今週の注目投資トピックは「Amazon、ウエルシアと処方薬ネット販売 最大手と陣営」を取り上げてみたい。元記事はこちら

7月22日の日経新聞電子版によると

アマゾンジャパン(東京・目黒)は2024年内にもドラッグストア最大手のウエルシアホールディングス(HD)などと連携し、処方薬のネット販売を始める。5000万人の国内利用者数を抱えるとされるアマゾンが処方薬販売に参入することでオンライン診療の普及に弾みがつく。実店舗を持つ調剤各社は戦略見直しを迫られる。

ウエルシアのほか、複数の薬局チェーンと連携する新サービスとして近く発表する。

ウェルシアホールディングスのように大手ドラッグストアで調剤薬局も持っている業界2位のツルハホールディングス(3391)、業界3位の マツキヨココカラ&カンパニー(3088)、業界4位のコスモス薬品(3349)、業界5位のサンドラッグ(9989)、業界6位のスギホールディングス(7649)、業界7位のクリエイトSDホールディングス(3148)、業界8位のクスリのアオキホールディングス(3549)等はアマゾンとの提携サービスを選ぶ企業は複数あると思われる。

アマゾンの処方薬販売参入により一番影響を受けるのは小規模の町の調剤薬局(保険薬局)である。日本の調剤薬市場は高齢化社会の進展と医薬分業の普及により右肩上がりに伸びてきた。2000年代初頭は約2兆円だった市場は2023年に約8兆円まで成長した。

右肩上がりだった調剤薬局市場は医療費拡大を抑制するために診療報酬や薬価の改訂が行われてきた。2024年度の調剤報酬の改定の発表が4月にあったが、地域支援体制加算が一律7点減算され、オンライン処方に対する点数は引き上げられた。

調剤報酬の改定、アマゾンの処方薬販売への参入を考えると小規模の町の調剤薬局の生き残りは更に難しくなり、調剤薬局を持っている上述した大手ドラッグストア等に買収されないと生き残れない状況になる事が予想される。各地域の小規模調剤薬局をその地域の調剤薬局も保有している大規模ドラッグストアが買収する事が現実的に起きる確率が高いのではないかと思われる。ちなみに7月22日に上述した大手ドラッグストア株の株価は各社上昇した。