［１１月１１日からの１週間の展望］
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　　　週間高低（カッコ内は日）　　　　　　    11 月 4 日〜 11 月 8 日
　　　　　　　始　値　　高　値　　  　安　値　     終　値　 前週比
ドル・円　　  152.63   154.71( 7)    151.30( 6)    152.64   -0.37
ユーロ・ドル  1.0847   1.0937( 5)    1.0683( 6)    1.0718   -0.0116
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国内株・金利／米国株・金利
                  終　値　　前週末比　　　　 　　　　   　 終　値　 前週末比
日経平均株価    39,500.37    +1446.70     日本10年債利回り   1.010   +0.059
ダウ平均株価    43,988.99    +1936.80     米10年債利回り     4.304   -0.079
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＜来週の主要経済統計等＞
１１日　日本９月経常収支
　　　　日銀金融政策決定会合の主な意見（１０月３０−３１日分）
１２日　独１０月消費者物価指数確報値
　　　　英１０月雇用統計
　　　　独１１月ＺＥＷ景況感指数
１３日　ユーロ圏９月鉱工業生産指数
　　　　米１０月消費者物価指数
１４日　豪１０月雇用統計
　　　　英９月鉱工業生産指数、英９月製造業生産指数
　　　　英第３四半期ＧＤＰ速報値、英９月貿易収支
　　　　ユーロ圏第３四半期ＧＤＰ改定値
　　　　米１０月生産者物価指数、米新規失業保険申請件数
　　　　パウエルＦＲＢ議長講演
　　　　※アジア太平洋経済協力会議（ＡＰＥＣ）閣僚会議
１５日　日本第３四半期ＧＤＰ１次速報
　　　　中国１０月鉱工業生産指数、中国１０月小売売上高
　　　　日本９月鉱工業生産指数確報値
　　　　スイス１０月生産者輸入価格
　　　　カナダ９月製造業出荷、カナダ９月卸売売上高
　　　　米１１月ＮＹ連銀製造業景気指数、米１０月輸入物価指数
　　　　米１０月小売売上高
　　　　米１０月鉱工業生産・設備稼働率
１６日　ＡＰＥＣ（アジア太平洋経済協力会議）首脳会議
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【前回のレビュー】今後のドル円はＦＯＭＣ、米経済指標の動向、米大統領選の結果な
どに左右されやすい展開が見込まれる。米経済指標も大きく悪化するものは少なく、米
国経済の底堅さが示されてドル円の下支えをしそうだ。日銀による利上げ観測などが円
買いにつながる可能性はあるものの、ドル円は高値圏でのもみ合いになるとした。

【共和党のトランプ氏勝利でドル高に傾く】
　日本時間の６日に米大統領選挙の開票が進むにつれて、共和党のトランプ前大統領が
優勢と報じられ、夕方ころには当選がほぼ確実となった。トランプ氏が当選すると、減
税や規制緩和などが実施されるとの見方が広がり、米株高、ドル高、米金利高が進ん
だ。

　６日の米国株はＮＹダウが１５００ドル超の上昇となり、ＮＹダウ、ナスダック、Ｓ
＆Ｐ５００の主要３指数が最高値を更新した。ドル買いの動きからドル円は１５１円台
前半から１５４円台後半まで急伸した。ユーロドルは１．０９３０台から１．０７００
ドル割れまで急落した。米１０年債利回りは一時４．４７０％前後まで上昇した。

　７日に入るとドル高の動きも落ち着きを見せた。ドル円は上げが一服して１５３円割
れまで一時下落した。米１０年債利回りは４．３３０％前後まで低下した。米国株は堅
調で、ＮＹダウはほぼ変わらずで引けたものの、ナスダックとＳ＆Ｐ５００は連日で最
高値を更新した。

【ＦＯＭＣでは予想通り利下げ】
　米大統領選挙の影響で１日後ずれした米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）は１１月６
−７日に開催されて、日本時間８日午前４時に結果が発表された。大方の市場予想の通
り、０．２５％の利下げを決定した。パウエル議長は記者会見で１２月のＦＯＭＣでの
利下げは「データ次第」と述べ、利下げの可能性は肯定も否定もしなかった。米大統領
選後のドル買いの反動安が一服した後だけにＦＯＭＣへの反応は限定的となった。

　１１月１１日の週は１３日に米１０月消費者物価指数、１４日に米１０月生産者物価
指数、米新規失業保険申請件数、１５日に米１０月小売売上高などの発表がある。米消
費者物価指数はおおむね前回と同水準の予想となっており、目立ったインパクトはない
とみられる。米小売売上高が予想を上回ると、ドル買いに傾くこととなりそうだ。

　なお、この週は米経済指標やトランプ氏の発言や政策の報道などに左右されやすい展
開が続くとみられる。一段の利下げの催促やドル高けん制などの発言が出てくるようだ
と、堅調に推移するドルの上値を抑える可能性も出てきそうだ。

　ただ、米国の経済指標は堅調で、最高値圏にある米国株も底堅い動きが継続すること
となりそうだ。トランプ新政権への期待感もあり、ドルは底堅い動きを見せる展開が見
込まれる。こうした中、ドル円は緩やかに上値を追う動きになるとみられる。ドル円の
目先の予想レンジは、１５０．００〜１５６．００円。

　日米の経済指標やイベントとしては、１１日に日本９月経常収支、１３日に米１０月
消費者物価指数、１４日に米１０月生産者物価指数、米新規失業保険申請件数、１５日
に日本第３四半期ＧＤＰ１次速報、米１１月ＮＹ連銀製造業景気指数、米１０月輸入物
価指数、米１０月小売売上高、米１０月鉱工業生産・設備稼働率などがある。

【ユーロドルは安値圏での振幅か】
　ユーロドルは５日まで戻り歩調で推移して、１．０９３０台まで上値を伸ばしてき
た。７日にトランプ候補が当選確実との報道などにより、ドル買いに傾いて、６日には
急落して一時１．０７００ドル割れまで下げた。その後は下げも一服している。大荒れ
の展開の後だけに、しばらくは安値圏で荒れた動きが続くとみられる。ユーロドルの目
先の予想レンジは、１．０６００〜１．０９５０ドル。

　７日の英金融政策委員会（ＭＰＣ）では政策金利は市場予想の通り０．２５％引き下
げて、４．７５％とした。票割れは８対１。ベイリー総裁は「急過ぎや過度な利下げは
できず」「金利はここから緩やかに低下する公算大きい」と述べている。

　英金融政策委員会（ＭＰＣ）議事録では、「ディスインフレの進展は続いている」
「残存するインフレ圧力の大半は急速に解消する可能性がある」「政策抑制を緩やかに
解除するアプローチが引き続き適切」「インフレ持続のリスクを注意深く監視し、金融
政策の制限の適切な程度を各会合で決定する」としている。

　ポンドドルは６日にトランプ当選確実の報道などからドル買いの動きとなって１．３
０台半ばから１．２８台前半まで急落した。売り一巡後はやや落ち着きを取り戻して、
１．２９台を回復している。英中銀はＭＰＣでインフレ見通しでは２０２５年と２０２
６年をそれぞれ０．５ポイント引き上げた。これを受けて、ポンドドルは１．２９台半
ばまで上昇している。このところは荒れた動きを見せており、しばらくは安値圏で振幅
を見せる展開となりそうだ。ポンドドルの目先の予想レンジは、１．２７００〜１．３
１００ドル。

　日米以外の今後の経済指標やイベントは、１２日に独１０月消費者物価指数確報値、
英１０月雇用統計、独１１月ＺＥＷ景況感指数、１３日にユーロ圏９月鉱工業生産指
数、１４日に豪１０月雇用統計、英９月鉱工業生産指数、英９月製造業生産指数、英第
３四半期ＧＤＰ速報値、英９月貿易収支、ユーロ圏第３四半期ＧＤＰ改定値、１５日に
中国１０月鉱工業生産指数、中国１０月小売売上高、スイス１０月生産者輸入価格、カ
ナダ９月製造業出荷、カナダ９月卸売売上高などがある。

MINKABU PRESS 佐藤昌彦

※投資や売買についての判断は自己責任でお願いします。

為替週間展望＝ドル円は緩やかに上値を追う展開か