[3月31日からの1週間の展望]
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   週間高低(カッコ内は日)       3 月 24 日〜 3 月 28 日
       始 値  高 値    安 値  終 値  前週比
ドル・円   149.11 151.21(28) 149.02(24) 149.84 +0.52
ユーロ・ドル 1.0823 1.0858(24) 1.0733(27) 1.0828 +0.0010
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国内株・金利/米国株・金利
終 値  前週末比            終 値  前週末比
日経平均株価 37,120.33 -556.73 日本10年債利回り 1.550 +0.026
ダウ平均株価 41,583.90 -401.45 米10年債利回り 4.249 +0.003
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<来週の主要経済統計等>
31日 日本2月鉱工業生産指数速報値、日本2月小売業販売額
    中国3月製造業PMI
    独2月小売売上高、独3月消費者物価指数速報値
    米3月シカゴ購買部協会景気指数
1日  日本2月雇用統計、日本2月有効求人倍率
    日銀短観(3月調査)
    豪2月小売売上高
    中国3月財新製造業PMI
    豪中銀(RBA)政策金利
    スイス2月小売売上高
    独3月製造業PMI確報値
    ユーロ圏3月製造業PMI確報値
    英3月製造業PMI確報値
    ユーロ圏3月消費者物価指数速報値、ユーロ圏2月雇用統計
    米3月製造業PMI確報値
    米2月雇用動態調査(JOLTS)求人件数
    米3月ISM製造業景況指数、米2月建設支出
2日  豪2月住宅建設許可件数
    米3月ADP雇用統計
    米2月製造業受注
3日  豪2月貿易収支
    中国3月財新サービス業PMI
    スイス3月消費者物価指数
    独3月サービス業PMI確報値
    ユーロ圏3月サービス業PMI確報値
    英3月サービス業PMI確報値
    ユーロ圏2月生産者物価指数
    カナダ2月貿易収支
    米2月貿易収支、米新規失業保険申請件数
    米3月サービス業PMI確報値
    米3月ISM非製造業景況指数
4日  日本2月勤労者世帯家計調査
    スイス3月雇用統計
    独2月製造業受注指数
    カナダ3月雇用統計
    米3月雇用統計
    パウエルFRB議長講演
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【前回のレビュー】米国の経済指標やトランプ米大統領発言の動向に振り回される展開
が継続しそうだ。米経済指標は強弱入り混じっており、一方向には傾きにくい展開とみ
られる。それよりもトランプ発言に左右されやすく、振り回される展開となろう。明確
なトレンドは出にくく、最近のレンジ内を中心とするもみ合いになるとした。

【トランプ関税関連の報道で上下に振幅】
 トランプ米大統領による関税関連の発言や報道に振り回される展開が続いている。3
月21日にトランプ米大統領が4月2日発動の相互関税に関して、「柔軟性がある」な
どと述べ、一部の国や地域を除外する可能性を示唆した。関税対象が的を絞ったものに
なると報道から、相互関税への警戒感がやや後退した。その後も何度か似たような発言
が出ている。

3月24日には3月の米サービス業PMI速報値が市場予想を上回るとドル買い円売
りで反応して、150.70台まで上値を伸ばした。25日の早朝には150.90台
まで上昇したものの、151円接近では上値を抑えられて149.50台まで値を削る
展開となった。その後は再び上昇に転じている。

26日に植田日銀総裁が、「基調的物価上昇率はまだ少し2%を下回っている」「コ
メ含む食料品価格は上昇率としては落ちついてくる」とハト派寄りの発言をしたことが
円売りを促した。さらにトランプ米政権が数週間以内に銅の輸入関税を実施する可能性
があると伝わったことがドル高を後押した。一連の動きを受けてドル円は150円台後
半まで上昇を見せた。

トランプ大統領は26日に「まもなく自動車業界への関税を発表する」と述べた。そ
の後、日本時間27日早朝に「アメリカ製でないすべての自動車に25%の関税をかけ
る」と発表した。また、「アメリカで自動車を生産する場合は関税がかからない」とも
述べている。

ドル円は25日に149円台半ばまで下落したものの、27日には151円台を回復
するなど、おおむね150円超の水準で推移するなど、堅調な流れを見せている。

【米経済指標やトランプ関連報道で荒れた動きか】
 日米の経済指標やイベントとしては、31日に日本2月鉱工業生産指数速報値、日本
2月小売業販売額、米3月シカゴ購買部協会景気指数、1日に日本2月雇用統計、日本
2月有効求人倍率、日銀短観(3月調査)、米3月製造業PMI確報値、米2月雇用動
態調査(JOLTS)求人件数、米3月ISM製造業景況指数、2日に米3月ADP雇
用統計、米2月製造業受注、3日に米2月貿易収支、米新規失業保険申請件数、米3月
サービス業PMI確報値、米3月ISM非製造業景況指数、4日に日本2月勤労者世帯
家計調査、米3月雇用統計などがある。

1日の米2月雇用動態調査(JOLTS)求人件数、米3月ISM製造業景況指数、
2日の米3月ADP雇用統計、3日の米3月ISM非製造業景況指数、4日の雇用統計
などが注目される。

米2月雇用動態調査(JOLTS)求人件数の事前予想は769.0万人となり、前
回の774.0万人を下回る見通しとなっている。米3月ISM製造業景況指数の事前
予想は49.8と好不況の境目である50を割り込み、前回の50.3を下回る見込
み。米3月ADP雇用統計は前月比11.9万人増と、前回の7.7万人増を上回る見
込み。

米3月ISM非製造業景況指数の事前予想は53.1と、前回の53.5を下回る見
通し。米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比13.5万人増と前回の15.1万
人増を下回る見通し。失業率の予想は4.1%で前回から変わらずの見通し。経済指標
はおおむね鈍化見通しとなっており、市場予想に近い推移となればドル売りに傾きやす
くなる。なお、4日の米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の講演にも注目
される。

なお、トランプ関税による米国での物価上昇圧力の高まりも警戒されており、ドル高
圧力として意識されそうだ。米経済指標やトランプ関税関連報道に左右されながらも底
堅い動きが継続するとみられる。ドル円の目先の予想レンジは、148.00−15
2.00円。

【ユーロドルは一進一退の動きか】
 ユーロドルは買いが一巡して1.0950台まで上昇した後は下げに転じており、
1.07台前半まで下落してきた。21日線を割り込んだところで下げ渋りの動きを見
せている。高値圏から200ポイント超の調整を見せてきたことで売りが一服した。目
先の調整は一服したものの、戻りの動きは限定的となり、最近の水準を中心に一進一退
の動きとなりそうだ。ユーロドルの目先の予想レンジは、1.0600−1.0850
ドル。

ポンドドルは1.30近辺から下げを見せたものの、ユーロドルほどの深押しはな
く、底堅い動きを見せている。1.28台後半まで下落した後は1.29台半ばまで戻
している。21日線にサポートされており、堅調な推移を見せながら緩やかに上値を追
う展開が見込まれる。ポンドドルの目先の予想レンジは、1.2750−1.3100
ドル。

日米以外の今後の経済指標やイベントは、31日に中国3月製造業PMI、独2月小
売売上高、独3月消費者物価指数速報値、1日に豪2月小売売上高、中国3月財新製造
業PMI、豪中銀(RBA)政策金利、独3月製造業PMI確報値、ユーロ圏3月製造
業PMI確報値、英3月製造業PMI確報値、ユーロ圏3月消費者物価指数速報値、ユ
ーロ圏2月雇用統計、2日に豪2月住宅建設許可件数、3日に豪2月貿易収支、中国3
月財新サービス業PMI、独3月サービス業PMI確報値、ユーロ圏3月サービス業P
MI確報値、英3月サービス業PMI確報値、ユーロ圏2月生産者物価指数、4日にス
イス3月雇用統計、独2月製造業受注指数、カナダ3月雇用統計などがある。

MINKABU PRESS 佐藤昌彦

※投資や売買についての判断は自己責任でお願いします。