斎藤 岳@アイデアブック
株と仮想通貨の投資をメインに行っています。 12年ほどゴールドマン・サックスの自己勘定部門及びヘッジファンドチームで投資をしてました。 基本的にボトムアップの... つづきを読む
金曜日に発表された米国の雇用統計は市場予想+70万人に対して、前月比+85万人という結果となった。やや上振れた結果となったが、おおむね想定レンジの範囲内ということで市場全体に混乱は少なかった。前日にやや金利は上昇していたが、発表後には再度下落して落ち着くことに。連日繰りかえし金利の動きについては疑問を唱えているが、引き続き見方は変わらないものの最近の傾向と変わらない動きで落ち着いている。少なくとも雇用者数が大失速ということはなさそうな上に、ここ最近のテーパリング議論をさらに早めていくほどの衝撃の結果、ということでもないので、今週はマクロ的には波乱は少なそうな展開を予想している。 一方で、日本については週末に都議会選挙があった。自民党が第1党になったが、獲得議席数は予想よりかなり少なく、今後の自民党の政策にもかなり影響が出るのではないかと思っている。都民ファーストも健闘したとはいえ、議席を大きく落としており、小池都知事の行うコロナ対策が支持されているとはとても思えない。それを考慮すると、おそらく自民党は巻き返しを図るために、コロナ対策中心の政策から、今後は経済対策や休業補償など分厚くしつつ、ワクチン普及に向けて引き続き力を入れていくと考えている。しかし、もし敗因分析がコロナ対策の詰めが甘かったこと、という判断となった場合、上記とは逆の一層の締め付けを打ち出す可能性もあり、そのどちらに
昨晩の米国市場は、金利は微上昇、株も微上昇という流れ。新規失業保険申請件数が予想以上の改善を見せる一方で、製造業景気指数は良好なものの前月比で伸び悩み、全体として大きな流れにはならなかった。本日発表の雇用統計(市場予想+70万人)を前に小動き。雇用統計がどういう結果であれば、マーケットが上下するか読みづらい。市場予想を大きく超える数字だとすると、かえって金融引き締めの早期化が意識され金利上昇、株式下落になるかもしれないが、予想通りかややプラスくらいであれば堅調な景気回復として金利は微動き、株式市場は上昇という結果になるかもしれない。 いずれにしてもマクロで動きが決まって、指数買っとけば大体大丈夫!という市場環境は終わったように思う。結果的に株式指数も上がっているかもしれないが、可能なら個別銘柄を追いかけたほうが勝率は高そう。今週はアイデアブックにサンフロンティア不動産を投稿した。あまり流動性がない株なのと、数年を見据えたややロングタームの投資アイデアではあるが、秋口にかけてのワクチン普及率、その効果の顕在化、また政府による財政出動次第ではレジャー、旅行、ホテルなどの業態が一気に回復に向かう可能性もあり、その場合にはサンフロンティアも恩恵を受けるだろう。そのときは短期でのアップサイドも見込めると思っている。 ただこの短期ストーリーにのみベットするのであれば、わかりやすく航空株、レジャ
昨晩の米国市場は動きの乏しい展開。米国消費者信頼感指数が127.3(予想:119)と、コロナ前の数値を回復するなど昨晩発表の統計データは引き続き強い展開だったが、今日発表予定のADP全米雇用報告、及び週末予定されている雇用統計と大きな発表が目前に控えており、大きくは動かなかった。 今日で多くの日本企業の第1四半期が終わり、決算発表が約1か月後から始まる。7月はこの決算を意識したポジションがとられている季節でもあるので、今一度自分が保有している企業の会社計画などは再確認したほうがよさそう。会社によっては、5月の決算発表時に出した今期の会社計画が強気すぎ、あるいは弱気すぎる会社も多いし、また中には中間期(9末)の予想を出している会社も多い。こういった会社予想に対して第1四半期の進捗率がどうなのか、決算の見た目でも株価は動きやすい。 私も実際に保有しているアイフル(期限到来でアイデアブックは先日終了・・)の第1四半期見直し作業に入っている。先週発表された月次データを見ると貸付金の伸びが回復しており、昨年のコロナ中に貸付が伸びなかった不安を一掃してくれる結果だった。ただし第1四半期だけでみれば、これはすぐに利益に効いてくるわけではなく、一方で昨年の緊急事態宣言中のようなコストの大きな圧縮はさすがに今期はないので、前年同月比という意味での決算の見た目だけはやや気にはなっている。とはいえ中長期
金曜日に発表があった5月の個人消費支出価格指数(PCE)が前年同月比+3.4%、前月比は横ばいとなったが、前月の数字自体が+0.4%上方修正された。これをうけて金利は上昇し、長期金利は1.5%を回復した。また株式市場もNASDAQを除きおおむね上昇。金利も株も上がるという、リスクオンのような動きとなった。 PCEの結果事態はおおむね市場予想の範囲内だと思われるが、それでも好調な指標が確認されて金利が上がるのは個人的にはやや安心感のある反応。インフレ自体はある程度一過性であったとしても、+2%をしっかり超える水準が維持できればさすがに今の金利水準は是正されそうな、そんな予感のさせる動きではあった。バイデン大統領のインフラ投資計画も、ハイテク株よりかはむしろ伝統的な重厚長大産業に効いてきそうなこともあり、金利の下値余地のなさと上昇可能性などからハイテク株からの資金逆流が起こるかが、株式市場内での夏に向けての動きのポイントかもしれない。もっともインフレがここから弱まってくると話も変わってくるが。 日本だとオリンピック以降に、コロナ対策予算の未消化分19兆円が投下される可能性があり、日本版インフラ投資計画ではないが、こちらもワクチン接種の普及と相まって相場に影響を与えそうな話と考えている。聞こえは陳腐化されているかもしれないが、GOTO○○のような政策が再度未消化の巨額予算とともに出てくる
昨晩の米国市場は、①失業保険申請件数が予想以下の改善で耐久財受注も予想外に減少、②バイデン大統領がインフラ投資計画で超党派の合意を得たと発表、という、どちらもサプライズということもないが、米国経済にとってプラスマイナスの混じったニュースがあった。 これを受けて、株式市場は上昇。①により金融政策の変更がさらに前倒しになるリスクは軽減した(ように見える)ことと、②の財政によるプラス寄与に対して素直に反応した印象。一方で債券市場は冷めた見方でほとんど金利は動かなかったが、それ自体がある意味株式市場にとってはいいニュースともいえるかもしれない。 FOMC以降の動きの不可解さがリスクオフの前兆としてとらえられるのか、21日のモーニングコメントでも警戒していた通りだが、今週を振り返ってみて市場全体のリスクアパタイトは大きくは落ち込まなかった印象。昨年と同じ感覚ではないのは間違いないが、リスクオフというよりかは債券市場と株式市場で見ている未来予想が異なりつつある、そのギャップが広がりつつあるというのがFOMC以降の相場だったように思う。 債券市場が正しいとすると、これだけの金融緩和と財政政策の中でもインフレはかつての水準にとどまり、それを凌駕するものにならない、金融緩和をやめれば低成長になると言っているに等しい。イコール、米国経済はかつてほどの成長を遂げないという意味にもなり、先進国で唯一といっ
昨晩はFRBのパウエル議長が、インフレのみをみての性急な利上げは行わない、という議会証言があり、NASDAQ中心に株価は上昇した。一方で金利はあまり反応しておらず、債券市場は多少落ち着いた相場となった。発言内容自体はあまり意味のあるものでもなく、先週からの市場の動きを考えると債券市場の反応のほうが自然な反応。 株と債券市場でFOMCの受け止め方や昨晩のパウエル議長の証言に対する反応など、この1週間はバラバラとなっている。金利の動きは引き続き解せない部分が大きいが、長い目で見ればこういうバラバラな時は債券市場の動きが正しいことが多いので、そういう意味では夏にかけてのインフレ率と雇用者数が予想を超えるものではない、というシナリオを警戒している。 多少落ち着いたとはいえ、引き続き市場全体の動きに対して気持ち悪さが残る中、株でリスクを取りに行くとすればマクロとは関係ない動きができる中小型の個別株となってくる。時間があまりなくてちゃんと見きれていないが、サンフロンティア不動産が気になっており、今週末に調査してみるつもり。 本業は中古のオフィスビルを買って内装含めてリノベして売却。売却するまでの間は賃料収入入るし、それはそれで悪くない、といったビジネス。テナントが大企業でもない限り、内装まで整えてくれた方が入居者側も助かるしで、賃料含めてビルの収益力アップしての売却となっている。 数年前からバ
金曜日の米国市場はリスクオフ相場となった。ハト派寄りとして知られるFRB当局者(ブラード総裁)の発言がタカ派寄り、つまり金融引き締め寄りの発言をしたということで、テーパリングをより強く市場が警戒したことから相場は下がった。 ということだが、正直かなり困惑している。主な点は2つ。1つ目は、金融引き締めのリスクをより強く市場が意識したのであれば、長期金利が大幅に低下する理由がないところ。2年債や5年債といった比較的短期の金利は上昇したのだが、金曜日は長期金利がさらに低下してFOMC前の水準かそれ以下まで下がってしまった。米国の構造的な成長は長期では見込めないと言っているような、そんな金利のカーブになってしまった。その理由がブラード総裁の発言がキッカケといわれると、かなり違和感を覚えてしまう。インフレの過度な上昇、つまり成長が急すぎることを警戒しての政策金利引き上げの話であるのに、その発言の結果として長期金利が成長を見込まなくほど下がる、というのは辻褄があっていない。 2つ目はブラード総裁の発言がタカ派寄りと解釈されている点。確かに22年中の引き上げを示唆するのはタカ派と思われる側面はあるが、内容自体は当然という普通である。「FRBが金融政策の引き締めを早める方向に動いたのは、経済成長、インフレ率が予想よりも伸びていることに対して自然な対応である」と語っており、当然だが経済成長、インフレ
FOMCで利上げ見通しが2023年に前倒しされたことで、前々日は金利が急騰した。といっても、もともと下がっていたこともあり、上がったとはいえ直近の高値と比較すればまだ低い水準。そもそも23年中の利上げくらいであればある程度予想されていることだと思うので、(報道ではサプライズ的なトーンが多いが)本質的にサプライズだった可能性は低い。あえていえば、利上げ予想している当局者13人中7人が22年にも利上げすると考えており、23年末までというよりむしろ22年末かもしれない、といった辺りはややタカ派的なメッセージとして受け止められたくらいか。 金利も結局昨日は大きく下がって2日トータルでみれば、多少の上昇でとどまっている。追加でニュースがなければ、いったんFOMCの話は消化されつくしただろう。結局は毎月のインフレ率と雇用統計の数字次第ということであり、今回分かったことはそれらが強い数字を出し続ければ、さすがに利上げは早めてくるよねということ。逆に言えば、インフレ率や雇用者数が上振れなければ、テーパリングは相当しないともいえる。 この議論は前もあったが、素朴な疑問としてはこれだけの緩和状態の中でもしインフレ率が2%前後の通常運転に収束してしまった場合、もはやアメリカ経済は健康状態といえるのか?という疑問を呼び起こしそう。金融政策はどっちでもいいから、インフレはそれに応じてしっかりしていてくれない
昨晩の米国市場は、金利はほぼ横ばい。一方でNASDAQを中心に株式市場は木曜日のFOMCを警戒して利食いやポジションを落とす動きが見られて、やや弱含んだ。まぁわざわざボラティリティ追いかけなくてもいいよね、という動きではあるし、とりあえずFOMCの内容待ちなので今週はそれまではあれこれ言っても仕方ない面もある。 FOMCでよほどのサプライズがない限りは、23年末までにテーパリング開始といった辺りが変更点としてありそうな気はするが、だとしてもある程度織り込まれているようには思える。22年となってくると結構驚きになるのかもしれないが、とはいえ市場が冷静な理由があるとすれば、ということで今週考察している第2弾。 失業給付金上乗せが消え、労働市場に復帰⇒賃金上昇率の低下、車の購買力低下 月曜に書いた通り、原油以外の残りの懸念でいえば、賃金上昇率や購買力低下が考えられ、購買力は特に直近のインフレ要因(寄与8%くらい)となっている車価格についてである。車価格については、半導体不足に加えて、自動車部品全般が港湾で棚上げされている状態で、荷下ろし、輸送が滞っている状態の模様。昨年の12月のピークからはある程度解消したようだが、完全回復には数か月では足りない(トラック輸送も稼働率100%とか)ことが車価格の大きな上昇に繋がっている。 問題はそれでも消費者が買えてしまうということもあり、失業給付金の
金曜日の米国市場は動きの少ない展開。金利が落ち着いていることから、買い優先の市場ではあるが一時マイナスになるなど高値警戒、利食いの動きは引き続きあり、それを超えていくほどにはニュースもなく、カタリストが不足しているような展開だった。 CPIが予想を超えて上昇していくなかで、金利が下がり続ける理由について要調査と思い、週末少し調べてみた。可能性として、①原油価格、②賃金上昇率、③消費者購買力、あたりが低下していくことを考えられている、あるいは④少しでも利回り確保したい運用会社が短期的に買いに回った結果の需給要因(私自身コメントに書いた通り同じことをした・・)、という話があるようだ。今日はそのうち①の原油の価格動向(向こう数か月)を紹介したいと思う。 米国のイラン核合意復帰により原油輸出含む1,000件あまりの制裁解除 3月ごろに一度言われていた話ではあるが、バイデン大統領はイラン核合意復帰を打ち出しており、現在1,200件近くある経済制裁の内、1,000件あまりは解除していく段階的合意が存在している。一方で、イラン側は残り200件が解除されないことに態度を硬化させた結果、この段階的な解除自体が水に流れてしまった。 しかし、今週の6月18日のイランの大統領選以降、イラン側が再度交渉につくのではないか?という思惑がある模様。反米のハメネイ師が擁立する候補が勝つとみられているが、だからこ
注目のCPIが発表。5月は前月比+0.6%(前年同月比+5.0%)で市場予想の+0.4%(同+4.7%)を上回った。賃金も前月比で+0.5%。これを受けて朝方は長期金利も上昇。が、その後低下に転じて終わってみれば金利はさらに下がることになった。引き続き市場予想以上の伸びはしているものの、前月比の伸びが鈍化しているせいなのか、インフレが一過性で金融政策に影響ないという見方が最後は支配的にになった模様。 CPI発表前まで長期金利は低下していたので、そこからさらに低下したのは正直いって予想外。金利上昇に期待したポジションをアイデアブックでも投稿していたが、短期的には苦しい展開になりそう。 もっともこのインフレが短期的かどうかは数カ月みないと誰にもわからないのが本当のところ。一過性の見方の大半は夏にピークを迎え秋くらいから落ち着く、という意見。実際インフレ自体は僕も年末には落ち着き始めると思っているのだが、秋ころには失業保険の上乗せが消えるなど、労働者が労働市場に復帰することで雇用者数が大幅に改善すると考えている。つまり「インフレと雇用者数」両方が目標達成に近づいてくることを示唆するので、秋手前の夏ころの会話はインフレのみではなく、雇用者数も加味した金融政策の動向を探る展開になっているのでは?と考えている。 以上、テーパリング議論や期待値がかなり落ちたので、ポジションをクローズする必要もな
昨晩は長期金利がやや下がったくらいで、方向感のない展開。金利の動きにしても、木曜日のCPI発表に対する警戒含めた展開でもあり動き自体にあまり意味はなさそう。 あまり大きな話がないので、エルサルバドルがビットコインを法定通貨にする話にコメント。ビットコインがついに法定通貨!といわれるが、実際のところ通貨の歴史を考えたら全く目新しくないどころか逆行したような話である。金本位制、通貨を金の重さとした制度とほとんど変わらない。変わるところは、金の重さを表した兌換紙幣を用意せず(用意する?)、直接ビットコインでやり取りするくらいか。 自国の経済成長のためには通貨としてのビットコイン(金)を増やす必要があり、中央銀行はビットコイン(金)の保有に迫られる。といっても自国通貨がまさにビットコイン(金)なので、自国通貨では買えず、資本やサービスの輸出でビットコイン(金)を仕入れるしかない。逆に言えばその範囲の中での成長に抑えられてしまう。民間では、銀行で行う信用創造が大きな火種になる可能性がある。信用創造と数十年後の債務危機はセットであり、今のところ債務危機を救う唯一の解が(信用ある)政府による通貨供給。一方ビットコイン(金)だと上限あるため、債務危機によっては金に裏打ちされない通貨を発行して危機を凌いだ歴史がある。経済成長にキャップをかけるわ、危機にも全く対応できないわ、の使い勝手の悪い金本位制を
雇用統計が発表され、非農業部門雇用者数は+56万人と市場予想の+65万人に到達せず。これを受けて、金融政策が直ちに変更されるリスクが遠のいたということで、金利が大きく下がりNASDAQ中心に株式市場は上昇した。その前日のADP雇用統計の動きとは真逆の展開であり、YouTubeでも話したが、相変わらずADP雇用統計のいい加減っぷりが露呈された印象である笑 賃金をみると前月比₊0.5%の伸び、前年同月比では₊2%と大きく伸びている。求人件数も810万件と記録的な高さとなっており、雇用者を求める動きは活発であるものの、労働市場に労働者が復帰していない状況がうかがえる。もはや雇用者数の伸びは鈍化している方が賃金はより伸びていくのではないか?と思える状態である。賃金の伸びがこのまま続いていくと、インフレは一時的なオーバーシュートから長期化する可能性も出てきそう。まぁこのあたりは実際に見てみないと何とも言えないことに変わりはない。 金利は下がったが金融株は下がらず+0.2%で終わっている。金利が下がればマーケット全体が強くなりそれに引っ張られるわけで、この読みづらい政策相場で言えばボラティリティの少ない、かつ業績の結果も残せる数少ないセクターになっている。政策相場が長引くほど金融株の優位性もこれまでになく長期化する可能性があり、過去10年超の相場とは異なる傾向。配当利回りや安定性も高めのセクタ
昨日の米国市場は約10日ぶりに金融政策相場となり、リスクオフ・オン相場から2週間程前の相場に戻った。新規失業保険申請件数が市場予想以上に低下、加えてADP雇用統計も市場予想上回り、長期金利が上昇することでNASDAQ中心に緩和縮小懸念から下がった。全面的なリスクオフという流れもなく、市場全体ではリスクテイクする環境は変わってなさそう。 また仮想通貨市場は落ち着きを取り戻しつつあり、昨日も全般的に強かったため、個人投資家のリスク許容度は減退してなさそうだ。昨日アミンがAMC株に触れていたが、AMCは新株の発行を発表し株価は20%安で引けた。一時、最大で35%近く下がる局面もあれば上昇に転ずる局面もあり、草コイン以上のボラティリティとなっている。繰り返し新株発行し、高値で資金調達を何度も行っているAMC自身が最大の勝ち組かもしれない。 その他、バイデン政権が法人税増税を撤回し、最低税率15%とする方針へ転換と報道。いつかのモーニングコメントで、富裕層増税と両方を同時に追いかけるのは難しいのではないかとコメントしたが、法人税の方を転換することになった模様。これによりダウは多少反応したが、全体的には金融政策相場の中であまり反応しなかった。 今日のマーケットは久しぶりに金融政策が意識される展開となりそうでもあり、そういう意味では直近とあまりかわらないポートフォリオで良さそうなので、個別銘柄候
昨晩の米国市場は金利はやや上昇し、株式市場は横ばい。金融緩和を気にした、金利の上昇⇒市場下落という流れにし対して、景気回復期待による買いが交錯し、株式市場は横ばいとなっている。 そんな中金融株は理想的な展開。どちらかといえば、景気回復、金利上昇圧力が強い中、市場全体の下落要素も薄れたことで、金融株がより安心感を持たれるようになっている。もともとバリュエーションだけでいえば金融株はどれも割安であり、上昇しても他と比べて高くないのも重要な点であろう。 過去10年超にわたり、金融株は金利や政策による一過性のセクターであったが、今回については比較的に長続きしていてどこまで続くのか見極めが難しい。バリューvsグロースのニューノーマルとして長続きするのか、今がピークで元に戻るのか、判断がまだ出来かねている。過去の動きから見ればそろそろ怖いと思ってしまうが、ファンダメンタル的には過去にないくらい向こう数か月(金利上昇が見込める)はスター状態となってもおかしくないとも思う。ここは追って調査が必要。 もう1点は原油。景気回復、経済再開から原油需要の拡大やその期待とともに原油価格は底堅く推移しており、徐々に上昇を続けている。足元はその通りなのだが、視点を少し先に延ばしてみると、脱炭素という文脈でも実は価格上昇してしまう可能性があることが気になっている。現状、脱炭素によって様々な化石燃料に対する設備投資
金曜日の米国市場は小康状態といったところ。4月の個人消費支出価格指数(PCE)は前年同月比₊3.6%、食品・エネルギーを除くコア指数でも+3.1%(市場予想+2.9%)と、30年来の伸びを見せている。インフレが起きていることの確認ができつつも、予想の範囲内の伸びでもあり、マーケットは大きく材料視はしなかった。 金曜日引け後に自動車用半導体の大手、ルネサスエレクトロニクスの増資が発表された。約10%の希薄化。もともと2月にダイアログ・セミコンダクターを約6157億円で買収すると発表した際に、買収資金として新株発行の登録(最大2700億円)を行っており、増資自体にサプライズはなく、ようやく決まったのかというのが第一印象。通常であれば増資が発表されると短期的には需給面で株価は弱含む展開となるが、今回のように事前に発表されていた場合はすでに織り込まれている可能性もあり、一般的な動きに比べてそこまで下がらない可能性もある。実際、ルネサスを買おうと思っても、今後増資があるため二の足を踏んでいた投資家も多かったであろう。そういう意味では、正式に発表されたことで増資という不確定要素が排除され、ようやく投資対象として見れるようになった投資家もいると考えられる。 今期の予想ベースのPERで、希薄化後で22倍。ただし、買収先のダイアログ自体の利益貢献もあるため、単純にそれをプラスすると利益が10%強増え
昨晩は良好な経済指標を背景に金利は上昇。同時に株式市場はおおむね上昇。NASDAQのみほぼ横ばいの微減だった。金利上昇、株式上昇というリスクオン相場であり、今週前半のリスクオフ相場の反動と思われる。 水曜日のコメントでも記載したが、これまでの金利と株の逆相関性が今週失われ、むしろ正の相関を見せ始めている。金融政策がこれまでほどには市場の関心事項でなくなってきた(飽きてきた)可能性もあるので、要注意かなと思っている。その場合、市場が関心を寄せる次のものは何か?であるが、現状は全体的なリスクオフ相場への警戒と思われる。金融政策は引き続き重要なファクターであるが、インフレ見通しが長期にわたり定まらないことから、不透明性の増大に加えて暗号資産市場の動向含めて、リスクを落とすこと自体に関心が出てきたのかと思う。 もっとも昨日のように、新規失業保険申請件数が下がるなど、良好な指標が出れば反動でリスクオンになるなど現状では完全なリスクオフ相場とは程遠い。ベースとしてはインフレが進むことは考えられるので、良好な指標、インフレ↑、金利上昇はセットでこれからやってくると想定しており、その時の相場環境によって反応はまちまちではあるものの、リスクオン、ないし金利上昇懸念による一時的な混乱のセットが来ると思われる。 そう考えると、金融政策相場に少し飽きてきたところで金融株がもし下がるのであれば、それを拾って
昨晩は長期金利が低下し、株式市場も下落した。これまでの金利低下&株式上昇のセットから、ついにデカップリング開始か?という動き。たった1日の動きではあるものの、ターニングポイントかどうか考察。 1.暗号資産市場 暗号資産市場の動きが、個人のリスク許容度に影響を及ぼす不確定要素として繰り返し紹介してきた。今週に入りやや落ち着いた展開を見せているものの、ピーク時の価格から引き続き半減(といっても年初来で見れば、他資産比でもまだまだ良パフォーマンスだが・・)していることから、リスク許容度低下⇒個人投資家の株式売りとなっている可能性や、それを見越した短期勢の売却が発生している可能性がある。個人が金利のポジションを持つことはあまりないので、こういった動きは金利の動きとは無関係に発生することで、金利と株式のこれまでのセットからデカップリングが発生している、という話である。 市場コメント見ていると、昨日の動きはおおむねこのような見方に沿ってそう。実際、金利が低下したときに最初は株式市場は上昇していたのだが、場中に暗号資産市場が上昇から下落に転じていったことで、株式市場も下落していった。ただし昨晩の暗号資産市場の下落はかなり穏やかなものでもあり、むしろNASDAQの下落につられて暗号資産が下がったかのように見えるほどで(鶏と卵ではあるが)、金利が4-5bps低下したことを考慮(=機関投資家のこれまで
金曜日の米国市場はまさに一服。PMI速報値が61.5と過去最高をつけて、市場予想60.2を上回る結果となったが、サプライズの薄い結果でもあり相場全体への影響は限定的であった。インフレ懸念からグロース株の多いNASDAQのみがやや下げたのが特徴的なマーケットであった。 インフレと金融緩和の見通しについては現状の情報からはかなり出尽くしたところまで来ており、サプライズなデータポイントが出ない限りは今週はややボラティリティの下がった動きになるのではないか。そんな中で、ボラティリティを乱す懸念は暗号資産市場の暴落である。週末ビットコインだけでも20%近く下げており、個人投資家のリスク許容度が下がっていることが株式市場にとっても懸念。暗号資産市場における痛みがどの程度株式市場に影響を及ぼすかは、実際に蓋を開けてみないとわからない。個人的にはテールリスクにつながるような影響はないと考えているが、NASDAQのようなハイテク株は投資家の重なりやvaluationの高さからやや影響受ける可能性がある。 週末にかけて中国の金融安定発展委員会が、ビットコインのマイニングや取引を取り締まることを再度発表。先週半ばには出ていた話だが、再度声明を発表したことが引き金となり暗号資産は下落した。中国の取り締まり自体は今に始まったことではなく過去に何度もこういった動きはあるのだが、具体的な取り締まり内容が全く発表
昨晩の米国株式市場はNASDAQを中心として反発。金利は下落。引き続き、金利下落&株式上昇セット、またはその逆セット、の動きとなっている。暗号資産市場も昨日は反発をしており、個人投資家のリスク許容度の改善を確認するような形でNASDAQ中心の上げとなっている。 ひも解いてみると、現在の市場を突き動かすファンダメンタル上の主要因は「FRBの政策。テーパリング(金融引き締め)の時期に対する見方」の1点であることに変わりないが、これに加えて(特に個人投資家の)リスク許容度という観点で「暗号資産市場の値動き」が意識される展開となっている。5月のフィラデルフィア連銀業況指数が31.5(予想43)と前月の50.2から予想以上に低下し、金利はこの発表をきっかけに下がっている。この金利の下げに加えて、リスク許容度の改善が昨晩の株式市場の要因かなと個人的には考えている。 まぁ要するに一服ですね。ここ最近は激しかった2週間でしたが、おそらくは今日金曜日はやや落ち着いた市場になるのではないか。来週以降もそうなる、ということではないが、定点観測としてはインフレや経済指標の動向を確認しつつ傾向に変わりなければ、引き続き市場とは無関係の個別銘柄、金融系銘柄などを中心にしばらく様子を見てみる感じ。加えて暗号資産市場の動きもウォッチして個人投資家のリスク耐性が維持できるかの確認なのかな。 なお資金循環を考えると、