectrum-X のサポートを拡大した。

Accenture、Deloitte、Google Cloud などの企業が NVIDIA AI ソフトウェアを活用してカスタム AI アプリケーションを作成し、世界中の業界に変革している事が明らかになった。

NVIDIA AI Enterprise ソフトウェアの実行に最適化された新しいハイブリッド AI ソリューションとシステムを立ち上げるため、Lenovo とのパートナーシップを拡大すると発表した。

ゲーミング&AI PC売上

ゲーミング&AI PC売上は前年同期比15%増、2Q比14%増の32億7,900万ドルであった。

ゲームに画期的な進歩をもたらし、AI 主導の未来の基盤を築いた世界初の GPU、GeForce® 256 の 25 周年を祝った。

Gamescom で、ゲーム内のキャラクターの反応を向上させる Minitron 4B モデルをフィーチャーした Mecha BREAK で NVIDIA ACE とデジタル ヒューマン テクノロジを実演した。

『インディ・ジョーンズ・アンド・ザ・グレート・サークル』や『Dragon Age: The Veilguard』を含む 20 の GeForce RTX および DLSS タイトルを導入した。

ASUS と MSI から、1 秒あたり 321 兆 AI 演算のパフォーマンスを備えた新しい RTX AI PC の出荷が開始された。Microsoft Copilot+ 機能は4Qに予定されている。

プロフェッショナル・ビジュアライゼーション売上

プロフェッショナル・ビジュアライゼーションの売上は、前年同期比17%増、2Q比7%増の4億8,600万ドルであった。

Foxconn が NVIDIA Omniverse™ 上に構築されたデジタル ツインおよび産業用 AI を使用して、NVIDIA GB200 Grace Blackwell スーパーチップの製造に使用される 3 つの工場をより迅速にオンライン化すると発表した。

Reliance や Ola Motors などのインド、およびトヨタ、安川電機、セブン&アイ・ホールディングスなどの日本の大手企業が、NVIDIA AI と Omniverse を使用してワークフローを自動化し、より効率的な運用を推進していることが明らかになった。

ライブ メディアとビデオ パイプラインを AI と同じインフラストラクチャ上で実行し、制作配信を強化できる、AI 対応のソフトウェア定義プラットフォームである NVIDIA Holoscan for Media を発表した。

 

自動車&ロボティクス売上

自動車&ロボティクス売上は前年同期比72%増、2Q比30%増の4億4,900万ドルであった。

ボルボが NVIDIA アクセラレーテッド コンピューティングをベースにした SUVのEV を発売することを明らかにした。

ロボット学習とヒューマノイド開発のための Project GR00T AI とシミュレーション ツール、およびロボット開発者向けの新しい生成 AI ツールと認識ワークフローを導入した。

トヨタやOla Motorsを含む日本とインドの企業が、NVIDIA Isaac™とOmniverseを使用して次世代の物理AIを構築していると発表した。

 

4Q25のガイダンス

売上高は375億ドル±2%。粗利率はGAAPベース、Non-GAAPベースで73%と73.5%の間で±0.5pt、通年では70%台半ばの予定。営業費用はGAAPベースで48億ドル、Non-GAAPベースで34億ドルを予定している。通年の営業費用は前期比40%台半ばから後半まで増加する予定である。営業外損益はGAAPベース、Non-GAAPベースともに4億ドルの予定で持分法適用会社の損益を除く金額である。税率は16.5%、±1%を予定している。

                             

業績推移

GAAP

Nvidia3Q244Q241Q252Q253Q25
(単位:百万USD)     
売上高18,12022,10326,04430,04035,082
売上原価4,7205,3125,638  7,4668,926
粗利益13,40016,79120,46822,57426,156
粗利率74.0%76.0%78.6%  75.1%75.0%
 研究開発費2,2942,4652,7203,0903,390
 販管費689711777     842897
営業費用2,9833,1763,497  3,9324,287
営業利益10,41713,61516,90918,64221,869
金利収入234294359    444472
支払金利(63)(63)(64)    (61)(61)
その他-66260 75     18936
営業外収益(費用)ネット105491370    572447
税引前利益10,52214,10617,279 19,21422,316
法人税(1,279)(1,821)(2,398)  (2,615)(3,007)
純利益9,24312,28514,881 16,59919,309
完全希薄化後株式数2,4942,4902,489 24,84824,774
完全希薄化後EPS3.714.935.98    0.670.78

    (注:エヌビディア社決算資料に基づき株式会社pafin作成)

    

投資判断

最高益を更新した好決算であった。市場ではAI関連株に対する懐疑的な見方から回復傾向にある。2Qの決算発表時に次世代チップのBlackwellの生産延期が問題になったが、設計の不具合によるものでエヌビディアはマスクの変更を行った。Earnings call上でBlackwellはフル生産中であり、供給を遥かに上回る需要があり、供給体制の改善を行っているとのコメントがあった。株価に関しては様々な報道に敏感に反応する展開になると考えている。

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