今週の注目投資トピックは「ソフトバンクG、半導体設計会社アンペア買収で合意-65億ドル」元記事はこちら

以下、3月20日のブルームバーグの記事より引用。

ソフトバンクグループは20日、半導体設計を手掛けるアンペア・コンピューティングを買収することで合意したと発表した。人工知能(AI)インフラへの進出を拡大する。

 発表資料によると、ソフトバンクGは、カリフォルニア州サンタクララに本拠を置くアンペアを65億ドル(約9700億円)と評価し、全額現金取引で買収する。

 アンペアにはオラクルやプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社カーライル・グループなどが初期から出資している。ブルームバーグ・ニュースは2月、ソフトバンクGがアンペアの買収に向けて最終段階の交渉を進めていると報じていた。

  オラクルとカーライルは今回の取引の一環としてアンペアの株式を売却する。買収は2025年後半に完了する見通し。アンペアはソフトバンクGの完全子会社として運営され、社名とサンタクララの本社はそのまま維持される。

 アーム・ホールディングスの技術を活用してデータセンター設備用プロセッサーを製造するアンペアは、2021年にソフトバンクGによる少数株投資の提案で80億ドル強と評価されたと、ブルームバーグ・ニュースが当時、報じていた。

SBGがArmベースのサーバ向け半導体設計を手掛けるAmpere Computing Holdingsを買収すると発表した。SBGのプレスリリースによると

米国における競争法上の承認、対米外国投資委員会(CFIUS:Committee on Foreign Investment in the United States)による承認その他監督官庁の通常の承認、そして、誓約事項があらゆる重大な点において遵守されていること、Ampereへの重大な悪影響が発生しないこと、特定の雇用関連の事項等、その他の前提条件の充足(又は放棄)が条件となります。

との事である。SBG自体は投資会社であり、AI半導体市場における直接的なプレイヤーではなく、支配的シェアを持っているわけではないので、市場競争を阻害するとは言い難く、独禁法に触れる事はないと思われるので買収は問題なく成立すると考えられる。

Ampereは高性能かつ省電力なAI半導体の設計で知られており、OpenAI、オラクル、Nvidiaと推進するスターゲートプロジェクトにおけるデータセンターの効率化と性能向上を図る狙いがあると思われる。

Ampereは元インテルCEOのレネイ・ジェームズ氏が2017年に創業した企業で次世代クラウドコンピューティングやAIワークロード向けに特化した高性能でエネルギー効率に優れたArmベースのプロセッサを設計している。Google Cloud、Microsoft Azure、Oracle Cloudなど、多くの大手クラウドプロバイダーがAmpereのプロセッサを採用しており、市場での存在感を強めている。

SBGは勿論IPOを視野に入れてAmpere買収を決定したと思うが、AIは消費電力が莫大であり、省エネかつ高性能を実現できるAmpereはAI・クラウド・データセンターといった成長市場にフォーカスしており、CPUの需要は高い成長が見込まれる。ARMのIPO時の時価総額は652億ドル(約9兆6,500億円)だったが、AmpereはARMのIPOを超えるポテンシャルがあると期待される。