今週の注目投資トピックは「日経平均4451円安 下げ幅ブラックマンデー超え 過去最大、円高・株安が共振 米景気不安が引き金」を取り上げる。元記事はこちら
以下日経電子版より要約引用。
日本株市場から資金が逃げている。5日の東京市場で日経平均株価の下げ幅が4400円を超え、米国株安が世界に波及した「ブラックマンデー」翌日の1987年10月20日を上回り過去最大となった。下落率でも当時に次ぐ過去2番目。米景気が悪化するとの懸念からドル安・円高が進むたびに日本株が下げ幅を拡大する共振がおこり、日本株は年初来の上昇分を帳消しにした。
5日の日経平均の終値は前週末比4451円28銭(12.4%)安の3万1458円42銭だった。日経平均は月初からの3営業日で計7643円(19.5%)安、3日間の下げとしては幅と率ともに過去最大の急落になった。2023年10月末以来約9カ月ぶりの水準に沈んだ。7月11日につけた史上最高値(4万2224円)から1カ月弱で下げ幅が1万円を超す記録的な急落だ。
東証プライム市場では全体の99%の銘柄が下げ、約6割で下落率が10%を超える暴落となった。信用取引をおこなう個人投資家には追い証(追加保証金)の差し入れ義務が発生。午後に入ると下げに耐えられなくなった個人の処分売りも出て下げ幅を広げた。
東京エレクトロン、伊藤忠商事など時価総額が大きい顔ぶれでも制限値幅の下限(ストップ安水準)まで下げる主力株が続出。日本株全体で約800社がストップ安という異例の急落となった。
昨日(2024/8/5)の日本株の下げは下げ幅がブラックマンデーを超え、プライム市場で99%の銘柄が下げ、日本株全体で約800社がストップ安というパニック売りのマーケットであった。信用取引を行う個人投資家が追証を理由に投げ売りした事が下げ幅を広げたと思われる。
東京市場の12.4%の下げを受けてニューヨーク市場も下げたが、米国で5日に発表された7月のISM非製造業指数では雇用指数が6カ月ぶりに50を超えた事で過度な不安は一旦後退し、ダウ平均が▲2.6%、S&P500が▲3.00%、ナスダックが▲3.43%と下げ幅は東京市場程大きくなかった。本日は東京市場は大きくリバウンドし、一時3,400円以上の値上がりと最大の上げ幅となった。
さて、ここからの日本株の投資戦略について考えるにあたり、まずAI関連株に対する市場の見方が変化したという事を念頭に入れておくべきである。「マグニフィセント7」のうちエヌビディアを除く企業が決算発表を終えた。1-3月期のこれら銘柄の平均利益成長は50%、4-6月期の平均利益成長は30%であったが、7-9月期の平均利益成長は17%とアナリスト達は弱気に見ている。利益成長が低下する事で株価バリュエーションも調整段階にある。
アメリカではリセッション懸念は完全に消えた訳ではなく、ネガティブな経済指標が出る度にAI関連銘柄は下げが予想される。そうなると株価バリュエーションの高い日本株の半導体銘柄も下落余地が大きいと考えられる。
半導体銘柄で下落余地が大きそうに思える銘柄は
アドバンテスト(6857)予想PER 42.7倍
レーザーテック(6920)予想PER 40.5倍
ローム(6963)予想PER44.7倍
この3銘柄は予想PERが40倍超えという事でかなりの下値余地が大きそうである。特に昨日決算発表をしたロームについては今期大幅減益予想という事で予想PER20倍割れもあり得るのではないかと思っている。
既に20倍台まで株価が調整している銘柄については下値余地はそんなに大きくないと思われるが、それでも株価はSOX指数(フィラデルフィア半導体指数)の動き等に左右される事が予想される。
半導体関連のアンダーパフォームが予想される中どこのセクターにベットするかである。リセッション懸念が強くなればFRBは金利を下げ、ドル安が加速する事が考えられる。そうなると円高メリット銘柄の食品、電力、ガス、石油、空運等がアウトパフォームする事が予想される。