［３月１７日からの１週間の展望］
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　　　週間高低（カッコ内は日）　　　　　　    3 月 10 日〜 3 月 14 日
　　　　　　　始　値　　高　値　　  　安　値　     終　値　 前週比
ドル・円　　  147.90   149.19(12)    146.54(11)    148.74   +0.70
ユーロ・ドル  1.0836   1.0947(11)    1.0805(10)    1.0840   +0.0007
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国内株・金利／米国株・金利
                  終　値　　前週末比　　　　 　　　　   　 終　値　 前週末比
日経平均株価    37,053.10     +165.93     日本10年債利回り   1.532   +0.012
ダウ平均株価    40,813.57    -1988.15     米10年債利回り     4.268   -0.033
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＜来週の主要経済統計等＞
１７日　英３月ライトムーブ住宅価格
　　　　中国２月鉱工業生産指数、中国２月小売売上高
　　　　米２月小売売上高、米３月ＮＹ連銀製造業景気指数
１８日　独３月ＺＥＷ景況感指数
　　　　ユーロ圏１月貿易収支
　　　　カナダ２月消費者物価指数
　　　　米２月住宅着工・許可件数、米２月輸入価格指数
　　　　米２月鉱工業生産・設備稼働率
１９日　ＮＺ第４四半期経常収支
　　　　日本２月貿易収支、日本１月機械受注
　　　　日銀金融政策決定会合（１８−１９日）・金融政策発表
　　　　日本１月鉱工業生産指数
　　　　植田日銀総裁記者会見
　　　　ユーロ圏２月消費者物価指数確報値
　　　　米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ、３月１８−１９日）・政策金利発表
　　　　パウエルＦＲＢ議長記者会見
　　　　米１月対米証券投資
２０日　ＮＺ第４四半期ＧＤＰ
　　　　豪２月雇用統計
　　　　独２月生産者物価指数
　　　　英２月雇用統計
　　　　スイス銀行（ＳＮＢ）政策金利
　　　　英中銀（ＢＯＥ）政策金利
　　　　カナダ２月鉱工業製品価格
　　　　米第４四半期経常収支、米新規失業保険申請件数
　　　　米３月フィラデルフィア連銀景況指数
　　　　米２月景気先行指数、米２月中古住宅販売件数
２１日　ＮＺ２月貿易収支
　　　　日本２月消費者物価指数
　　　　ユーロ圏１月経常収支
　　　　カナダ１月小売売上高
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【前回のレビュー】ドル円は米国の経済指標、トランプ米大統領の発言に振り回される
展開が続くとみられる。トランプ氏が円安など通貨安を批判する発言をするだけで、円
高が進行する可能性もある。さらに今年の春闘での賃上げ要求水準の高さから日銀の利
上げ観測につながり、円高に傾きやすくなっている。こうした中、ドル円は荒れた動き
ながらも上値の重い展開になるとした。

【不透明で不安定なトランプ関税】
　トランプ政権による関税関連の報道、それに対する各国の報復措置、米経済指標の動
向などに振り回される展開が続いた。１０日に１４７．９０近辺で週の取引がスタート
すると、上下に振幅しながら１１日には１４６．５０近辺までドル安円高に傾いた。１
２日には１４９円台前半まで上昇したものの、上昇の動きは続かずに１４７．６０台ま
で下落するなど、上下に振幅する動きとなった。

　３月１２日の日本時間午後１時過ぎにトランプ政権は鉄鋼とアルミニウムに２５％の
関税措置を発動した。欧州連合（ＥＵ）や中国は報復措置を表明している。双方の関税
合戦による貿易戦争は各国の経済に悪影響を与えるとみられている。

　１２日に発表された２月の米消費者物価指数では前年比は総合で＋２．８％、コア前
年比も＋３．１％となり、事前予想や前回値を下回った。２月４日に中国からの輸入品
に１０％の追加関税が課されたものの、今回の統計では影響は限定的となった。

　ドル円は弱い米消費者物価指数を受けて１４８円台前半まで急落したものの、今後の
関税の影響が警戒されて１４９円台まで上昇した。ただ、上昇も長続きせず、１３日に
かけて１４７円台半ばまで下落を見せた。１３日のドル円の下落の背景には日銀の植田
総裁の発言がある。植田総裁は「輸入インフレ沈静化の一方で力強い賃金上昇続くた
め、実質賃金と消費支出は改善すると予想」と追加利上げに向けた前向きな姿勢を示し
た。その後は１４日にかけて１４７−１４８円台での振幅となっている。

【引き続きトランプ報道や米経済指標に振り回される展開か】
　日米の経済指標やイベントとしては、１７日に米２月小売売上高、米３月ＮＹ連銀製
造業景気指数、１８日に米２月住宅着工・許可件数、米２月輸入価格指数、米２月鉱工
業生産・設備稼働率、１９日に日本２月貿易収支、日本１月機械受注、日銀金融政策決
定会合（１８−１９日）金融政策発表、日本１月鉱工業生産指数、植田日銀総裁記者会
見、米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ、３月１８−１９日）政策金利発表、パウエルＦ
ＲＢ議長記者会見、米１月対米証券投資、２０日米第４四半期経常収支、米新規失業保
険申請件数、米３月フィラデルフィア連銀景況指数、米２月景気先行指数、米２月中古
住宅販売件数、２１日日本２月消費者物価指数などがある。

　経済指標では１７日の米２月小売売上高が注目される。２月１４日発表の前回１月分
は前月比−０．９％、コア（除く自動車）前月比が−０．４％となり、いずれも事前予
想や前回値を下回ってドル売りに傾いた。この時は山火事や厳冬の影響で実店舗での買
い物が減少した可能性が指摘されている。今回は前月比＋０．７％、コア前月比が＋
０．４％となっており、前回から改善するとみられている。予想を上回るとドル買い
に、下回るとドル売りに振れるとみられる。

　１９日には日銀金融政策決定会合の金融政策発表と植田総裁の記者会見がある。今回
の会合では政策金利は据え置きの見込み。今後の利上げに向けたヒントが出てくるよう
だと、円買いに傾く可能性がある。

　さらに１９日には米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）の結果発表とパウエル議長の記
者会見がある。今回のＦＯＭＣでは政策金利は据え置きの見通し。ＣＭＥ　ＦＥＤウオ
ッチでは、据え置き確率が９８％前後となっている。

　声明や記者会見で、トランプ関税や経済政策の影響が今後の金融政策運営にどう影響
するかが注目される。今回はＦＯＭＣメンバーによる政策金利や物価、経済成長率見通
しが発表される回となっている。トランプ政権の関税などの影響が不透明ながら、今後
の利下げに関するヒントが得られるかが注目される。

　今後もトランプ政権の関税政策やトランプ米大統領の発言などに振り回される展開が
続きそうだ。日銀会合やＦＯＭＣでは政策金利は据え置きの見通し。日銀が利上げに前
向きな姿勢を示すようなら一段と円高に振れる可能性がある。こうした中、ドル円は最
近のレンジ内での振幅が中心となるものの、上値を抑えられやすい展開が見込まれる。
ドル円の目先の予想レンジは、１４５．００−１５０．００円。

【ユーロドルは高値圏で上値重く推移】
　ドイツによる防衛支出拡大方針などを背景にユーロドルは大きく上値を伸ばしてき
た。１１日には１．０９４０台まで上昇するなど急速なペースで上昇してきた。上昇ペ
ースは鈍化したものの、２１日線からのかい離率は１１日に３．５％前後まで拡大し
て、短期間で過熱感を感じさせる水準まで上昇した。その後は伸び悩みを見せており、
５日移動平均線を割り込んでいる。

　ユーロドルは大きく上値を伸ばしてきて、１１日まではボリンジャーバンド＋２Σを
超えて上昇を続けてきた。その後、１２日には同バンドを割り込んだ。その後は５日移
動平均線も下に抜けてきたことで、高値圏で上値重く推移するとみられる。ユーロドル
の目先の予想レンジは、１．０５００−１．０９５０ドル。

　２０日の英金融政策委員会（ＭＰＣ）では政策金利は据え置きの見通し。利上げは５
月か６月になるとの見方が強い。

　ポンドドルはユーロドルの上昇に追随して、１２９台後半まで上値を伸ばしてきた。
１．３０００ドルの手前で伸び悩みを見せている。ポンド円は高値圏でもみ合いが一巡
すると、引き続き上値を追う動きが継続する展開となりそうだ。ポンドドルの目先の予
想レンジは、１．２６５０−１．３１００ドル。

　日米以外の今後の経済指標やイベントは、１７日に英３月ライトムーブ住宅価格、中
国２月鉱工業生産指数、中国２月小売売上高、１８日に独３月ＺＥＷ景況感指数、ユー
ロ圏１月貿易収支、カナダ２月消費者物価指数、１９日にＮＺ第４四半期経常収支、ユ
ーロ圏２月消費者物価指数確報値、２０日にＮＺ第４四半期ＧＤＰ、豪２月雇用統計、
独２月生産者物価指数、英２月雇用統計、スイス銀行（ＳＮＢ）政策金利、英中銀（Ｂ
ＯＥ）政策金利、２１日にＮＺ２月貿易収支、ユーロ圏１月経常収支、カナダ１月小売
売上高などがある。

MINKABU PRESS 佐藤昌彦

※投資や売買についての判断は自己責任でお願いします。

為替週間展望＝ドル円は上値を抑えられやすい展開か