［３月２４日からの１週間の展望］
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　　　週間高低（カッコ内は日）　　　　　　    3 月 17 日〜 3 月 21 日
　　　　　　　始　値　　高　値　　  　安　値　     終　値　 前週比
ドル・円　　  148.72   150.15(19)    148.18(20)    149.52   +0.88
ユーロ・ドル  1.0878   1.0955(18)    1.0815(20)    1.0835   -0.0044
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国内株・金利／米国株・金利
                  終　値　　前週末比　　　　 　　　　   　 終　値　 前週末比
日経平均株価    37,677.06     +887.03     日本10年債利回り   1.530   +0.014
ダウ平均株価    41,953.32     +465.13     米10年債利回り     4.237   -0.075
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＜来週の主要経済統計等＞
２４日　独３月製造業ＰＭＩ速報値、独３月サービス業ＰＭＩ速報値
　　　　ユーロ圏３月製造業ＰＭＩ速報値、ユーロ圏３月サービス業ＰＭＩ速報値
　　　　英３月製造業ＰＭＩ速報値、英３月サービス業ＰＭＩ速報値
　　　　米３月製造業ＰＭＩ速報値、米３月サービス業ＰＭＩ速報値
２５日　 日銀金融政策決定会合議事要旨（１月２３、２４日分）
　　　　独３月ｉｆｏ景況感指数
　　　　米１月住宅価格指数、米１月Ｓ＆Ｐケースシラー住宅価格指数
　　　　米２月新築住宅販売件数、米３月消費者信頼感指数
２６日　豪２月消費者物価指数
　　　　日本１月景気動向指数改定値
　　　　英２月消費者物価指数、英２月生産者物価指数、英２月小売物価指数
　　　　米２月耐久財受注速報値
２７日　米第４四半期ＧＤＰ確報値、米新規失業保険申請件数
　　　　米２月中古住宅販売成約指数
２８日　東京３月消費者物価指数
　　　　英第４四半期ＧＤＰ確報値
　　　　英１月貿易収支、英２月小売売上高
　　　　スイス３月ＫＯＦ先行指数
　　　　独３月雇用統計
　　　　カナダ１月ＧＤＰ
　　　　米２月個人所得・個人支出、米２月個人消費支出（ＰＣＥ）価格指数
　　　　米３月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値
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【前回のレビュー】今後もトランプ政権の関税政策やトランプ米大統領の発言などに振
り回される展開が続きそうだ。日銀会合やＦＯＭＣでは政策金利は据え置きの見通し。
日銀が利上げに前向きな姿勢を示すようなら一段と円高に振れる可能性がある。こうし
た中、ドル円は最近のレンジ内での振幅が中心となるものの、上値を抑えられやすい展
開が見込まれるとした。

【レンジ内での振幅が継続するドル円相場】
　ドル円は３月１１日に１４６円台半ばまで下落した後はもみ合いながら上昇して、１
９日には１５０．１０台まで上昇した。ただ、１５０円の大台回復後はそれまでの上昇
の反動もあり、伸び悩みを見せて１４８円台前半まで下落する場面も見られた。米経済
指標やトランプ米大統領の関税政策などに振り回される展開が続いている。

　１９日には日銀金融政策決定会合の金融政策発表があり、政策金利は大方の市場予想
の通り据え置きとなった。その後の植田総裁の記者会見では、「景気は一部に弱めの動
き見られるが、緩やかに回復」「見通し実現なら政策金利引き上げ、金融緩和度合いを
調整」「海外の不確実性はここにきて急速に高まっている」などと述べた。植田総裁の
記者会見中に１５０円台に乗せたものの、その後は１４９円台前半まで下落した。

　１９日にトルコ検察当局は、エルドアン大統領の最大の政敵であるイマモール・イス
タンブール市長を汚職やテロ組織への資金提供などの容疑で拘束した。これを受けて、
ロンドン序盤にトルコリラが急落、ドルが買われてドル円は再び１５０円台に乗せた。

　１９日（日本時間の２０日午前３時）に米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）は市場予
想通り、政策金利を据え置いた。パウエル議長は記者会見で、「経済は全般に強い」
「調査では景気の不透明感が高まっている」「調査では関税がインフレ期待を高めてい
る」などと述べた。

　注目されていたＦＯＭＣメンバーの金利見通し（ドットプロット、ドットチャート）
は前回と変わらずの年内２回の利下げを見込んだ。また、経済見通しではＧＤＰ予想を
大幅に下方修正した一方、インフレは上方修正した。保有する米国債を圧縮する量的引
き締め（ＱＴ）のペースを４月から減額することを決めた。これまでの月間２５０億ド
ルから５０億ドルに減額される。市場関係者の間では、ＱＴの減額は利下げに匹敵する
効果があるとの見方も出ている。

　これを受けてドル売りの動きとなり、ドル円は１４９円台後半から２０日の昼前後に
は１４８円台前半まで下落している。その後は２１日にかけて下げ渋りを見せている。

【ＦＯＭＣで年内２回の利下げ見通しは据え置き】
　ＦＯＭＣメンバーによる政策金利や経済見通し　（）は昨年１２月時点
＜政策金利＞
２０２５年　３．９％（３．９％）　２０２６年　３．４％（３．４％）
２０２７年　３．１％（３．１％）
＜実質ＧＤＰ＞
２０２５年　１．７％（２．１％）　２０２６年　１．８％（２．０％）
２０２７年　１．８％（１．９％）　長期　　　　１．８％（１．８％）
＜失業率＞
２０２５年　４．４％（４．３％）　２０２６年　４．３％（４．３％）
２０２７年　４．３％（４．３％）　長期　　　　４．２％（４．２％）
＜ＰＣＥ物価指数＞
２０２５年　２．７％（２．５％）　２０２６年　２．２％（２．１％）
２０２７年　２．０％（２．０％）　長期　　　　２．０％（２．０％）
＜ＰＣＥコア物価指数＞
２０２５年　２．８％（２．５％）　２０２６年　２．２％（２．２％）
２０２７年　２．０％（２．０％）

【トランプ関連報道や米経済指標で上下に振幅か】
　日米の経済指標やイベントとしては、２４日に米３月製造業ＰＭＩ速報値、米３月サ
ービス業ＰＭＩ速報値、２５日に米１月住宅価格指数、米１月Ｓ＆Ｐケースシラー住宅
価格指数、米２月新築住宅販売件数、米３月消費者信頼感指数、２６日に日本１月景気
動向指数改定値、米２月耐久財受注速報値、２７日に米第４四半期ＧＤＰ確報値、米新
規失業保険申請件数、米２月中古住宅販売成約指数、２８日に米２月個人所得・個人支
出、米２月個人消費支出（ＰＣＥ）価格指数、米３月ミシガン大学消費者信頼感指数確
報値などがある。

　米国の経済指標やトランプ米大統領発言の動向に振り回される展開が継続しそうだ。
米経済指標は強弱入り混じっており、一方向には傾きにくい展開とみられる。それより
も今の市場はトランプ発言に左右されやすく、発言のたびに振り回される展開となろ
う。明確なトレンドは出にくく、最近のレンジ内を中心とするもみ合いとなろう。ドル
円の目先の予想レンジは、１４５．００−１５１．００円。

【ユーロドルは高値圏で上値重い展開か】
　ユーロドルは１８日に１．０９５０台まで上昇したものの、その後は伸び悩み１．０
８台前半まで下落を見せた。ドイツによる防衛支出の拡大方針などを背景にユーロドル
は大きく上昇してきたものの、上げ一服の様相を呈している。ボリンジャーバンド＋１
Σや５日移動平均線を割り込んできており、目先は上値の重い展開が続くとみられる。
ユーロドルの目先の予想レンジは、１．０６００−１．０９５０ドル。

　２０日の英金融政策委員会（ＭＰＣ）では、大方の予想通り政策金利は据え置きとな
った。票割れは８対１となった。委員９名の投票行動は据え置きが８名、０．２５％ポ
イントの利下げ主張が１名となった。ベイリー英中銀総裁は「金利は緩やかに低下する
道筋」としている。

　声明では「金融緩和への段階的かつ慎重なアプローチが適切」とするなど慎重な利下
げ姿勢が示されている。「インフレ圧力が押し下げられれば、銀行金利の制限を緩和す
ることが正当化される」「しかし、目先のインフレ率上昇に関連した第二ラウンド効果
がある場合、相対的に金融引き締め路線が正当化される」と不確実性が高い状況も示さ
れていた。

　市場予想よりもややタカ派的であったとみられるが、緩やかに利下げを継続する道筋
は継続しており、ポンドドルは１．３０から一段高となる動きとはならなかった。一時
１．３０台に乗せる場面もみられたが、高値圏で上げ一服となっている。ユーロドルと
比べて相対的に底堅い推移を見せており、高値圏で一進一退の動きが続くとみられる。
ポンドドルの目先の予想レンジは、１．２６５０−１．３１００ドル。

　日米以外の今後の経済指標やイベントは、２４日に独３月製造業ＰＭＩ速報値、独３
月サービス業ＰＭＩ速報値、ユーロ圏３月製造業ＰＭＩ速報値、ユーロ圏３月サービス
業ＰＭＩ速報値、英３月製造業ＰＭＩ速報値、英３月サービス業ＰＭＩ速報値、２５日
に独３月ＩＦＯ景況感指数、２６日に豪２月消費者物価指数、英２月消費者物価指数、
英２月生産者物価指数、２８日に英第４四半期ＧＤＰ確報値、英１月貿易収支、英２月
小売売上高、スイス３月ＫＯＦ先行指数、独３月雇用統計、カナダ１月ＧＤＰなどがあ
る。

MINKABU PRESS 佐藤昌彦

※投資や売買についての判断は自己責任でお願いします。

為替週間展望＝ドル円はトレンドが出にくく、レンジ内でもみ合いか