今週の注目トピックは「Trend-following hedge funds returning to Japanese equities, J.P.Morgan says」を取り上げある。元記事はこちら

以下Reutersより引用。

HONG KONG, Aug 19 (Reuters) - Trend-following hedge funds reversed their bearish views on Japanese stocks and started buying them late last week, J.P.Morgan analysts said in a note.
Such hedge funds, known as commodity trading advisers or CTAs, use algorithms to profit from market trends.
CTAs may have restored their positions in Nikkei 225 futures and TOPIX futures , starting around Aug. 15, after a recent selloff as "the index rebound is too large," J.P.Morgan analysts said in a note on Friday.                            
The shift was faster than the brokerage had previously anticipated. J.P.Morgan analysts had expected CTAs to take a wait-and-see approach if the Nikkei share index temporarily recovered to above 35,000 after the early-August rout.
The benchmark Nikkei 225 index (.N225), opens new tab has rallied more than 20% from the lows hit on Aug. 5, when it clocked its biggest one-day plunge since 1987. It closed above the 38,000 level on Friday.
 

上記記事の日本語訳は「JPモルガンのアナリストによるとトレンド追随型のヘッジファンドは日本株に弱気の見方から転換し、先週から日本株を買い始めたと述べた。日本株に戻って来たヘッジファンドはアルゴリズムを使ってマーケットのトレンドから利益を得るCTA(Commodity Trading Advisor)と呼ばれる広範な金融商品に投資するファンドである。CTAは8月15日ごろから日経225、TOPIX先物にポジションを取り始めた。このシフトは証券会社が予想していたより早かった。JPモルガンのアナリストは8月上旬の大暴落から日経が35,000円以上に回復してもCTAは様子見スタンスを取ると予想していた。日経225は8月5日に1987年以来一日で最大の下げを記録して以来20%以上上昇し、8月16日金曜日は38,000円を回復して引けた。」

ここで海外投資家の投資動向を東証が発表している投資部門別の株式売買状況(東証プライム)を先月まで遡って見てみる。東証の集計によると海外投資家の売買動向は

 

7/8~7/12買い越し1,258億円
7/16~7/19売り越し2,175億円
7/22~7/28売り越し5,525億円
7/29~8/2売り越し5,670億円
8/5~8/9買い越し4,554億円

 

と暴落の週には海外投資家は買い越しに転じている。CTA以外にも東証が暴落した8月5日にブラックロックが東証プライム上場株式やREITを大量に購入したと言われている。

あらためて8月5日の東証の暴落を振り返ってみると7月31日の日銀の予想外の利上げにより長期間にわたり実施されてきた「円キャリートレード」が急速に巻き戻された事が影響したと広く指摘されている。日銀の利上げによる円の急速な上昇とともに多くの海外投資家がリスク回避のためにポジションを清算し、日本株を大量に売却したという見解を多く見かける。これに信用取引を行う個人投資家が追証を理由に投げ売りした事が下げ幅を広げたと思われる。この日はドル/円は1USD=141.66円まで円高となった。8月20日のドル/円は1USD=147円前後で取引されている。

さてアメリカ株、特にAI関連株に関してであるが、7月半ば過ぎからAI関連株の利益の低下の懸念から売られてきたが、調整局面を終えたのではないかとの見方が出てきている。8月28日に決算発表を予定しているエヌビディアは8月5日に付けた安値の90.69ドルから8月19日の終値は130ドルと43%上昇した。また、エヌビディアに追随するAMDが8月19日にサーバー・メーカーのZt Systemsを49億ドルで買収する計画を発表した事を受けてAMDの株価は時間外取引で3%上昇した。エヌビディアの決算はかなり強い数字が出てくると予想されており、再びAI関連株が日米ともに相場の主役に戻る可能性は十分にあると思われる。