斎藤 岳@アイデアブック
株と仮想通貨の投資をメインに行っています。 12年ほどゴールドマン・サックスの自己勘定部門及びヘッジファンドチームで投資をしてました。 基本的にボトムアップの... つづきを読む
新規失業保険申請件数が34.8万件と予想以上の改善。雇用改善は着実に進んでいる結果が出ている。一方でコロナ再拡大による経済への懸念は引き続き残っており、金利はテーパリングと経済後退の両面を見ながらやや下がっている。テーパリングそのものが、経済後退するなら後ろ倒しになる可能性が高いので、そのリスクの方を気にしていると思う。振り返ると先週のミシガン大学8月消費者信頼感指数の弱さが尾を引いている。昨日は7月の米景気先行指数が発表され、予想以上の伸びを示しているなど今週いくつかの指標は引き続き強いものとなっているが、どれも7月のデータであることが8月以降のコロナ再拡大の懸念を打ち消す動きにはなっていない。昨晩の株式市場はほぼ横ばいだったが、シクリカルが下がってハイテク株が買われているので、コロナ懸念通りの動きとなっている。毎日気にすることが変わっており、ちょっとした躁うつ病に近い状況。 決算後の動きとして、以前取り上げたドンキ(PPIH)を調べ始めている。決算後に株価が10%近く下がっており、発表された今期の会社予想計画が850億円と市場予想より10%近く低いことが主な要因と思われる。ただ、この会社はいつも会社計画は保守的なので、弱く見える計画で大きく株価調整している今がある意味買うチャンスなのでは?という視点で注目している。決算自体を俯瞰すると、インバウンドの落ち込みによるドンキの減益を
7月末に行われたFOMC議事要旨が公開された。それによると、大部分の参加者はテーパリングを開始する雇用面の条件は現時点ではまだ達成されていないものの、年内には達成される可能性があると見ている。テーパリング開始のタイミングについては、引き続き意見は分かれている模様。金融政策による支援がまだ必要である、という意見が数人から出ている一方で、同じ数人からは、経済の変化を考えると、コロナ禍前の労働市場の状況はもはや正しい基準ではないのではないか、という意見もあったようだ。他にも、少数の意見として、金融政策が経済に貢献する余地はもうほとんどないという意見もあった模様。 この公開を受けて、米国株式市場は下落。金利はほぼ横ばい。株は年内のテーパリング開始を意識されたことで売られた。ただ必ずしも、早期テーパリング開始が多数を占めているわけでもなく、コロナ含めて(当たり前ではあるが)経済指標や雇用面での数字が先に弱まるとテーパリングは後退していく印象を持った。なお、昨日発表された7月の住宅着工件数は前月比-7%と、市場予想の-2%に対して大きく下落。但し需要が弱いのではなく、供給不足ということが主な理由のようだ。一時期から落ち着いたとはいえ、資材高騰などから建設会社の着工が遅れている模様。住宅着工許可件数は前月比+2.6%と増加しており、いずれ着工件数も増えていくものとみられている。 菅政権が今週に入
米国株式市場は下落して終了。7月の小売売上高が前月比1.1%の減少と、予想の0.3%の減少を超えるマイナスとなったことがキッカケ。とはいえ、要因の1つに供給不足による売上減少もあるため、単純に消費活動が鈍化していると結論付けにくいのがややこしい。コロナの再拡大の話もあるため、弱い経済指標は経済活動の正常化が遅れている証左、という見方にもなりやすく市場のセンチメントはぶれやすいので要注意。 一方で、金利は最終的にはほぼ横ばいで終わった。小売売上高は弱かったが、鉱工業生産統計が強めだったこともあり、金利は場中下落していたがその後上昇して横ばいで引けた。他にもテーパリングを早める観測などが出回っていることもあり、そのあたりも警戒されているように思う。当局者からの発言としてテーパリングの早期化が出てくると、今週の相場だと株式市場はやや想定より混乱する可能性があると考えている。 東京エレクトロンが決算発表。言わずもがな半導体の雄である。四半期最高益を更新し、半導体製造装置は売上が前四半期比+5.4%、フラットパネルディスプレイはテレビ用大型パネル向け設備投資が一巡した事などにより前期 4Q比41%減となった。ただ、利益率のより高い半導体製造装置の売上が伸びたことで、営業利益率は同6.3pt上昇し31.4%となっている。決算は好調だが、ある程度は予想された通りであったと思う。 今後の見通しにつ
米国市場は続伸。NASDAQも上昇した。7月の卸売物価指数(PPI)が発表され、前月比+1.0%と市場予想+0.6%に対して上振れ。CPIとは対照的に今後のインフレが懸念される内容となったが、金利は結果的にはほとんど反応していない。新規失業保険申請件数は37.5万件と先週より予想通りの改善となった。 決算後の株価の動きとマクロにそこまで振らされない銘柄でスクリーニングしていて、気になっているのは8174の日本瓦斯。いわゆるニチガスだが、第1四半期の決算が見た目弱く、昨日になり株価が7%強下がった。主にガス事業を行う会社で、LPガス業界は細分化されているため、東日本から西日本へと販売地域を物流・営業網を整えながら業界シェアを拡大していっている。第1四半期は、気温が高く、エネルギー価格も高いといったことから、ガス需要が弱く、コストも高いということで、粗利が想定より低くなった。それに対して販管費を機動的に減らすことで利益は確保しているが、会計ルールの変更で第1四半期の見た目がよくなかった。とはいえ、この変更は通期には解消されるもの。 という状況の決算なので、中をしっかり見ていかないと一見すると弱く見える決算内容。だが、基本的にガス需要は非常にディフェンシブであり、景気動向で大きく需要が変わるものではない。そういう意味ではコロナ含むマクロ経済がどうなろうが、業績自体は基本的には安定している
昨晩の米国市場は、再びダウとS&Pが過去最高値を更新し、一方でNASDAQは微減となった。インフラ法案の上院可決を受けての流れが継続している。また、7月のCPIが発表されたが、前月比で+0.5%と市場予想通り、食品・エネルギーを除いたコア指数では前月比で+0.3%と、市場予想の+0.4%に比べてインフレがやや鈍化している結果となった。金利は途中にやや上昇する局面もあったが、最終的には1bpsの下げに終わるなど大きくは動かなかった。 今回のCPIの結果だけ見れば、これまでの動きを踏まえると金利はもっと下がるかと思ったが、遅かれ早かれ起こるテーパリング等を(ようやく?)リアルに意識し始めているのか、直近金利があがったところから下がってはいない。前月のCPI発表時に散々言われたインフレは一時的で今後鈍化するという話、先月より今月の発表されたCPI結果の方がよりその議論は巻き起こりそうなものだが、この話は消化されつくしたのか金利に与える影響は昨日は大きくなかった。もっとも、株式市場が好感しているインフラ法案について、債券市場でも(下院成立まではまだ数か月あるとはいえ)景気浮揚策として意識されていることは金利下落が起きていない要因の1つかもしれない。 昨日はアイフルが決算を発表。営業利益は第1四半期で57億円と前年同期比10%減となり、上期の営業利益の計画に対して進捗率60%であった。去年の
1兆ドルのインフラ法案が上院で可決され、ダウは最高値を更新。続いて3.5兆ドルの支出法案も上院にて審議入りとなった。今後はインフラ法案が下院で審議されることになるが、下院のペロシ議長は3.5兆ドルの支出法案もそろうまで審議しないと言ってるようであり、実際に下院で審議、通過するにはまだ時間がかかると考えられる。 インフラ法案自体は織り込まれていたとは思うが、昨日は改めてポジティブに反応した格好となった。3.5兆ドルの支出法案はまだ紆余曲折あると思われ、市場もそのまま織り込んではいないだろう。 金利はやや上昇したが、本日夜に発表されるCPIが本番といったところか。財政支出を受けて、いわゆるバリュー株に代表されるようなold economy株が上がった印象。ダウがあがり、NASDAQがさがるというのはまさにその典型。再度バリューとグロースの逆転が起きるかどうか注目だが、ダウロングのNASDAQショートはこれまでの動きをみるとやや勇気のいるポジションである。 決算についてはソフトバンクグループが第1四半期の決算発表。純利益が前年同期比40%減の7,600億円であった。事前報道では株価下落により赤字がささやかれていたり、アナリスト予想でも赤字を予想しているものがいるなど、市場予想からみればかなり堅調な利益水準ではある。ただ、懸念視されている中国関連のITエクスポージャーについて、例えばDiD
アミンファンの皆様、申し訳ございません。火曜日ですが、諸事情によりしばらく私が投稿します。 日本は3連休明けとなったが、その間に米国で雇用統計が発表されて金利は1.2%から1.3%へ急上昇。ここ最近の金利の動きとは異なる反応を見せている。これまで好調な統計データが関係なく金利は下がり続けていたが、最近の各連銀総裁によるテーパリングや利上げ環境が来年には整うという一連のメッセージも含めて、ようやく足元の指標の強さに金利が反応した格好。 あれだけ現状の好調さは一過性という文言の中で金利は下がり続けていたことを考えると、今回の雇用統計の結果(+94万人 vs 市場予想+85万人、失業率5.9%→5.4%)はそこまでのビッグサプライズではなかったと思う。ただ金利は大きく反応しているのは、テーパリングや利上げの可能性を過度に無視していたところからの修正点なのかもしれない。今日の日本株も金融株が大きく上昇している。この金利上昇が長続きするかどうかはなんとも言えないが、どちらかといえば金利の底が見えたという安心感が金融株の買戻しに繋がっている可能性はある。 菅政権と自民党について、朝日新聞、TBS、読売新聞によると、直近の政権支持率が発足以来最低であることを示している。政権支持率から自民党支持率を差し引いた「党内政権魅力度」も一部マイナス圏になるなど、年末に向けての選挙に相応しくない状況になって
昨晩の米国市場は金利がやや上昇し、株式市場も上昇するなどリスクオン相場となった。今週の新規失業保険申請件数が38.5万件と先週の40万件から改善していることがキッカケとも言われるが、あまり深い意味はなさそう。本日雇用統計が発表される予定でもあり、どちらかと言えばその前のちょっとした調整ではないか。 ADP雇用統計が発表された際、弱い数字であったため一時金利は急落したが、その後連銀総裁の利上げ時期に関するコメントもあり、金利は一気に戻した経緯がある。市場金利が上がっていた数か月前は、金利上昇をけん制するかのようにテーパリングの否定や金融政策に変更がないことを強調していたが、最近逆に市場金利が下がっているなかで、今度はその市場金利の下落をけん制するかのようにテーパリングや利上げを匂わせるコメントが相次いでいる。 本日の雇用統計が市場予想に到達しなかった場合、あるいは最近の傾向でいえば予想を多少上回ったとしても、金利は下落すると思うが、ただそれをあまりよしとしていないのか、連銀総裁の誰かから金利下落をけん制するようなコメントが入る可能性があり、よほど酷い結果でもない限り金利はあまり動かないか、口先介入次第ではやや上昇する可能性もあると思って注目している。 日本株の決算も総じて堅調、好調のように見える。特に大型株がしっかりしているので、全体の指数はしばらく崩れないかもしれない。ただ秋口の選
昨日の米国市場は上昇。特段ニュースのないなか、引き続き発表される決算内容が好調であることに素直に反応した模様。金利もほぼ動かずで、マーケットもしばらく静観している状態が続いている。 中国政府による中国ネット企業締め付けや、それをキッカケにした中国株の下落に対して、振り返ってみれば結局米国に資金回帰した影響もあるのか米国株はあまり影響を受けていない。下がっているのはいつものながら日本株。まぁ日本株はそれ以外にも要因はあるので、中国規制強化のネタだけでは語れないところはあるが、いずれにしても中国の話の他市場への影響は少し落ち着いたと思われる。 ただ中国に依存度の高い銘柄は引き続き敬遠されそうなので、再度自身が保有している銘柄で中国事業が大きい会社がないか確認はした方がよさそう。ソフトバンクグループは言うまでもないが、他にも日経平均におけるウェイトが大きい影響もあるが、ユニクロ、ファナックあたりの被害が大きいのも中国リスクが引き続きくすぶっていることが影響していそう。 一方で中国政府もEVは国家事業としてサポートしているようで、中国EV業界は影響があまりない模様。そのため細かい違いを追いかけるなら、EV関係やそのサプライチェーンであれば中国向けのエクスポージャーが高くても影響は軽微に留まるという見方もある。半導体も同様。東京エレクトロンを見ても、あまり売られておらず、こういうシェアの高い
米株は下落。アマゾンを始め、GAFAなどハイテク株中心に下落した。1日の動きだけではなんとも説明しづらいが、これまで市場をけん引していたハイテク株について風向きが変わってくることになるのか。6月の個人消費支出価格指数は、コア指数が+3.5%と市場予想の+3.7%に届かず、早期の金融引き締め観測が後退し金利は下落。コロナ再拡大の懸念、金利下落、と株式にとってプラスマイナス入り乱れる要素があったが、その中でハイテク株中心に下落した。 過去1年半にかけて市場全体は割とシンプルなテーマ、つまり巨大な金融緩和、財政の下、コロナによる恩恵と負け組、そこからの復活というもので、ワクチンの開発と普及がある意味ではゴールでもあった。一方で、現状ではそのゴールが見えつつあることで、例えばコロナ恩恵銘柄の決算内容に変調がありつつも、デルタ株拡大の懸念などワクチン普及がゴールではない可能性がでてきており、コロナ解決という単純な未来が描きにくくなっている。 かといって、再拡大したとしてもまたロックダウンだの給付金だのと、シンプルにこれまでの繰り返しになるイメージもなく、案外この共存というシナリオがどういう人々や社会の変容をもたらすか、マーケットも混乱しているような印象。 買うなら、コロナ恩恵銘柄なのか、負け組の復活なのか。とはいえ、S&P500社の内、300社が決算を出し、90%が市場予想を上回る内容となっ
米国株式市場は上昇。GDP速報値は年換算で前期比₊6.5%と予想の+8.5%に届かず、今週の失業保険申請件数も40万件と予想の38万件ほどには下がらず。という状況の中、出てくる企業決算自体は総論としては好調でもあり、市場は上昇した。GDPなどマクロ指標がやや弱かったことから、金融緩和の長期化が意識されて安心感につながったという見方もあるが、個人的には仮に予測通り強く出ていたとしても、あまり動きは変わらなかったとも思う。金利はほとんど動いておらず、緩和長期化が意識されて下がったわけでもない。かといって、仮に経済指標が強かったとしても金利上昇が起きたとも思えず、株式マーケットはどっちにしても良いように解釈していたと思うし、(一時的に?)不感症になっているように思う。 アマゾンの決算発表によると、さすがにコロナによるEC利用の伸びは鈍化しつつあるとのこと。決算を受けて時間外取引で売られているが、言い換えると、予想されていたことだがオフラインのビジネスに消費が流れ始めていることが示唆されている。コロナ拡大中の日本では、また飲食やレジャー、旅行などの銘柄は弱含む可能性はあるが、ワクチン接種後のリターンを考えると、下に押す局面では拾っていくつもり。 あと予想通り経済対策の報道がきた。総額30兆円とあるが中身がよくわからず。とはいえ元々未消化の予算だけでも20兆円近くあったと思うので、規模感とし
昨晩はNASDAQ中心に下落。今週決算を発表するハイテク関連株、グーグル、アップル、マイクロソフト、アマゾンなどが決算を前に売られた。他に、中国市場が各種規制強化を受けて大幅に下落していることや、27-28日に開かれるFOMCを控えての警戒もあり、相場全体も6日ぶりに下がった。なお、引け後に決算を発表したグーグル、アップル、マイクロソフトは、時間外取引で現在+3%, -1.5%, +0.8%となっている。 前日に決算を発表したテスラも、決算内容は良好だったが半導体不足が依然として深刻であることが、今後の業績含めて懸念視され2%安。相場全体も上期決算の内容から、下期の予想が維持できるかどうか、失速しないかどうかを見始めており、企業業績へのわかりやすいリスクファクターとしてコロナの再拡大や半導体不足を再度意識し始めているようだ。 そうなると半導体産業が再度注目を浴びるかも?ということで、昨日決算を発表した信越化学。経常利益が1,308億円と市場予想対比+6.6%で、塩ビ事業に加えて、半導体用のシリコンウェハも好調であった。下期にかけても特段懸念はないように見えるが、元々半導体については供給不足が一巡するタイミングが懸念視されていただけに、再度供給不足が意識されるようであれば一連の半導体セクターは他より強い可能性はある。住宅・半導体ともにやや長めの一過性とみられがちなので、決算を受けての
米国市場は終値ベースで史上最高値を更新。コロナ再拡大による警戒がくすぶっている中、好調な企業業績を背景に続伸する結果となった。先週指摘していることと変わらないが、決算シーズンに突入しており強い決算が相場全体を支えている状況である。 リフィニティブによると、S&Pの500銘柄のうち120社が決算を発表済。そのうち88%が市場コンセンサスを上回る決算を出しており、長期金利も1.3%に迫る水準まで回復することとなった。株の定義を考えれば、マクロの経済指標以上に企業業績そのものが重要であるのは言うまでもなく、そこが非常に好調であることは市場全体にとっては安心感につながら内容であろう。GAFAに加えてテスラなどの決算も今週発表される予定で、グロース系も期待に応えられるかどうかが要注目である。その他、今週はFOMCが開催される予定。 先週水曜日は大型株の日本電産が決算を出している。税引前利益が437億円と前年比で₊60%で、市場予想対比で+6%と予想を上回る内容であった。家電向けのモーターやコンプレッサーが好調だったようで、在庫確保の動きもあったのかもしれないが、エアコンや冷蔵庫などの家電業界の売れ行き自体も好調なのかもしれない。7-9月期は猛暑からさらにエアコン需要が増していると想定され、家電メーカーや量販店などの決算でそのあたりは確認できるかもしれない。日本電産の通期の業績予想に変更はない
昨晩は米国株式市場は1.5%前後上昇する展開となり、前日までの二日間で下げた分の半分近くを戻した。月曜日のモーニングコメントでも書いた通り、企業決算自体は好調であり予想を上回る内容が多いことから、決算を好感しての買戻しが入った模様。株式の定義からして、最後は企業利益がどうであるからが根本でもあるので、この原点部分でしっかり強い結果が今のところ出ていることは下支えになると思われる。見方を変えれば、相場全体がやや弱気になる中、ちょうど決算シーズンに突入していてよかったね、とも言える。 やや気になるのは、仮想通貨市場がダラダラと緩やかに下げていること。年初の位置からみてリスクオフといえるほどの下げでもないが、リスク許容度が徐々に下がっているのは間違いない。緩やかであるため気づきにくいのだが、やはり数か月前と市場全体の状況が違うことは念頭に置いていいと思う。 そんな中でネットフリックスの決算が20日に発表され、4-6月の契約件数の増加は₊154万件となり、市場予想の₊103万件は上回った。一方で前年は₊1010万件とコロナの巣篭り需要を大きくとらえていたため、ポストコロナでの成長がどうなるのか、他の多くのコロナ恩恵銘柄の評価にも影響を与えるとして注目している。7-9月の会社予想によると、契約件数は₊350万件と予想しており、市場予想の₊550万件を大きく下回る内容であった。これをうけて時間
金曜日の米国市場は、金利はほぼ動かないまま、株式市場は下落した。強弱ある統計データが出るなか、全体的な利食いに押された形。6月の小売売上高は前月比+0.6%と、市場予想の-0.4%に対して予想外にプラスとなり景気回復を強く意識されたが、その後発表された7月のミシガン大学消費者信頼感指数が80.8と前月の85.5から大幅に低下し2年振りの低水準となったことで、物価上昇による景気悪化の懸念が今度は意識される展開となった。 リフィニティブによると、これまで決算発表したS&P500に採用されてる米国企業41社の内、2021年4-6月期の利益がアナリストの予想を上回った企業は全PER体の90.2%となり、S&P500の採用企業の利益は同期間で前年比72%の増益と見られている。7-9月期以降からの一年間の予想利益をベースとしたPERは21.8倍となり、予想通りに利益を今後生み出していければ米株のPERの高さはかなり改善されるだろう。 今後の景気動向に期待と不安が混在するのは当たり前の話だが、足元の企業決算は期待を上回り堅調に推移しているようで、このままPERが改善していくようであれば株価の位置も安心感は出そう。といっても、今の株価がPER上、適正水準になるということは、予想以上の決算が今後でない限り、バリュエーションの観点では向こう一年はあまり上がらないということでもある。 なお原油について、
昨晩の米国市場は債券と株式でややバラバラの動きとなった。債券市場では、金利は大幅に低下。パウエル議長の証言が従来と変わらないものであったことから、今週前半の金利上昇分が消滅する形で金利は低下することとなった。CPI発表後に起きた金利上昇について、証言内容が変わらなければまた金利は下がるとコメントしていたが、その通りの展開となった(なってしまった)。インフレは一時的であり金融政策に変更なしという見方の継続。 一方で、株式市場は失業保険申請件数がしっかり下がっているなど、インフレ懸念からNASDAQ中心にやや売られた。ここ最近よく見かける、債券市場とは反応が逆の状況。とはいえ金利で動くというよりかは、決算シーズンが始まっており、そろそろ決算相場になりそう。米国株式は高水準のPERになっているので、決算がそれなりに予想達成してくれないと、金利の動向に関わらずPERの銘柄中心に利食いされるリスクが高そうだ。 日本株も7月末くらいから決算シーズンに突入。ただ日本株の場合、それよりも早く日経新聞が業績観測記事をドンドン出してくるので、その前から主要企業の決算情報が出てくる。個人的には業績予想対比でそこそこ強い決算になるのではないかと思うが、その場合報道でも予想上振れ、高進捗といった言葉が出てくるようになるので、堅調な決算自体は相場全体の下支えになるのではないかとは思う。ただ米国市場が弱含んだと
待ちに待ったCPIが発表。前年同月比で+5.4%、前月比で+0.9%上昇と5月の数字よりさらにインフレが加速。食品・エネルギーを除いたコア指数でみても前年比で+4.5%、前月比で+0.9%上昇しており、過去30年の高い伸びを達成している。 長期金利は上昇し1.4%を回復。というと、インフレ加速していることで金利上昇したかに思うが、実際にはCPI発表後はむしろ金利は微減しており、予想上回るCPIの結果に対しても引き続き一時的なものであるという見方通りの反応を示していた。ただその後30年債の入札が予想外に低調であったことで、長期金利が一気に上昇し終わってみれば1.4%を超える水準まで上昇した。これを受けて、株式市場も当初ややプラス圏を維持していたNASDAQやS&Pもマイナス圏に下落。CPIの結果というより30年債入札の結果が相場全体を動かした1日だったと思う。もっとも入札が低調だった理由の1つにCPIの結果も多少あったとは思うので、そういう意味ではCPIの数字も金利上昇の要因と言えなくもないのかな、という程度では思っている。 引き続き中古車市場がインフレの主なけん引役にはなっている。中古車価格が+10%以上となっており、これをみてインフレは一時的という見方が根強い。確かに中古車市場は、半導体不足の解消とともに、早晩落ち着いてくるものとは思われる。一方で住宅の家賃市場も堅調に伸びており
金曜日の米国市場は一転してリスクオン。長期金利が急上昇し、景気回復懸念の後退から株式市場全体は回復。週間で見ても、結局プラスで引けることになった。文章を書いていても「なんのこっちゃ」と思うくらい、期待と懸念を深い意味もなく繰り返している。 CPIの発表が13日にあるが、それまでにマーケットがどう動いていたかでCPIに対するリアクションも少し変わりそう。さすがにこの金利水準であれば、市場予想~やや強めくらいの数値であれば、金利が大幅に下がることもないとは思うが、最近の金利の動きは読めないので波乱要因にならないことを祈るばかり。 先週3%近くさがった日本株も今日は強めの展開にはなるだろうが、金曜日の動きについて一言。金曜日の場中、27500円を割る水準まで売られた日経平均だが終わってみれば27940円。さらに引け後の15:15には先物が1%以上プレミアムで取引を終えるなど、引けにかけて大きく値を戻す結果となった。金曜日はどうも終日ETFの決算絡みの売りが見られていたようで、それが下げの主因であれば絶好の買い場だったという話も出ていたが、この動きだけ見ると確かにETF決算の売りが下げを主導していたのかも。 ちなみに決算絡みの売りとは、ETFが配当を払うために保有銘柄を機械的に売却するということであり、本質的にはあまり深い意味のない売りである。そのため下がりきって売りが終わる前の引けに買わ
昨晩の米国市場は久しぶりにリスクオフの流れ。ここで繰り返し伝えていたように、長期金利の低下が示唆する米国の景気減退のリスクに株式市場が意識し始めたような展開となった。新規失業保険申請件数が前週より微増したことも景気回復が遅行している懸念になったようだが、おそらくはオリンピックの無観客など象徴的な出来事が引き金になったのかと考える。下げがきつかったのはアフターコロナ関連の銘柄。旅行やレジャーといったところ。金利低下もあって金融銘柄の下げもきつかった。 これまで言っていたようなワーストケースのシナリオになるのかどうか。つまり、これだけ緩和している状態にもかかわらず、米国でも成長できない時代に突入するのか。債券市場が示唆するものはそれであるが、現状ではそれをはっきり感じるデータはなく、雰囲気に近い予想を中心に株式市場が右往左往しているイメージ。もっともそれが市場でもあるので、逆に景気回復しているデータがしっかり出てくるまでは不安が市場を覆う可能性はある。 そんな中で6月CPIが来週13日に発表される。これまでの流れで言えば、予想よりやや高いくらいであれば債券市場の見方が変わるようなものにはならないだろうが、予想通りインフレしていれば株式市場はやや安心するだろう。 とはいえ、マクロ注目の投資は今はやめておいたほうがいい。今の動き(特に債券)が自分の中の考えとハマっている人はマクロ投資のいい
昨晩の米国市場は、発表された経済指標が弱く雇用指数が縮小したことをきっかけに金利が大きくさがり長期金利は1.35%となった。米供給管理協会発表の非製造業総合指数(NMI)が60.1と鈍化し、雇用指数は49.3となった。需要不足が要因ではなく労働力不足が要因で雇用指数が弱いのだが、これによって雇用弱い⇒景気悪化という反応は謎でしかない。とはいえ、これがマーケットであるので、お伝えしている通りマクロベットの投資はなかなか難しい時期である。 個別銘柄探索ということで、最近はドン・キホーテ(パン・パシフィックHD)を調べている。インバウンド需要剥落などもあり、株価は過去1年横ばいとなっているが、インバウンド剥落は一周回って今期(6月決算なので22年6月期)の前年対比でのマイナス要因のはもうあまりならない上に、アジア事業や傘下のユニーが好調なのでここからはプラス面が効いてくるのではないか?というストーリー。インバウンドももしかしたら多少プラスになってくるかもしれない。 とはいえ株価もPERで28倍近くありそれなりの水準でもあるので、決算発表で出てくる会社計画の水準次第といったところかな。今の株価2370円が倍を目指せるようなアイデアではないと思うが、その分業績拡大は堅実と思われ、1年後には3000円を目指していけるといいなと思っている。インバウンドが復活するのは、旅行回復の中でも一番最後、海