前日の海外市場で、ドル円は１４５円２０銭前後まで一時ドル安円高となった。その
後１４６円台半ばまで買い戻しが入ったが、再び１４５円台へ下げるなど、ドル安円高
の流れが継続している。

　この後もドル安円高警戒が続きそう。トランプ関税の影響がどこまで継続するのかが
注目されるところ。心理的な節目でもある１４５円手前には買いが入っているとみられ
るが、関税警戒が強まるようだと、抜けていく可能性が十分にある。

　トランプ大統領や関係者の発言にも要警戒。今後関税を引き下げる可能性はもともと
指摘されているが、トランプ氏も素晴らしい提案があれば引き下げる可能性があると発
言しており、今後の動向に注目が集まるところ。一方で対立を強めようとする動きもあ
り、注意が必要。

　また、今日は米雇用統計の発表が予定されている。前回やや弱めという印象の同指
標。今回もやや弱めの数字が見込まれている。予想を下回る弱さを見せた場合、関税問
題で米景気の先行き不透明感が広がる中で、ドル売り円買いが強まる可能性がある。

　ユーロ円などクロス円もリスク警戒が継続。ドル円同様に関税の動向次第ではもう一
段の円高がありそう。ユーロは対ドルで買いが出ており、ユーロ円も安値から反発の場
面が見られたが、リスクは下方向か。

　ユーロドルは１．１０台後半までドル安が進んだ。ＥＵはマスク氏のＸ社へ巨額賠償
請求の動きを見せるなど、対立姿勢を強めており、今後の動向が警戒されるところとな
っている。

　今日のドル円の予想レンジは１４４．００〜１４７．５０円。

【米雇用統計を受けた影響注目】

　２１時半に３月の米雇用統計が発表される。前回は小売りや飲食などの弱さもあっ
て、弱めの結果となった非農業部門雇用者数は前月比＋１３．５万人と弱い伸びが見込
まれている。前回４．１％と小幅悪化した失業率は４．１％で横ばい見込み。

　関連指標のうち、ＩＳＭ製造業と同非製造業が弱く出た。米景況感の悪化が警戒され
ている。米雇用動態調査（ＪＯＬＴＳ）も弱く出ており、雇用統計事態も予想よりも弱
く出る可能性がありそう。関税を受けて米景気の先行き不透明感が広がる中で、弱めの
指標はドル売り円買いの流れを強める可能性がある点に注意。

【今日の予定】

【米国】
雇用統計（3月）21:30
予想　13.5万人　前回　15.1万人（非農業部門雇用者数・前月比)
予想　4.1%　前回　4.1%（失業率)
予想　0.3%　前回　0.3%（平均時給・前月比)
予想　4.0%　前回　4.0%（平均時給・前年比)

MINKABU PRESS

［今日の視点］為替＝トランプ関税の影響継続か、米雇用統計にも注意