株価*246.38USD(日中取引終値)
時価総額7,857億USD(約122兆円)
自己資本比率58.9%
ROE*23.74%
ROIC*19.99%
PER(実績)64.32倍
PBR12.46倍
配当利回りN/A
EV/EBITDA56.91倍

株価は2024/7/23時点。ROE、ROICは過去12カ月の実績数値。

2024年2Q決算結果

売上高255億ドル(約3.9兆円、前年同期比2.3%増、1Q比19.7%増)
営業利益16億500万ドル (同▲33.1%、同37%増)
営業利益率6.3% (同▲3.3pt、同0.8pt増)
四半期純利益GAAP 14.78億ドル(同▲45.3%、同30.9%増)
Non-GAAP 18.12億ドル(同▲42.4%、同17.9%増)
希薄化後EPS GAAP 0.42ドル
Non-GAAP 0.52ドル
生産台数410,831台(前年同期比▲14.4%、1Q比▲5.2%)
販売台数443,956台(同▲4.8%、同14.8%増)

2Qは売上は市場予想を上回ったもののEPSは市場予想を下回った増収減益決算となった。総売上高は前年同期比2.3%増の255億ドルで、このうち自動車売上は同▲6.5%の198億ドル、発電・蓄電売上は同99.7%増の30億1,400万ドル、サービス、その他売上は同21.3%増の26億800万ドルであった。営業利益は同▲33.1%の16.05億ドル、四半期純利益(Non-GAAP)は同▲42.4%の18.12億ドルとなった。

厳しい市場環境のなか2Qとして最高売上を達成した。テスラは2Q中に戦略的に値下げを数回行いEV(BEV)販売台数443,956台と世界首位の座を守った。BYDの2QのBEV販売台数は426,039台であった。自動車売上はBYDとの熾烈な戦いが継続しているが、発電・蓄電売上は前年同期比倍増、サービス、その他売上も好調であった。実質的な業界標準となったスーパーチャージャー・ステーションの数は前年同期比23%増の6,473か所となった。しかし、2Q中にスーパーチャージャー部門の人員ほぼ全ての約500名をリストラしたと報じられたが、その数週間後に同部門で再雇用を始めたと報じられた。

営業利益率は前年同期比▲3.3ptの6.3%となったが、1Qの営業利益率5.5%より0.8pt回復した。

2Qの生産台数は前年同期比▲14.4%、1Q比▲5.2%の410,831台であった。生産台数は2四半期連続減少したが、3Qは増加する予定である。

2Qの在庫レベルは前年同期比12.5%上昇の18日分となった。

蓄電池事業の2Qの配備量は前年同期比2.5倍、1Q比2.3倍の9.4GWhとなった。発電・蓄電売上は前年同期比99.7%増の30億1,400万ドルと過去最高を達成し、売上原価は前年同期比84.7%増、1Q23比84.6%増の22億7,400万ドルとなり粗利益は7億4,000万ドル、粗利益率は24.6%となった。粗利益率は前年同期比6.2pt上昇、1Q比フラットであった。サービス、その他の売上は前年同期比21.3%増、1Q比14%増の26億800万ドルと過去最高を更新した。売上原価は前年同期比23%増、1Q比10.6%増の24億4,100万ドルとなり粗利益は1億6,700万ドル、粗利益率は6.4%となった。粗利益率は前年同期比▲1.3pt、1Q比2.9pt上昇であった。

2Qのフリーキャッシュフロー(営業キャッシュフローマイナス設備投資)は1Q赤字転落から営業キャッシュフローの回復により黒字転換し、13億4,200万ドルとなった。営業キャッシュフローは前年同期比17.8%増、1Q比約14.9倍の36億1,200万ドルであった。設備投資は前年同期比80.7%増、1Q比▲18%の22億7,000万ドルであった。現預金及び短期有価証券の2Q末時点の残高は前年同期比33%増、1Q比14%増の307億2,000万ドルとなった。2Q末時点の総負債額(車両とエネルギーのプロダクト・ファイナンスを除く)は前年同期比▲84%、1Q比▲87%の700万ドルであった。1Q末の負債資本倍率は0.01%であった。

業績推移

Tesla2Q233Q234Q231Q242Q24
(単位:百万 USD)     
      
自動車事業売上(排出権クレジットを含む)20,41918,58221,56317,37819,878
発電、畜電事業売上1,5091,559 1,4381,635 3,014 
サービス、その他売上2,1502,166 2,1662,288 2,608
総売上高24,92723,35025,16721,30125,500
総粗利益4,5334,178 4,4383,696 4,578
粗利益率18.2%17.9% 17.6%17.4%18.0%
総営業費用(R&D、販管費等)2,1342,4142,3742,5252,973
営業利益2,3991,7642,0641,1711,605
営業利益率9.6%7.6% 8.2%5.5%6.3%
親会社株主に帰属する純利益(Non-GAAP)3,1482,3182,4851,5361,812
完全希薄化後EPS(Non-GAAP)0.910.66   0.710.450.52
      
営業キャッシュフロー3,0653,3084,3702423,612
設備投資額2,0602,4602,3062,7732,270
フリーキャッシュフロー1,0058482,064▲2,5311,342
現金および現金同等物23,07526,07729,09426,86330,720

(注:テスラ社決算資料に基づき株式会社pafin作成)

業績予想コンセンサス(決算発表前時点)

 1Q(実績)2Q(実績)3Q(予想)
売上高(百万USD)21,30125,50025,600
EPS(Non-GAAP)0.450.520.66

(注:株式会社pafin調べ)

投資判断

1Qの在庫の大幅な積み上がりが懸念材料であったが、2Qには生産台数を抑え価格戦略で販売台数首位をキープし、在庫の積み上がりを解消した。また、車一台当たりの生産コストの削減、また全社的にコスト削減に取り組んだ結果として営業利益率は1Q比0.8pt増の6.3%まで回復した。Earnings call上でロボタクシー(自動運転タクシー)の発表を8月から10月に延期すると発表した事も時間外取引での急落に拍車をかけた。 

サムネイル画像クレジット:canadianPhotographer56/Shutterstock.com