［４月１４日からの１週間の展望］
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
　　　週間高低（カッコ内は日）　　　　　　    4 月 7 日〜 4 月 11 日
　　　　　　　始　値　　高　値　　  　安　値　     終　値　 前週比
ドル・円　　  146.91   148.27( 9)    142.07(11)    143.54   -3.39
ユーロ・ドル  1.0949   1.1473(11)    1.0882( 7)    1.1355   +0.0399
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
国内株・金利／米国株・金利
                  終　値　　前週末比　　　　 　　　　   　 終　値　 前週末比
日経平均株価    33,585.58     -195.00     日本10年債利回り   1.355   +0.138
ダウ平均株価    40,212.71    +1897.85     米10年債利回り     4.490   +0.495
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
＜来週の主要経済統計等＞
１４日　中国３月貿易収支
　　　　日本２月鉱工業生産指数確報値
　　　　スイス３月生産者・輸入価格
　　　　カナダ２月卸売売上高
１５日　英３月雇用統計
　　　　独４月ＺＥＷ景況感指数
　　　　ユーロ圏２月鉱工業生産指数
　　　　米４月ＮＹ連銀製造業景気指数、米３月輸入価格指数
　　　　カナダ２月製造業出荷、カナダ３月消費者物価指数
１６日　ＮＺ３月貿易収支
　　　　日本２月機械受注高
　　　　中国３月鉱工業生産指数、中国第１四半期ＧＤＰ
　　　　中国３月小売売上高
　　　　英３月消費者物価指数、英３月小売物価指数
　　　　ユーロ圏２月経常収支、ユーロ圏３月消費者物価指数確報値
　　　　米３月小売売上高、米３月鉱工業生産・設備稼働率
　　　　カナダ銀行（ＢＯＣ）政策金利
　　　　米２月対米証券投資
１７日　ＮＺ第１四半期消費者物価
　　　　日本３月貿易収支
　　　　豪３月雇用統計
　　　　中川日銀審議委員講演
　　　　独３月生産者物価指数
　　　　欧州中央銀行（ＥＣＢ）政策金利
　　　　ラガルドＥＣＢ総裁記者会見
　　　　米３月住宅着工・許可件数
　　　　米新規失業保険申請件数、米４月フィラデルフィア連銀景況指数
１８日　日本３月消費者物価指数
　　　　※グッドフライデー（聖金曜日）の祝日で米国、欧州、英国、香港などが休場
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【前回のレビュー】現在はトランプ米大統領の関税関連の発言に振り回される状態が続
いており、相互関税が市場に織り込まれるまでは、経済指標関連の影響は限定的となり
そうだ。トランプ米大統領の発言は二転三転することもあり、市場が全く想定してない
ような発言も出てくるため、ドル円は上下に荒れた動きを見せつつ、落ち着きどころを
探る展開か。一方的な円高進行とはならず、反転上昇する場面もみられるとした。

【トランプ関税や発言に一喜一憂】
　トランプ関税関連の報道で市場は上下に振幅している。ＮＹダウは４日に２２３１ド
ル安、７日に３４９ドル安、８日に３２０ドル安、９日に２９６２ドル高、１０日に１
０１４ドル安と荒れた動きを見せている。日経平均は７日に２６４４円安、８日に１８
７６円高、９日に１２９８円安、１０日に２８９４円高、１１日に１０２３円安となっ
ており、日米ともに通常では考えられないボラティリティの高さとなっている。

　９日にトランプ米大統領が相互関税を発動した。ところがこの後、トランプ米大統領
が相互関税に関して、米国に対して報復措置を講じてない国や地域に関して、９０日間
関税を停止すると発表したことで米国株は急騰した。米１０年債利回りは上昇して、ド
ルが上昇、円は売られてドル円は１４４円近辺から１４８．２０台まで上値を伸ばし
た。

　１０日のＮＹ市場では米中対立激化への警戒感から米株安、ドル売りの動きとなっ
て、ドル円は１４４円近辺までドル売り円買いが進んだ。１１日には急速に円高が進ん
で、ドル円は１４３円を割り込み、一時１４２円台に突入している。

　ドル円の値幅は大きく、３日に４．０円、４日に２．８０円、７日に３．３円、８日
に２．１円、９日に４．２円、１０日に３．８円と非常に大きなものとなっている。１
０日までは１４４〜１４８円台でのレンジ内での振幅となっていたが、１１日には一段
安となっている。

【今後もトランプ関税に関する報道で荒れた動きか】
　日米の経済指標やイベントとしては、１４日に日本２月鉱工業生産指数確報値、１５
日に米４月ＮＹ連銀製造業景気指数、米３月輸入価格指数、１６日に日本２月機械受注
高、米３月小売売上高、米３月鉱工業生産・設備稼働率、米２月対米証券投資、１７日
に日本３月貿易収支、米３月住宅着工・許可件数、米新規失業保険申請件数、米４月フ
ィラデルフィア連銀景況指数、１８日に日本３月消費者物価指数などがある。

　日米の株式市場が大荒れの展開となる中、通貨も荒れた展開を見せている。当面はト
ランプ米大統領による関税関連の報道に振り回されやすい展開が続くとみられる。日米
の経済指標の影響は限定的となりそうだ。米中貿易摩擦が激化するようなら、一段とド
ル売りが進んでドル円はさらに軟調な動きを見せる展開か。ドル円の目先の予想レンジ
は、１４０．００−１４８．００円。

【ユーロドルは上昇基調で推移か】
　１７日の欧州中央銀行（ＥＣＢ）理事会では追加利下げに動く見通し。トランプ関税
の影響が不透明で景気減速やインフレへの警戒感が高まる中、理事会後の記者会見でラ
ガルド総裁がどのような見解を示すかが注目される。利下げが加速するとの見方が広が
ればユーロ売りとなりそうだが、インフレ警戒が高まった場合はユーロの支援材料とな
りそうだ。もっともトランプ発言の前では、すべてが霞んでしまう可能性もある。

　９日のＮＹ市場午後にトランプ米大統領が相互関税の発動を９０日間停止したこと
で、米株高や米債利回り上昇とともにドルが急伸して、ユーロドルは１．０９１０台ま
で下落した。１０日はロンドン市場以降で前日のドル高の反動安となり、ユーロドルは
１．１２台に乗せてきた。さらに１１日には１．１３台まで上値を伸ばしている。

　ユーロドルは底堅い流れを継続して、上昇基調で推移するとみられる。なお、ボリン
ジャーバンド＋３σ近辺まで上昇するなど、テクニカル的な過熱感の高まりやトランプ
発言次第では下げに転じる可能性もある。ユーロドルの目先の予想レンジは、１．１１
００−１．１４５０ドル。

　ポンドドルは米相互関税を受けてのドル売りを受けて、３日に１．３２００台に乗せ
た。その後は戻り売りに押されて、７日に１．２７００ドル近辺まで下落した。関税の
影響による英国の景気減速などが警戒された。その後は売りが一服して、戻り歩調で推
移している。ポンドドルは押したところでは底堅く、堅調な動きを続けるとみられる。
ポンドドルの目先の予想レンジは、１．２８００−１．３３００ドル。

　日米以外の今後の経済指標やイベントは、１４日に中国３月貿易収支、スイス３月生
産者輸入価格、１５日に英３月雇用統計、独４月ＺＥＷ景況感指数、ユーロ圏２月鉱工
業生産指数、１６日にＮＺ３月貿易収支、中国３月鉱工業生産指数、中国第１四半期Ｇ
ＤＰ、中国３月小売売上高、英３月消費者物価指数、ユーロ圏２月経常収支、ユーロ圏
３月消費者物価指数確報値、カナダ銀行（ＢＯＣ）政策金利、１７日にＮＺ第１四半期
消費者物価、豪３月雇用統計、独３月生産者物価指数、欧州中央銀行（ＥＣＢ）政策金
利、ラガルドＥＣＢ総裁記者会見などがある。

MINKABU PRESS 佐藤昌彦

※投資や売買についての判断は自己責任でお願いします。

為替週間展望＝ドル円は荒れた動きの中、上値重く推移か